新生活
晴れて大学生活スタート!一人暮らしも始めた!頑張って行くぞ!
といっても勉強をするつもりはさらさらない。
いや、初めはもちろんいろいろと夢を持って大学生活をスタートさせたつもりだ。
教員免許を取りたくてその授業に初めて参加した日。
今でも忘れない。
先生から言われたのは、
「教育実習に行くにあたり、身だしなみはとても重要です。男子は××××××。
女子は黒髪にスーツとスカート。パンツスーツはタブーです。そして必ず化粧をすることです。」
この言葉を聞いた瞬間から俺は教職をとるのを諦めた…
(せっかく制服の呪縛から逃れたのに、またスカートを履くなんて絶対に嫌だ。死んでも教員なんかになるかっ。)
(元々俺は部活しにきたんだ。別に教職が取れなくったっていいや。)
てな事を考えて、単位はギリギリで授業も適当に受ける事を心に決めた。
そして気持ちを切り替え、恒例の可愛い子リサーチを始めた。
まずはサッカー部から。
ドッキーン!
いるいる。めっちゃどストライク!
目鼻立ちがはっきりしていて、髪はボブより少し長めくらい。
お名前は……高瀬 瑠衣子さん。
なんとこの子、俺と同じアパートじゃないか!なんとも運命を感じる。
同じ部活なので、気楽に話しかけられる。
ふむふむ。
彼氏はもちろんナシ!
(いてたまるかってんだっ。)
話をしていくと、
どうも今まで誰ともお付き合いした事がないらしい。
こんなに可愛いのに。
確かに、かなりの引っ込み思案な子だ。
ハッキリ言えば暗い。
なるほどね。
わかる気がする。
そして考え方も強烈。
結婚するまで誰とも付き合わない。
まぁ悪い事じゃないがね…
この子、落とすよ…俺。
毎日学校→部活→寝るの繰り返しだが、瑠衣子とはかなり仲良くなれたので、寝る直前までどちらかの部屋で夜遅くまで話をすることができた。
もちろんサッカーの話は多いのだが、
サッカーの価値観はあまり合わなかったので、俺は適当に受け流した 笑
だんだんわかってきたのが、やはり今まで誰ともつきあった事がない事。結婚するまでセックスはもちろん、キスもしないと決めてる事。
(こりゃー、一筋縄ではいかないな…)
俺の方はというと、瑠衣子には初めから自分の事は話した。
全く恋愛の免疫がないので、逆にあまり驚きもしなかった。
俺の方が面食らったぐらいだ。
2か月くらい生活を続けての俺と瑠衣子が俺の部屋でくつろいでいた、
「ん〜今日も疲れたな、瑠衣子は何食うの?」
「そうだな〜私はサラダ。」
瑠衣子はものすごく少食なのでいつもこんなだ。
俺は金がないので、キュウリをかじりながら、
「そっか、相変わらずだな、俺はキュウリとご飯にする。」
ただの白米に醤油をかけて食べるだけだ。
それを5合。すごい食生活だ。
ご飯も済ませ、ボーッとTVをみていたので、
俺は言ってみた。
「俺さ〜瑠衣子の事が好きなんだよね。」
「私も好きだよ♩」
「いや、そーじゃなくて、恋愛として。だから俺と付き合おうよ。」
「ん〜私も恋愛として好きだと思うけど、付き合うのはダメ。学校も部活も忙しいし、恋愛に左右されたくないの。だからこのまま仲良しでいようよ。」
「わかったよ、そうしてやるよ。」
「ありがと♫」
以外や以外、ダメ元で告ってみたら、俺の事は好きだと言うではないか。
今は無理でもそのうちチャンスがあるんじゃないかと俺は密かに思っていた…
でも俺はあまり待てるタイプではないので、すぐに他に目がいってしまっていた。
クラスの子、となりのクラスの子、いろいろと仲良くなった。
そして俺はバイトも始めた。
部活終わった後に、深夜まで飲食店でバイトに明け暮れた。
バイト仲間と終わった後に遊びに繰り出すのが毎日楽しくて仕方なかった。
その為、瑠衣子といる時間は減ってしまった。
瑠衣子は引っ込み思案なので、あまり友達がいない。いや、いないと言うより誘われない限り1人でいるようだ、
だから、俺が帰ってくるまで起きて待っててくれたりするのだ。
今から考えればキュンとくる所なのだが、
