Prologue~序幕~
処女作となるオリジナルであります。
とりあえず読んでもらえればうれしく思います><
できたら感想もお願いします。
(なんだよ!?なんで・・ちくしょう!!なんでなんだよぉ!!!?)
考えろ!!いや考えたって何も分かりはしない。ただただ後ろに迫る恐怖に怯えるだけだ。恐れが深まるだけだ!!
だから今はひたすら走る。疾走する。出来るだけ速く。疾く。駆ける。駆けていく。
そんな状況下でも唯一分かることは“奴”が異常だってことだ。“奴”が、その存在そのものが異常なんだ。もう駄目だ。駄目だ。どうしてこうなったというのか。俺は何から間違えて俺の人生は何処から狂ってしまったのだろう。
絶望感がどんどん体に沁み渡ってくる・・・
(そう、そうだ!!“あの事件”あれに首をつっこんだから・・・あんなつまんないことに・・・・・。)
反省したってしきれない、ちょっとした好奇心が己を襲うことになろうとは・・・・・・・。
「はぁ・・っはぁ、っはあ。」
ちくしょう涙が出てきやがった。もう足も限界だ。時期に動きは止まってしまうだろう。そうなったら俺は確実に殺られる。息の根を止められる。
しかしそこで奴の気配が突然消えた。依然足は動かしながら振り返ってみる。誰もいない。
(逃げ切った!)
いやそれは楽観すぎた。そうそんなはずはないのだ。“あれ”からは決して逃げられやしない。逃げられるはずがない。
視界がいきなり一段階低くなった。ガクッと、突如として崩れるように前向きに体が傾く。
(しまった!!躓いたか!?)
慌てて体制を建て直、せなかった。出来るはずが無かったのだ。足が無かった。両足がスッパリと、膝のあたりから切断されていた。
「・・・・うぉおああああjdふぃjふぉあ!!!!!」
獣のように唸りながら倒れこむ。
そして次の瞬間には“奴”は悠々と目前に現れ俺を見下ろしていた。俺は地に伏していてなんだかとても冷たくて・・・・・・。
ハハッ。ほらやっぱりだ。やられてしまった。
なんだよさっきまで死ぬほど怖かったのに。泣いちまうほどに。でもなんだか今は何もかもが爆笑コントのように可笑しかった。愉快だった。
けど何故だろうこんなに面白おかしいのに、なんだかとても眠たくて体を包み込むように広がり続ける赤い液体は適度に暖かくて・・。意識が遠のく。とてつもなく眠い。
「さあてお姫様。そろそろこれくらいは『元通り』に出来ますか?」
薄れゆく視界の先で“奴”は俺を指差しながら何者かに語りかけていた。
「どうして・・こんな・・・・。私のにはまだこれに干渉するだけの力は無い。」
何者かは酷く動揺しているようだ。声色から伺える。
「すべては宿願のため。それに貴女のが後少し力を蓄えればこれを元通りにすることはいずれは造作もないこととなります。しかし・・そうですかまだまだ足りないようですね。」
“奴”が喋り終えたと同時にドスっと音がして・・そうして全ては終わった。