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ラーメンが食べたくて 異世界転生ハードモードとんこつ味  作者: ぱちぱち


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第32話 パチン・コ流戦闘術

 神聖歴579年 春の終わり月 10日



「いやー!」


「ぐわー!」



 俺の上段からの振り落としはあっさりとかわされ、その剣を握る手を掴まれた俺はくるりと一回転させられて道場の床に叩きつけられる。もちろん十分加減したうえで、だ。


 メメさんから紹介を受けた道場、パチン・コ道場はサニムでも1・2を争うくらいに門弟の多い道場だ。通っているのは外街の住民だったり内街の住民だったり、またメメさんのような狩人だったりと様々な人が居る。


 これだけ通う人間が多い一番の理由は、教えている内容が武芸に馴染みがない者向けから武芸者向けまでと幅広いのと、月謝が安いというのが大きい。他の道場よりも2,3割安い月謝で効率的な体の動かし方を教えてくれるため、普通の道場には絶対に通わない層。例えば体を動かしたい奥様方なんかも気軽に入門しているのだ。


 ただ、今回の俺の目的を考えるとその一般向けのコースでは意味がない。俺は体の動かしたいんじゃなくて純粋に戦う技術を覚えたいからだ。


 その為、メメさんの紹介を貰った俺は師範代であるコーケンさんという人に胸を借りて組手を行っているのだが、これがまぁまるで相手にならない。俺は木刀を持っているというのに、相手のコーケンさんは素手。素手と得物持ちは相当実力差がないと得物持ちが有利なのだが、一応スキル持ちの俺の剣術でもまるで相手にならないほどコーケンさんは優れた武芸者という事だろう。



「試合後は立ち上がって一礼。これで終了となる。立てるかい?」


「はい。なんとか」



 背中の痛みに耐えながら体を起こし、コーケンさんの前に立ち、見よう見まねで一礼する。コーケンさんは「うん」と頷いて、次の稽古の邪魔にならないように道場の端に移動し、胡坐をかいて道場の床に座った。隣に座るよう指示されたため彼の隣に座ると、コーケンさんは俺を横目で見ながら口を開く。



「本格的に鍛え始めてから一年といったね。それは本当かい?」


「はい。レンツェル神父にまずは森を走るよう言われ、冬場には斧で木を伐採するよう指示されました」


「……ああ! あの時の木こりの子か。覚えてるよ、娘と一緒に君を応援したんだ」



 冬の伐採と聞いて、コーケンさんはあの良く分からない祭りの事を思い出したらしい。俺の話をするとき、大体の人間があの冬の奇祭を思い浮かべるのは何故だろうか。たしかライラが以前、働き者で有名になってきたとか言ってたけど、そっちで思い出された事が今のところ一度もないんだけども。


 コーケンさんは「そうか、どおりで」と俺の身体を確かめるように眺めながら、また一つ頷いて口を開いた。



「君ならうちの武芸者用の鍛錬にも耐えられるだろう。うちとしては君が当道場に入門したいというなら喜んで弟子として迎えさせてもらうよ」


「本当ですか!」



 コーケンさんの言葉に自分の声が弾むのを感じる。こういう道場では一般的な入門者とは別に将来性を見込んで弟子に取るというものがある。その流派の看板を背負う事もあるため、弟子になる、なれるというのはそれだけ見込みがあると思われなければいけない。先ほどの組手ではまるで良い所がなかったけど、コーケンさんの御眼鏡にかなう何かを見せられていたようだ。



「ただ、うちの流派の得物はナイフや小剣のような小物がメインだから、君の扱うような身の丈サイズの剣を振るう大剣術の指導は難しいかな。そっちを学びたいなら他の道場にも顔を出す必要があるだろうね」


「え。そうなんですか?」


「うちの道場は本来、街中で市民が身を守るために会得するものだからね。メメくんみたいな狩人が近づかれた時のために覚えることはあるけど、剣士を志す人間がうちの道場に入門する事は少ないかな」



 コーケンさんはそう言った後、「ただし」と言葉を付け加える。



「徒手空拳やその他の武器の扱いなら、十分以上に教えられるだろう。小剣術を含めたナイフ術に弓術。君が森での戦いをメインで考えているなら、うちの流派で学べることは多いはずだ。どうだい、入門していくかい?」


「はい!」


「うん、そうか。ならこれからよろしく頼むよ。あ、さっきはああいったけど、最初の内はうちの道場に専念しておくれよ。最初から掛け持ちでなんとかなるほど甘い鍛え方はしないからね?」



 コーケンさんの言葉に強く頷いて、俺はパチン・コ道場への入門を決めた。脳裏に浮かぶのは先ほど俺を投げ飛ばしたコーケンさんの動きと、暴漢を危なげなくぶちのめしたメメさんの姿だ。今、俺が求めている強さをこの道場でなら手に入れられるはず。そのための努力なら、いくらでもやってやる。





 神聖歴579年 春の終わり月 15日



 この道場に入門したの、間違いだったかもしれん。



「うぐごごごごごごっ!」


「体の軸がブレてる。力が入り過ぎだよタロゥ」



 全身に重りを付けた状態で、ずっと同じ体勢を維持する。入門後、道場に顔を出すたびにずっとこれをやらされ続けて、最初は固く誓っていた俺の決意がじりじりと削れていくのが感じられる。


 動きとかそういうのの練習はこの5日間一切行われなかった。ただ幾つかの構えを取らされ、それをどんな状況でも維持し続けるようにと言われて本当に半日放置されたりする。しかもそれが出来るようになると判断されたら重りが入った服を着せられて同じことの繰り返しである。



「こここコーケン師範代! ここここれどういう意味がががが!」


「あれ、喋れる余裕がある……もう少し重りをたすかな?」



 おっかしいなーと呟きながらコーケン師範代は明らかに重そうな兜を持ってきてそれを俺の頭に被せた。じゅ、重心がめちゃめちゃになって体勢が崩れる。首周りの筋肉で何とか耐えようとするとビリビリその辺が引きつってくる!


 構えを維持するという鍛錬が終わるまで、それから1月ほどの時間を費やす事になった。コーケン師範代曰く他所の流派から掛け持ちで来ている者を除けば過去最速で終わったとの事だ。結局この鍛錬にどんな意味があったのかまだ分からないんだが、俺はこの1月なにをしてたんだ。一体。


タロゥ(6歳・普人種男) 


生力22 (22.0)UP

信力71 (71.3)UP

知力22 (22.0)UP

腕力23 (23.0)UP

速さ22 (22.0)UP

器用22  (22.0)UP

魅力22 (22.0)UP

幸運12  (12.0)UP

体力22 (22.0)UP


技能

市民 レベル3 (28/100)UP

商人 レベル2 (56/100)UP

狩人 レベル3 (23/100)UP

調理師 レベル3 (41/100)UP

地図士 レベル1 (95/100)UP

薬師  レベル1 (22/100)UP

我流剣士 レベル1 (42/100)UP

木こり レベル1 (89/100)UP

楽士 レベル1 (3/100)UP

教師 レベル0 (75/100)UP

パチン・コ流戦闘術 レベル1 (3/100)NEW!


スキル

夢想具現 レベル1 (100/100)ー

直感 レベル1  (88/100)UP

剣術 レベル2  (11/100)UP

弓術 レベル0  (32/100)NEW!

小剣術 レベル0 (32/100)NEW!

暗器術 レベル0 (32/100)NEW!

フォークダンス レベル4(78/100)UP


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