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ラーメンが食べたくて 異世界転生ハードモードとんこつ味  作者: ぱちぱち


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第49話 大狼

 生臭い。


 顔中は唾液塗れだし、唾液が外気で冷えて冷たいし鼻息がダイレクトに匂うしやっぱり生臭いし。とにかく散々な目に現在進行形であっているが、それらも命があってこそ。生きてるからこそ文句が口から出てくるわけでね。命こそ宝って日本の南西にある島国でも言ってるし。


 いややっぱ辛いわ。



「ねぇ、狼さん。俺どこまで連れてかれるん?」



 俺の外套を咥えて走る狼さんに声をかけると、ぶふーと鼻息が返ってきた。あ、はい。返答ありがとうございます。もう少し我慢しますね。はい。


 仕方ない。今出来ることは頭を回す事だけだし状況を整理しよう。俺も混乱してるしね。



「まず最初はコーケン師範代たちと一緒だった所からだな。そこから考えよう」



 頭を整理する上で言葉にするってのは大事なことだ。頭の中で創造するだけだとうまく整理できなくても、言葉にする事によって具体的なイメージを思い浮かべる事ができ、順序だてて考えられたりする。


 そう、最初はコーケン師範代たちと一緒にいた森の中からだ。首狩りねずみという魔物を退治した後、俺たちは農村に向かって移動していた。そこまでは順調だった。


 問題はそろそろ村に着くだろうってタイミングでいきなり背後にこの狼さんが出てきたことだ。いや、出てきたというよりは不意を突かれたって言うべきか。うちの斥候役であるトールさんやコーケンさんの警戒をこの図体で掻い潜り、最後尾にいた俺の外套を咥えて持ち上げてきたんだから。


 そう考えるとかなり幸運だったと言えるだろう。やろうと思えばこの狼さんは俺たちを皆殺しにするのだって簡単だったんだ。


 連れ去られる瞬間、コーケンさんが「大狼!?」って叫んでたしこの方が近隣の森の主である大狼さんなんだろうな。いや、流石は首狩りねずみみたいな連中を森の奥に封じ込めてるお方だ。コーケンさんは俺が知る限りだとレンツェル神父の次くらいに強いと思ってたのに、そのコーケンさんが間近に来るまで気付かないんだから。


 俺も真後ろに立たれてたのに全く気付かなかったし。首筋に鼻息吹きかけられてようやく気付くっていうね。直感スキルさん、仕事してください。いや、もしかしてそれらのスキルも意味をなさないくらい大狼さんの忍び足が上手かったって事かな?


 なんて事をつらつらと考えていると大狼の足が止まる。どうやら目的地に到着したようだが、大狼が止まるのと同時に不快なにおいが鼻をついた。血の匂いが周囲に蔓延しているのだ。



「うわぁお」



 大狼が外套を離してくれたので地面に降り立ち、周囲を見回すと匂いの原因はすぐに分かった。冬の森の中をコボルト兵士の躯が埋め尽くしているのだ。それも粗末な装備のものではない。明らかに上質な装備に身を包んだ、精鋭だと分かる出で立ちの者たちだ。俺が対峙した場合、一対一でも勝てるかが怪しそうな相手。それが数百人ほどこと切れて、冬の森に躯を晒している。


 強い強いと思っていたが、この大狼さんマジでレンツェル神父並なんじゃなかろうか。そりゃ森の奥から魔物も出てこれねぇよ。そう内心で慄いていると、件の大狼さんがぐいぐいと鼻頭で俺の背中を押してくる。先に進めと言いたいらしい。


 どうやら大狼はこの躯の先で俺に何かをさせたいらしい。だから俺たちの不意を付けたのに襲ってこず、ただ俺を連れ去るだけだったのか。大狼に促されるままに歩いていくと、やがて森を抜けて開けた場所に出る。


 そして現れた光景に、俺は思わず目を疑った。



「うわぁお」



 間の抜けた声が口から出るのも仕方がないだろう。なにせ目の前にいきなり建造物が現れたのだから。いきなりというのは気付かなかったとかじゃない。森を抜けた瞬間、なにもない広場のど真ん中に塔がいきなり現れたように見えたのだ。


 魔法。おそらく幻影を見せるとかそういう魔法だろう。レイラさんが本番の劇だと火の魔法使いが陽炎で演出をするからぜひ見に来てと言っていた事を思い出す。これも恐らくそういった魔法が使われてるんじゃないかな。


 塔の正面には中に入るための扉がついており、取っ手を持って開けようとしてもうんともすんとも言わない。恐らく固く施錠されているようだ。大狼なら簡単に壊せるんじゃと思ったが、彼は扉を開けろと言うように俺の背中を押してくる。なにか事情があるんだろうか。


 しかし扉が動かない事にはどうしようもない。手はないかと塔の周囲をぐるりと回ってみる。塔は縦に10mほどと中々高いんだが、横の直径は大体3mくらいしかない。これかなり内部は狭いんじゃないかな、これ。あと、通気のためだろうか。だいたい2m上くらいで子供が入れそうなくらいの窓が開いているのが見えた。ああ、俺が連れてこられた理由はこれか。


 塔の壁を蹴って上に手を伸ばす。あと少し手が届かない。もう一度試してみてもやはり10cmほど高さが足りない。なにか踏み台でもあれば良いんだが。



「大狼さん、俺じゃあそこに手が届かないよ」



 俺がそう言うと、大狼さんは少し考えるように窓を見上げた後に塔の横で寝そべり、俺を見た。上に乗れ、という事だろうか。なんとなくそうじゃないかと思っていたがこの方、俺の言葉を完全に理解してるっぽいね。


 知恵がないのが魔物で知恵があるのが魔族とコーケンさんは言ってたけど、明らかにこの方は知恵を持ってる側じゃないか?


 今日は魔物と魔族両方と初遭遇だ。凄い濃さの一日だなぁと思いながら大狼さんの背中に乗ると、彼はそのまま壁際で立ち上がった。デカいなこの方。窓に普通に手が届くんだけど。


 確かに大きい狼だわ、と意味もない事を考えながら窓から中を覗き込むと、塔の一階部分が見渡せる。そして、大狼さんが扉を壊そうとしない理由もわかった。


 塔の一階、中央部分には小さな檻があり、その中に入れられた血まみれの子狼の姿が見えたのだ。


タロゥ(6歳・普人種男) 


生力26 (26.0)

信力93 (93.3)

知力25 (25.0)

腕力31 (31.0)

速さ25 (25.0)

器用26  (26.0)

魅力26 (26.0)

幸運15  (15.0)

体力30 (30.0)


技能

市民 レベル3 (100/100)ー

商人 レベル3 (31/100)

狩人 レベル3 (73/100)

調理師 レベル3 (100/100)ー

地図士 レベル2 (33/100)

薬師  レベル1 (71/100)

我流剣士 レベル2 (79/100)

木こり レベル2 (30/100)

楽士 レベル1 (80/100)

教師 レベル1 (27/100)

パチン・コ流戦闘術 レベル2 (45/100)

語り部 レベル0 (25/100)



スキル

夢想具現 レベル2 (32/100)

直感 レベル2  (38/100)UP

格闘術 レベル1  (230/100)

剣術 レベル3  (6/100)

弓術 レベル1  (98/100)

小剣術 レベル1 (98/100)

暗器術 レベル1 (98/100)

斧術  レベル0 (45/100)

フォークダンス レベル5(35/100)

フォークマスター  レベル0 (35/100)

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