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ラーメンが食べたくて 異世界転生ハードモードとんこつ味  作者: ぱちぱち


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第113話 カルデラアングラー四天王!?

 対決の場所はカルデラの港にある灯台のふもとだった。現地にはすでにカルデラの上流階級だろうロゼッタのご学友の面々が居るようで、凡そ10人ほどの身なりの良いお嬢さんたちがひらひらのドレスを海風でなびかせながら「キャ-ッ」だとか「イヤーン!」だとか悲鳴を上げている。海の傍に来るのにあんなひらひらした格好でなにしたいんだ連中は。


 だが、その中で一人。明らかに動きやすい釣り人らしい恰好をしたお嬢さんが釣竿を持って不敵な笑顔を浮かべている。彼女がカルデラ側の代表というわけか。



「アンタが挑戦者? あたしはカルデラアングラー四天王の一人、ミリアだ」

「カルデラアングラー四天王!? 知ってるかロゼッタ」

「知らないわよ。なんだか五人くらい居そうな名前ね」

「なんだいアンタ潜りかい。こいつは勝負になるかも怪しいね」



 ちなみに彼女は漁師組合の長の娘さんでちゃんとロゼッタのご学友らしい。そうなると逆に俺が対戦相手で良いのかと思ったが、サニム出身でロゼッタの良い人(という建前)だからOKらしい。意外とガバい判定だ。


 想定していなかったネーミングが出てきて少し混乱したが、一先ず彼女と俺が釣果を争う事になるようだ。今回の釣りバトルのルールは簡単で、相手への妨害は一切なしで釣った獲物の大きさを争うというものだ。どれだけ早く数を釣ろうが一匹の大物で番狂わせも起きる、俺好みのルールだ。



「お願いしますわミリア様! 辺境の小娘に目にものを見せてくださいまし!」

「「「カルデラの栄光を!」」」

「師範代の必勝を願って~~~~!」

「「「サニム! サニム!」」」



 お嬢様たちの黄色い声援がミリアに、門下生たちの野太い咆哮に俺の背中に降りかかる。呼んどいてアレだが、なんで指導員が全員来てるんだりy。道場はどうするつもりなんだこいつら。


 ま、まぁその辺はさっさと勝負を終わらせれば良いか。今日は風も良い。良い釣り日和になりそうだ。



「まずは先手をもらう! 見晒せカルデラ釣法の秘儀!」



 互いの声援を受けて試合が始まった、と判断したミリアが手に持った竿を振り被り、信力を込めて振り下ろす。お、と思わずそちらを見ると、信力に包まれた銛のような形の針が勢いよく海に突っ込んでいき。



「フィーーーーーッシュ!」



 投げ込んですぐにそう叫んだミリアが鋼鉄製だろうリールを巻くと……え、あの竿リール付いてるじゃん。この世界にもリールが存在するのか。思わず考えがそれてしまったが、ミリアは俺が呆けている間にもガンガンリールを巻いていき、やがて海面に彼女が釣り上げた魚の姿が見えてくる。


 結構な大物だ。こっちの世界の魚はそれほど詳しくないが、恐らく前の世界のハタとかその辺りに近い魚種だろうそいつは、どてっぱらに突き刺さった針のせいで美味く泳ぐことが出来ずにほとんど無抵抗のまま吊り上げられたらしい。


 凄いな、カルデラ。これがここの釣り方なんだな。



「あ、あれは釣り人の秘儀の一つ、ダイレクトフィッシュ! まさかカルデラにもその使い手が居るなんて!」

「その言い方だとサニムにもいるのかな???」

「もちろんいるわ。サニムを代表する釣り人達、サニム8釣は全員が使えると言われているし。く、お父様が居れば……!」



 横に立っているロゼッタが少年漫画の解説役のように教えてくれる。その言い方だとダリルウさんがその一人っぽく聞こえるんだけどあの人も釣竿抱えて「フィーーーッシュ!」とかやるんだろうか。あ、でもジローラーメンを調伏したあの筋肉ならまぁやれるかもしらん。筋肉は万能だからな……



「二匹目! フィー―――ッシュ!!!」



 なんて言ってる間に相手のミリアはまた一匹魚を釣り上げた。いや、あれを釣り上げたと言うのは色々抵抗があるけども、まぁあれがこの世界のデフォルトなら仕方ない。俺もこの世界の流儀に乗っ取って戦うだけだ。


 ふふふ、前世では釣りキチ太郎ちゃんと呼ばれた俺の釣りテクを見せる時が来たな! と言っても、前世では信力なんて便利パゥワーは無かったから釣りテクの殆どはそのままじゃ使えないが、だったらそれを軸にこちらでも通用するように発展させれば良いだけだ。


 夢想具現で創り出した釣竿をさも背中に入れていたように取り出し、合わせて創り出したルアーを取り付けて海に投げ込む。場所はミリアが海に針を打ち込んでいる場所とはかなり離れた場所だ。



「ロゼッタ」

「なに? ようやく釣りを始めたと思ったらそんな変な針つけて」

「この勝負、勝ったぞ」



 小言を口にしようとするロゼッタの唇に指を当て、ニヤリと笑顔を浮かべる。ダイレクトに魚に針をぶち込む手法にはちょっと、いやかなり驚いたが、ようは銛を持って海に飛び込むのと大差ない。あんだけバチャバチャやってたら賢い魚はとっとと逃げるし、そういう魚ほど大物だったりする。


