Nondaily~非日常~
第二部書き終えましたので。(不完全な状態で投稿してましたが)
この三部はまだ未完です。完成し次第前書きは削除します。
その後は矢のように時間が過ぎていった。俺らは近くの喫茶店に場所を移して話を進めた。斉藤さんは話してみるととても親切な人物で一般人には話せる限界があるとは言いながらも色々と教えてくれた。
それは今回起こったこの変死事件はとある組織絡みの殺人である可能性がある。しかもそれはどうやら全国的、あるいは国際的な規模の組織であるようで公安が直属で指揮を執り極秘裏に足取りを追っているといった内容であった。。
「しかし今回の事件が何故その事件に関係あるって思ったんです。それにそんなことをわざわざ僕たちに教えて良かったんすか。もちろんありがたいんですけど。身元を明かした時点で最初のように僕らを追い返せばそれでよかったんじゃ。」
こう言って斉藤さんのおごりと言う蠱惑的かつ気が引ける提案を甘んじて受けここ喫茶「渚」の人気商品であるミートナポリタンソーセージスパゲティを頬張るのは我が友カズこと中村和也である。
「むしろお前はここが斉藤さんもちだってことをもう少し考えろ。けど本当に良かったんですか。」
カズを嗜めつつ俺も疑問を口にした。
「今回の事件との関連性は残念ながら教えられない。機密事項だからね。しかしまああえて言えることがあるとすれば、殺人の手口に残された“痕跡”、だね。それから今まで君たちに話したことについては全く問題ないさ。さっきも言ったけどここで言ったことはどれも特に秘匿扱いってわけじゃないし、あの時は追い返そうとしたけど僕はここのことはよく知らないからね。地元の君たちのような人の協力も必要だろうと思い直したわけさ。どうだろう協力してくれるかい。」
斉藤さんは僕らをまっすぐ見てこう言ってきてくれた。当然断る理由はない。むしろこちらから協力を願い出たいほどだ。
「こちらこそ是非協力させて下さい。なあカズ。」
カズもうんうんと少し興奮気味に頷いた。
「ありがとう。これで捜査も迅速に進められそうだよ。早速明日からお願いするからね。今日のところは話も纏まったし、僕も本部に報告しなきゃならないことがあるからね、解散としよう。」
もっと色々と聞きたいこともあったが俺らは明日から斉藤さんとともに行動するんだ。聞く機会なんていくらでもあるだろう。そう考えて俺らもその後は大人しく家に帰ることにしたのだった。
長いな、長すぎだろ。
俺はとりわけ真面目でも不真面目なわけでもない。今までだってそりゃあ授業が長く感じることはあったが今日程のことはないと断言できた。一分が十分にも二十分にも感じられて、それこそ時間が止まったかのようだった。理由は簡単、今日はいよいよ斉藤さんと例の事件の調査を始めるのだ。期待は膨らむばかりである。一刻も早くカズとともに突っ走っていって斉藤さんのところに行きたかったが俺たちは学生だ。そんなことは出来ないしもししたところで斉藤さんは決して僕らと捜査をしてはくれないだろう。とにかく放課後まではキチッと授業を受ける。別れる前にこれは必須条件だと斉藤さんからも厳命されていた。
なので休み時間毎にカズと今日の捜査について語り合い気を紛らわせて、同時にそのたびに益々期待が胸に膨らんでいくのを感じていた。非日常に今自分たちは踏み込むんだ。そう思うだけで胸が躍った。
そうしてようやく待ちに待った放課後が訪れた。俺たちは意気揚々と教室を出ようとしたときだった。
「江波君、掃除・・。」
振り向くと奴がいた。八坂達也。八坂は先月うちの学校に転校してきた転校生だ。そしてこいつは俺の苦手な奴だった。顔はまあまあ。性格は一見して温厚、明るいし人当たりも良い。それが八坂の第一印象であった。しかし先月の終わり頃のことだ。八坂はあることをした。やらかしたのだそうだ。それ以来クラスでも一人でいる所をよく見かけるようになった。まあ当然なんだが俺は未だにそのことに納得がいかないでいたのだ。そのせいで八坂には半端な態度を取ってしまうのだった。そして今は俺に掃除当番が当たってることを言いに来た訳だ。ったく。
「おっと、掃除か。んじゃ俺は一足先に行ってるわな。」
そういってカズはこっちをニヤッと一瞥くれて教室を出て行った。むかつくなあいつ。
「分かった。」
そう言って仕方なく俺は掃除箱から箒を取り出したのであった。
~未完です~