表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラーメンが食べたくて 異世界転生ハードモードとんこつ味  作者: ぱちぱち


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

7/56

第7話 初めての死線


近隣の地図つくってみました

https://kakuyomu.jp/users/patipati123/news/822139838339258832


――――――――――――――――――――――――――――――


 神聖歴578年 春の中月 10日


 いつもの如く森を歩いていた時、前を歩くザンムが急に立ち止まってクンクンと鼻を鳴らしだした。なにか変な匂いでも嗅いだのかと思って待っていると。



「あ、ヤバっ」



 そう呟いて、ザンムは急に背負いかごを放り棄てると、俺の首根っこを掴んで元来た道をとてとて走り始めた。いきなり首筋を掴まれた俺はうおおおぉ!? と驚きの声を上げるも、その瞬間ヒュンっと何かが耳元を掠めて目の前の樹に突き刺さる。


 矢だ。粗末な矢じりがついた矢が、目の前の樹に突き刺さっている。それを認識した瞬間、一気に背筋が寒くなったのを感じる。



「ザンム! ザンム! おれせなかにのる!」


「わかったー」



 えっちらおっちらという音が聞こえてきそうなテンポで走るザンムにそう声をかけると、首根っこを掴むザンムの手が離された。地面に着地し、前のめりになりながらも走り始めると、横に居たザンムが四つ足で地面を蹴り始めた。


 ザンムは二足歩行より四足歩行の方が走りやすいらしく、先ほどまでのとてとて走りが嘘のように軽快に森の中を駆け始めた。そのザンムの背中に、走りながら飛び乗る。なにか危険が迫った際は森を速く走れるザンムが俺を乗せて走る。そして背中に乗った俺は視点が低くなるザンムの代わりに周囲を見て最も安全そうな道を選んだり、襲ってくる脅威に対処する。これは互いに森を歩く際、緊急時の取り決めで決めていたことだ。


 もっとも、これまではザンムより強い動物は居なかった。そのザンムが接敵する事もせずに逃げを打つという事は――


 ザンムにしがみつきながら、背後を見る。


 二足歩行をする犬の頭が、林の中からこちらに弓を向けていた。




 コボルト。犬人種とも呼ばれる彼らは、森の中や山の中に勢力を築く習性がある。時には万単位の規模の集落を築いて小さな王国を築いていたり、または強大な勢力、例えば竜などの配下に納まっていたりと群れによって生き方が大きく変わる種族だ。ただ、総じて言えることは基本的に普人種とは馴れ合わない。一対一の戦闘力は普人種の大人に少し劣る程度であるが群れでの連携に優れており、基本的に一匹では行動せず森で見かけた場合は複数体が傍に居ると考えるべき相手だ。そして森や林で出会えば、基本的には敵対的な対応をしてくる連中でもある。


 俺たちに弓を射かけてくる連中は、そういう連中であり。つまるところ現在俺たちは、絶賛大ピンチという奴だ。



「タロー。これーしぬかもー」


「あきらめるなザンム! がんばるんだザンム!」



 エースなコンバットの雷頭の如くザンムを励ましながら、襲い来る矢を背負いかごで受ける。中にそこそこ枝が入っていて良かった。空だったらそのまま射抜かれてた可能性が高かったぞ。


 とはいえこのままじゃジリ貧なのも間違いない。街のすぐ近くにあるこの林でコボルト連中に襲われるなんて想像もしてなかったから、それに対する備えなんてしていない。このままだとザンムの体力が尽きるまで追い回されて、そのままハチの巣になるまで矢を打ち込まれることになるだろう。


 死ねない。死にたくない。死ぬこと自体に恐怖はないが妹を、システィを一人残して逝くことはなによりも怖い。俺が死ねば、誰がシスティにとんこつラーメン半チャーセットを食べさせてやれるというんだ。あの子はまだ一人で1セットを食べきる至福を味わっていないんだぞ。


 考えろ、タロ。今生と前世合わせて40年近い経験を駆使してこの危機を乗り越えるんだ。相手はコボルト。熊人種のザンムがけっこう熊よりの生態をしているんだから、連中も犬に近い生態をしている可能性が高い。犬、犬が嫌がるもの――!


 ピキーン、と頭の中でおニューなタイプの人々が時折奏でる音が鳴り響く。瞬間、俺の手の中にオレンジ色の瓶が現れた。



「ザンム! がまんしてくれ!」


「えーなに――くっさっ!?」



 いままでに聞いた事のない声でザンムが悲鳴をあげた。瓶を空けただけでこの反応。これなら同じように鼻が利くだろうコボルトどもにも効果が期待できる! 瓶の中身をバラバラとぶちまける。連中は最短距離で俺たちを追いかけてくる。つまり、こいつの上を連中は間違いなく通るわけだ。


 念のためもう一瓶呼び出し、同じようにぶちまける。俺たちに追いつくよう走るコボルトたちは、数秒も立たずに俺が瓶の中身をぶちまけた辺りに到達。そして「ギャイン!」という声が3度、森の中に響き渡った。


 背後を振り返ると、コボルトたちが一斉に鼻を抑えてキョロキョロと周囲を見回している姿が見える。嗅いだことのない臭いだからだろう、尻尾をピーンと立てて地面に弓矢を向けているようだ。


 念のため追いつかれた時用にもう1瓶持っておくが、あの様子だと俺たちの事なんてもう気にする余裕もないだろう。とはいえ未だに死地にいるのは間違いがない。連中は群れる生き物だから、あの3匹だけが近くに居るとは限らないのだ。


 忌避剤がわりに瓶を開け、臭いを振りまきながら森を走る。鼻の良いザンムには辛いかもしれないが、命がかかっているのだ。少しの間我慢して欲しい。



「ザンム、ごめんだけどこのままそとにでるまでがまんして」


「うえぇ……そのくさいのなにー?」


「ぶっこみろしあがん」



 正式名称は違った気がするが、たしかロシアで水飲んだ時腹を壊したとかそんな時に作った薬だったはずだから対して間違ってないだろう。いや、中国だったかな?


 嫌そうにこの瓶の事を聞いてくるザンムにそう応えて、激烈な匂いを発する丸薬を数粒、いつでも投げられるように手の中に握り込む。これ洗っても臭い取れないんだよなぁ。システィに嫌がられたらどうしよう。



特攻露西亜丸ぶっこみろしあがんです(ここ重要)


近隣の地図

https://kakuyomu.jp/users/patipati123/news/822139838339258832


タロゥ(5歳・普人種男) 


生力9  (9.8)

信力15 (15.3)

知力4  (4.9)

腕力3  (3.6)

速さ5 (5.1)

器用5 (5.3)

魅力4  (4.1)

幸運2  (2.8)

体力4  (4.7)


技能

市民 レベル1 (21/100)

商人 レベル0 (27/100)

狩人 レベル0 (78/100)

調理師 レベル0(62/100) 


スキル

夢想具現 レベル1 (32/100)

直感 レベル0 (1/100) NEW!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