4ー3 ユーラシアの手札
「初めまして。月泉 くるみです。よろしくお願いします。」
初めはユーラシア・プラチナに、ただのメンバー追加で呼び出されたのだと思っていた。
けれど、その名前を聞いた瞬間に、声が出なくなった。
話し方や、私に"初めまして"と言うのだから、きっと"私の様に記憶が消えている"のだろう。
それなら、"あの本と名前が違うのも私の覚えにない"のも自然なことだろう。
「と言う訳でよろしくね。くるみさんは記憶喪失をしている様なので、いっぱいフォローしてあげて。」
そうユーラシアが言うと、魔法学園日本支部の制服に白い紐を蝶々結びして紺のハイソックスを履く、月泉 くるみと名乗る少女は頭を下げた。
そのあと、ユーラシアは去って行き、それぞれ解散した。
月泉くるみとは、あの本にもあった月泉 魅湖で正解だろう。
さっきユーラシアが隠し持っていた計画を見る限り、やはりくるみと私を使ってユーラシアを復活させるのだろう。
しかしデドについては何も書かれていなかった。
つまり、何も考えてないということだろう。
思い返すと、とても紛らわしいが500代ごとにプラチナ家は女神 ユーラシア・プラチナに一番近いDNAを持つと言われ、その者をユーラシア・プラチナと呼ぶことになっている。
そのため、私達にはユーラシアに服従する義務があった。が、今はどうだろうか。ユーラシアの伝説という勝負に、ユーラシア・プラチナだからと言う服従義務はあるだろうか。
断じてない。
ユーラシアの手札はこのままだとユーラシアを復活させることが出来るが、服従義務が消えた事で私が手札から抜けることが出来る。そのときのくるみは最早キーマンではない、ただの強者にかわるだろう。
ユーラシア・プラチナは勘違いをしている。
そう、私が味方になる、味方にならざる負えないと。




