外編 津丹島 1
時間軸は4の後半です。
「都、来たわよ。」
何もない、空中にまるで壁があるかのようにコンコンとたたく。その瞬間そこが水のように揺れたような、そんな気がする。
詩織は暇つぶしに後ろに回る。真下は砂浜で、すぐそこには薄紫に染まる海が見える。水平線が綺麗に見える。
そして、ブワッと真後ろから風か吹いた。これまで、海側から風が吹いても真後ろの何もないその先から風が吹いたことはない。
「都!」
詩織は振り返る。
その風景は異常だった。
さっきまで平原が広がっているだけだったその土地は
何か穴が空いたかのように詩織がギリギリ通れるぐらいの大きさだけ、風景が変わっていた。
新しい大きな一軒家が立ち並び、畑や水田で植物が育てられる。なりより、美しい。空気も植物や建物の色も、そう全てが美しい。
「しお姉!早く!」
懐かしい声が響く。
迷わず、詩織を呼んだ張本人の少女の元へ走り、少女を掴んだ。
「久しぶり、都。」
「そうだね、5ヶ月ぶりだね。 ん?もしかして」
「そう!記憶の欠片、無事揃ったわ。」
「そうなんだ!よかったー」
肩から手を離し、詩織は一瞬さっきまでいた砂浜を横目で見て、島の中を見るため向きを変える。
「にしてもいつ来てもここだけは汚れがないわね。外とは大違い。」
それに合わせて都も島の中心部に向かって歩きだす。
「ねえ、しおねえ。外で戦争が起こるって本当?」
「都さんと月鈴さんが一緒におられる」「月鈴様が帰ってこられた!」などの野次馬を無視して歩む。
「…。ええ、最高神の伝説」
「それもだけど!そのあと」
「神々、の事?」
「うん、生物戦争」
「みんなそれに備えてる。まあ一部そうじゃないのもいるけど。そっちはどうするの?出兵とかあるでしょ?」
「私が守護に回る。それだけ」
「津丹島は?」
「出兵免除。津丹を中心に二重結界を」
「それでいいの?」
「それでって。津丹の守護者として、するべき事だから。私には守る事ぐらいしかできないし。」
ピタ、と止まる。
「…。全ての生物が勝つため争う生物戦争。
その罰から逃れるためだけに勝つ。それはどんな種族、個体であっても変わらない。それら一つ一つに課せられる責任は、種全体を動かす大掛かりな物。種をどんな方向にも導く絶望と歓喜の伝説。
今回はどんな脅しで切羽詰らせてくれるのかしらね。
でも、都。島は守れないわ。」
向き変えて、都の方に向く。
「どういう意味」
「島にはたくさんの生物がいる」
「…」
「貴女の結界に理を破る力はないわ。」
「じゃあ、じゃあ、どうすれば。どうすればいいの!」
「さあ、私は知らない。」
「この美しい空、美しい花たち、美しい景色。それは、全部生物が作り出したの。それなのに、」
絶望した目でどこかを見ている。
「わかりきってた事のはずよ。今更なんでそんなに同様してるの?」
「知ってるわけないじゃない。外の事はわからない。お姉ちゃんみたいに生物戦争を経験してる訳じゃない。それで知れって方が無茶苦茶よ」
「そうね。そうかもね。でも、知らないじゃ済まない。」
「うう、ああ。わかってる!わかってて、わかってるけど。もうなんなの。
あ、そうよ!
"無敵のしおねえを破る力があれば、世界の理だって抗えるわ!"」
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「なんと今回のキャンプ。男女で手を組んで中学でやり残したことをやるという目的があるのでーす!」
* * * *
地図だけに描かれた神社。
「あれ、案内板ではここのはずよね?
…何もないんだけど。」
消えたクラスメイト。
「ちょ、さっきまでいたけど。
くずみん、オレンジジュースにお酒混ぜた?」
「みんなの前で開封したし、やったらお前ら気づくだろ」
「痛った。夢ではないっぽい。」
* * * *
「お世話がかりが私たちに世話かけてどーすんの。」
「…ごめん。」
「よかった。無事で。」
「ありがとう。」
「ほら、立って。」
「うん。……っえ?」
「手を離さないで‼︎」
「もう、無理」
* * * *
「罪を償え!柳無、いや○○‼︎」
「うぅ、もう、止まらない。
○人もの生贄を捧げてしまったから。
ううん。新月だったから。」
新作 ホラーサスペンスミステリー
新月の柳無様
近日公開




