3ー4 自分の正体
そういえば昨日こんなことが書かれてあった。
〜全ての鍵。月鈴詩織。彼女さえいれば伝説はよみがえる。デド・ユーラシアははじめる〜
まだ気に入らない。
何故、私がいて変わる?
何故、私を使うことでデド・バルバジャーネとユーラシア・プラチナを呼び起こせる?
そもそも、なんで私?
わからないことが押し寄せる。ため息をついて立ち上がる。
昨日と同じように地下へと潜入。書庫へと向かった。
書庫の中にはデド・バルバジャーネばかりの話だが、その中に懐かしい香りをさせる本があった。
本の山に突っ込んで出て来たのは、古びた和紙で端が切れてワサワサして薄汚れた表紙には「神たちの争い」という題名の日記だ。
そしてこの日記は「デド・ユーラシア伝説」の原本である。
〜昔、神の頂点たるユーラシア・プラチナ様とそれと互角の魔神デド・バルバジャーネが地球をかけて争った。
激しい争いの結果ユーラシア・プラチナもデド・バルバジャーネも魂が分裂して引き分けという形で終わらせた。〜
それが粗筋。この日記をパラーっと見てみると最後にこんな文があった。
〜だがまだ終わっていない。2000年の間ずっと同じ肉体に眠っている。
しかしどういうことなのか、ユーラシア・プラチナもデド・バルバジャーネも半分だけ同じ肉体に入ってしまわれた。
その名は"月鈴詩織"。ユーラシア・プラチナとデド・バルバジャーネの魂を半分づつ持つもの。彼女は、鍵と言われるであろう。
ユーラシア・プラチナの魂を半分持つものの名は月泉 魅湖。彼女は門の右と言われるであろう。
デド・バルバジャーネの魂を半分持つものの名は紫月 将夜。彼は門の左と呼ばれ、我が親愛なる魔王様と祀られるだろう。
もし、誰かが、片一歩だけを復活させようとするならば、無理であろう。何故ならば、片一方づつ封印をしあっているものが解ければ大差なくなる。
彼らは記憶喪失で体でさえも衰えることはなく永遠の迷路のようにランダムな記憶喪失により〜
* * * *
「記憶の回転。ってことはユーラシアはこうで、デドは。」
全ての鍵。
私。