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ラーメンが食べたくて 異世界転生ハードモードとんこつ味  作者: ぱちぱち


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第42話 流通舐めてんのか、倍出せ

 神聖歴579年 秋の終わり月 10日



 ロゼッタと新しい契約を交わしてからは約10日。何かあった時の在庫確保のために毎日ギリギリまでカップラーメンを創り出したり、いつも通り森を走ったり、重り付きの服を超えてついに鎧を着せられて道場で型稽古をしたり忙しい日々を過ごしている内に時は過ぎ、俺はロゼッタに連れられてグンラル家の屋敷へとやってきた。


 サニム5大商家の一つ、食のグンラル家は穀物や食肉、鮮魚、野菜といったあらゆる食品類を扱っており、卸売り業者の総元締めのような立場の家だ。また、大雑把ではあるが都市内部で販売される食品の衛生管理という概念をサニムに持ち込んだ家でもあり、グンラル家が衛生管理を行い始めてからはサニム市内では食中毒での死亡者が劇的に少なくなったそうだ。実際に他の都市に行った事がある人曰く、サニムの外食は腹を下す事が無いからすごく良い、らしい。



「一日限定20食? 流通舐めてんのか、倍出せ」



 そのグンラル家に挨拶に行き、これこれこういう物を売りたいですと口にしたロゼッタに対して、グンラル家当主のバブ・グンラルさんが言い放った言葉がこれである。非常に気真面目そうな印象の青年の口から飛び出た荒々しい言葉に、ロゼッタがたじろぐのが横目で見えた。


 その様子を見てふと我に返ったのか、バブさんはごほん、と咳ばらいを一つした後。



「いや、失礼。素晴らしい品だったからつい」


「は、はぁ……」



 にっこりと笑顔を浮かべる青年に、ロゼッタが引き気味の顔で応える。今更取り繕われても、その。困る。こちらの感情が分かったのだろう、鳥人種特有の嘴をふるふる震わせながらバブ氏は視線を泳がせた。






「一日に20食は良くない。それくらいなら10日に一度200食とした方がいいだろうな」


「提供する数は同じなのに、ですか?」


「そうだ。毎日20食だと本当の一部が独占して終わりだろう。商品価値を高める目的ならそれも良いんだが、そちらの希望に沿うなら宣伝効果も狙いたいんだろう? であるなら毎日限られた20人に食べさせるよりも一度に200食提供して間口を広げた方がいいだろう。それでも纏めて買う者は居るだろうが」


「おひとり様一つまでとか、販売時にルールを決めておくのが良さそうですね」


「おひとり様一つまで……うむ、そういう取り決めは必要だろうね」



 仕切り直ししたそうにしていたバブ氏に答えて最初からやり直す。おひとり様一つまで。卵の特売という単語が頭に思い浮かぶが、この世界にはそういうものはないだろうな。家畜の卵なんて高級品だ。そんな制限がかかるほど纏めて買うような人は居ないだろう。



「その上で確認するが、本当にこの商品。カップラーメンだったか、これの販売はグンラル家が行って良いんだな? イールィス家がつばを付けた少年だろう、そちらの少年は」


「はい、構いません。イールィス家としてはグンラル家にわざわざ喧嘩を売るような真似はしたくないので。うちとしては他所から仕入れたという形でそちらに卸させて頂きます」



 あと、グンラル家を通さないとそもそも流通させてもらえないというのもある。この街の食料品に関してはグンラル家が衛生管理をしているから、当然グンラル家がダメと言った食品は販売できないのだ。


 まぁそれは最初から織り込み済みだ。バブさんも分かっていて尋ねたらしく、一つ頷いた後、ロゼッタに次の質問をした。



「対価としては、そちらが望むものは?」


「私たちイールィス家と同じく、タロゥの後ろ盾として有事の時に動いていただければ。他の都市に掠め取られるのは嫌ですよね?」


「なるほど。もしそうなったら、実に由々しき事態だね」



 ロゼッタの言葉にまた頷いて、バブさんは自身の執務机の上に広げられたカップラーメンを見る。バブさんにはある程度の情報を開示する事が決まっている。これは幾つかの理由があるのだが、まずはイールィス家という後ろ盾があることだ。契約を交わしているというのもあるが、同じ5大商家が後ろにいるのであればグンラル家も下手な事はしないだろうというのがある。


 次にグンラル家自体が孤児院への援助を中抜きしていた事実があり、もしなにか事を起こせばフルアーマーレンツェル神父が突っ込んでくるとサニム上層部が認識している点がある。なにか事が起きそうな時に「不快だ」と口にするのは、実は結構大事なのだ。言われなければなにをしてもいいと考えている人間は、この世界でも割と多かったりする。いや、この世界だからこそかな。


 後は夏祭りの成功によって俺の名前がそこそこ広まった事で、夢想具現だけではなく俺自身にも少しは価値が出てきたというのが一つ。5大商家のカルホトラ家とはフォークダンスの件で今も付き合いが続いており、カルホトラ家当主のレイラさんは何かあれば名前を貸してくれるとまで言ってくれている。


 これでグンラル家も、となれば5大商家の内過半数の庇護下に入る事になるため、実質的にサニム内であるなら身の安全はほぼ保障されたようなものとなるのだ。妹を背負って隣の都市に逃げる可能性は限りなく薄まったと言えるだろう。



「この技術、どうやっているかは分からないんだね?」


「分かりません。あくまでも夢で見たお告げを元に創り上げているので」


「うむ。神の御業だろうな。だが、信力を用いた魔法も最初は神の御業であったという。であるならば、再現できる可能性はある」



 バブさんはカップラーメンの中でも粉末スープが気になるらしい。お湯を入れるだけで美味しいスープが出来るという夢の技術だから、その気持ちも分かる。


 研究のために毎日ひとつはグンラル家が買い取り、残りは10日に一度200食を販売するという事で話は決着。ロゼッタとバブさんがステータスの交換をかわし、バブさんがロゼッタの齢に見合わぬステータスの高さに驚いたりするなどがあったが、無事に契約は終わった。


 これでロゼッタはロゼッタだけの裁量でグンラル家と大きな契約を交わしたことになる。商人として大きな実績を残したという事になるから、イールィス家内部でのロゼッタの立場も大幅に強化される事だろう。契約を交わしているロゼッタの立場が強くなるのは俺にとっても助かるから、商談が上手くいってよかった。


タロゥ(6歳・普人種男) 


生力25 (25.0)

信力84 (84.5)UP

知力24 (24.0)

腕力27 (27.0)

速さ25 (25.0)

器用24  (24.0)

魅力24 (23.0)

幸運15  (15.0)

体力26 (26.0)


技能

市民 レベル3 (78/100)UP

商人 レベル3 (15/100)UP

狩人 レベル3 (53/100)UP

調理師 レベル3 (99/100)UP

地図士 レベル2 (20/100)UP

薬師  レベル1 (59/100)UP

我流剣士 レベル2 (36/100)UP

木こり レベル1 (99/100)UP

楽士 レベル1 (70/100)UP

教師 レベル1 (11/100)UP

パチン・コ流戦闘術 レベル2 (3/100)UP



スキル

夢想具現 レベル2 (13/100)UP

直感 レベル2  (19/100)UP

格闘術 レベル0  (83/100)UP

剣術 レベル2  (80/100)UP

弓術 レベル1  (45/100)UP

小剣術 レベル1 (45/100)UP

暗器術 レベル1 (45/100)UP

フォークダンス レベル5(22/100)UP

フォークマスター  レベル0 (22/100)UP

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