俺は何しろ毎日酔っ払って家に友達を呼んで朝まで騒いでいたので、瑠衣子どころではなかった。
学校でも瑠衣子と同じ授業を取っていても俺はほとんど寝ていた。
瑠衣子に替え玉を頼んだり、代返を頼んだり、まぁまともに授業は受けてなかった。
部活はというと、ありえない話だと言いたいが、俺はほとんど試合に出させてもらえなかった。自分で言うのも何だが、練習も真面目に出ていたし、実力もあったはずなのだ。
なのに、、
練習試合さえも使ってもらえなかった。
後でわかった話だが、どうも監督が瑠衣子を好きだったようで、いつもつるんでる俺が気に入らなかったらしい…
その時は知らなかったから、俺はもちろん腐った。監督に直接言いに言った事もあったが、全く聞き入れてなどもらえない。
俺はやってらんなくなり、ケガをしたと嘘をついてしばらく休む事にした。
そして、クラスで密かに狙っていた可愛い子が所属する体操部に毎日出ていた。
俺は体操は初めてだったので、その可愛い子に手取り足取り教えてもらい、毎日がハッピーだった。
二週間もすると、バク転もバク宙も余裕で出来るようになり、調子に乗っていたんだ。
朝一でいつものようにウォーミングアップとして、トランポリンの上でバク宙等で身体をならしていたら、
着地の場所がズレてしまい、頭から床に落ちてしまったのだ。
その辺の記憶は曖昧だが、鼻を骨折して、血だらけになり、病院に運ばれたのは覚えている。
それ以外は何ともなかったけれど、
まぁ怒られた。いろんな人から…
そりゃそうだ。
結局体操部に迷惑をかけてしまったので、参加するのは辞める事になった。
そんなこんなでサッカー部に戻り、雑用係りを仕方なくやりながら一年が経った…
ケガをしてからバイトもほどほどにしていたので、瑠衣子と話をする時間も増えていた。
相変わらず、取り留めのない話しかしていなかった。
とくに恋愛の進展もなかった。
そんな時期に新入生が続々と入ってきて、その中にメチャクチャ可愛い子がいた。
熊倉 晴美。
スラッと背が高く、サッカーをしてるとは思えないほど、女の子らしい感じの子だ。
それほどコンタクトは取らなかったのに、向こうが俺を気に入ったみたいで、よく練習後に俺の部屋に遊びにきていた。
ある夜、いつものように瑠衣子が俺の部屋でくつろいでいると、晴美も家にきた。
少々酒も入り、3人で盛り上がっていた。
しばらくすると晴美から、
「優さんと瑠衣子さん2人は付き合ってるんですかぁ?」
「あーそう見える?だってよ、瑠衣子?」
「全然そんな事ないよ、すごく仲良しなだけ。」
「そうなんですか、てっきり2人はつきあってるのかと思ってましたー。よかったぁ」
「何でよかったの?」
瑠衣子がすかさず聞く。
「優さんカッコいいから私がアタックしてもいいって事ですもんね。」
「おいおい、なんだそりゃ。本人の前でそーゆーこと言うか?」
「いいんです♩ほんとの事ですから。今日ってこのまま泊まってもいいですか?」
「まぁ遅いしな、かまわないよ。」
俺は今日はこの子とセックスしよう。と、この時考えていた。
ところが、いつも0時を回る前に瑠衣子は自分の部屋に帰るのだが、今日はなかなか帰らない。
こんな日に限ってどうして帰らないんだ。
帰れとも言えないし。
「そろそろ寝るか!」
「えーもう?まだ寝たくない!」
瑠衣子はこう言ってやはり帰らない。
いったい何なんだ、ちくしょう。
酒がドンドン進むのでそろそろ全員が眠くなってきた所で、ついに瑠衣子が、
「そろそろ寝るね。おやすみなさい。」
と言って部屋に帰っていった。
よぉぉぉぉぉぉし!
邪魔者はいなくなった!
晴美と2人きり。
俺は酔いに任せて晴美にいきなりキスをして押し倒した…
「あ…優さん…嬉しい。」
このまま……
ガチャッ
俺は飛び起きた。無用心な事に俺んちは鍵はいつもかけない。
「私もここで寝るぅ。」
なんと、瑠衣子が毛布を持って戻ってきたではないか。
まさかこれからセックスするから部屋に帰って寝ろとも言えず…
結局、3人で川の字で寝てしまった。
せっかくのセックスデーのはずが。