4ー6 私の読み札
「どうなったのだ。
約束どうり教えろ」
とても高い声で叫ばれる。
その声に耳を傾けた瞬間、周りの風景はステージに変わり果てた。
その高い声は沢山聞こえる。
観客なのだろう。
「まず結論から、私はどちらにもつかないわ。
理由は真のヒーロごっこがしたいからよ。
ユーラシアやデドを復活させることは、真の伝説となり、必ず世の中に破滅をもたらす事は分かりきっている。ユーラシア側でもデド側でも、復活を目的にする両者につくわけにはいかない。伝説のkey personのわたしだけがこの伝説を変えれる。
私が単独で動き、この伝説を終わらせて見せようぞ。」
詩織が身振り手振りしながら宣言する。
その間はヤジも収まる。
「面白い回答を出したな、それなら正義に従い、必ず伝説を終わらせろ。良いな?」
高い声も少し低くなる。彼らは安心をしているのだろう。
「もちろん。良いですよ。プトン族。
まさか、女神の従属ではなく、時を歩む種族だとは思いませんでした。
貴方の望むシナリオに変えて見せましょう。」
ヤジは完全に止まる。彼らの安心は一瞬にして崩れゆく。
「我の正体を見破るか、我らのルールに従い、外に返そう。」
そこから光が入り込み、消えたと知ったときには、何もなかったかのように門の前に立っていた。
始まりを告げる鐘が鳴る。
詩織は手をかざし境界を作った。
宇宙のような色のする境界に詩織は飛び込んだ。