 そして、あの手法は海の中がある程度見通せないと使えない。ミリアは恐らく信力を使ってソナーのような形で魚を探してるんだろうが、自分で海の中を荒らしてるんだからそう何度も使えるものじゃないだろう。ようは短期決戦用の技って事だ。だからこそ一番最初に近場で一番の大物を釣り上げたんじゃないかな。二匹目は一匹目に比べてあまり大きな魚じゃないし。ああ、だから大きさでの勝負なのか……だったら考えが甘いと言わざるを得ない。


 なぜならば、彼女の扱っているソナーで探知した大物よりもデカい獲物が居る場合、そいつを釣り上げたらもう彼女は打つ手なしになるのだ。釣り場を変えればもう一度同じことが出来るだろうが、それを行ったら海を荒らしての妨害だという事も出来る。あんだけ荒らしたなら、あそこは暫く魚も寄り付かなくなるだろうからな。


 だから、俺がやる事はただ一つ。彼女が打ち抜いた獲物よりも大きな魚を探し、そいつを釣り上げる事だ。



「信力を釣りに使う。なるほど、面白い。だが、やりがいはある」



 釣竿から糸へ、糸からルアーへと信力を通し、ルアー越しに海の中に信力を通す。パッシブソナーのように信力を発すれば、それが返ってくる形で海の中がある程度把握できるのだ。ザンムとの組手で使った信力による空間把握と原理は似通っている。


 うん、ミリアによる環境破壊でこちら側に逃げてきている魚が結構いる。でも、そいつらは雑魚だ。ミリアが狙うまでもないと見逃した小さな連中は無視していい。本命は、そいつらを狙う大物。


 いた。信力を通してルアーを動かし、海底から近づくそいつと小物の間にルアーを移動させ、そのまま食いつかせる! これがこの世界流のルアー釣りだ!!!



「フィーーーーッシュ!!!」



 強烈に食い込ませたルアーを魚の内部で暴れさせ継続ダメージ! さらに信力で糸を強化しているから千切れる心配もないため、ガンガンリールを巻いていく。大きくしなる俺の釣竿に周囲の視線が集まる中、海面に俺の釣った魚が現れる。


 デカい。そしてなんだかやたらと物騒な外見をしてる。デカい。人一人くらいなら食えるんじゃないかってサイズの大物だ。サメかと思ったらアンコウみたいな外見だが、明らかに殺傷能力があるのこぎりみたいな角とヒレがついてる。そいつは海面に上がった瞬間ギロリとこちらに視線を向けると、海面を強くヒレで叩いて空中へと飛び上がってきた。信力使ってやがる。こいつ、ただの魚じゃない。



「ま、魔物だ!」

「ハンターアンコウよ! 女子供の肉が大好物の下魚! こんな港の近くに出るなんて!」



 飛び上がったハンターアンコウとやらは空中で再度ヒレを羽ばたかせると、風を捉えて上昇。狙いは釣竿の持ち主である俺――じゃない! 見物しているお嬢様たちか! 確かにそっちの方が弱そうだもんな!


 釣竿をしならせてハンターアンコウの邪魔をし、リールを巻きながらハンターアンコウとお嬢様たちとの距離を開かせる。おら、来いよ。お前と俺のバトルに余計なものを巻き込むな!


 邪魔をされたのと、腹の中で暴れ回るルアーが気になるのだろう。ハンターアンコウは俺に向かって真っすぐに急降下してきた。ここで俺を仕留めて自由の身になろうという腹積もりだろう。良いね、分かりやすくなったじゃないか。


 こういう相手には真っ向から。それが俺の流儀だ。


 のこぎりのような角に向かって釣竿を振り下ろす。ハンターアンコウの信力と俺の信力で覆われた釣竿がぶつかり、バチバチと衝撃を奔らせた後に俺の信力が籠った釣竿がハンターアンコウの角を叩き折る。信力比べは俺の勝ちだ。だが、まだ終わりじゃない。


 そのままハンターアンコウの背びれが俺を両断しようと襲い掛かってくる。俺自身が叩きつけた釣竿の反動も利用して、かなりの勢いになっている。もう一手必要か。そう考えて背中に右手を伸ばした瞬間。



「ダイレクトフィッシュ!」



 横合いから高速で飛んできた釣り針がハンターアンコウの背びれを打ち砕く。ミリア。視線を向けると、青い髪の彼女がニヤリと笑って釣竿を振り下ろした姿が見える。勢いが殺されたハンターアンコウの横面に、背中から取り出した解体ナイフを突き刺し地面に叩きつける。


 動きを止めたハンターアンコウからナイフを抜き出し、頭と胴体の中ほどにナイフを突き立てる。硬い骨を砕き、脊髄を断ち切った感触。活き締めの要領が使えるかと思ったがどうやら当たりだったようだ。



「お見事。余計な世話だったわね」

「いや、手間が省けた。礼を言うよ」



 釣竿を担いだミリアにそう応えると、ミリアは小さく笑って、そして悔しそうな表情でハンターアンコウに視線を向ける。



「今回は、アンタの勝ちだ。この近隣でこれ以上の大物は狙えないよ」

「ああ、だろうね」



 むしろこのサイズの魔物が居てよくこの近隣の魚が全滅してないな。どう考えても相当食うだろこいつ。というか人に被害が出てるんじゃないか? さっきロゼッタが言ってたこいつの解説、けっこうえぐい事言ってた気がするんだけど。


 そのロゼッタは勝利が確定したためか高笑いしながらご学友の面々にマウント取りに行ってる。ま、まぁロゼッタが楽しく学校生活を送ってるみたいで良かった。と、しておこうか。



「あたしはカルデラアングラー四天王でも最弱だ。でも、決して雑魚のつもりはない」

「お、おう。自分で最弱って言うんだ」

「そんなあたしを倒したんだから、アンタはきっと他のアングラーからも狙われるはず。でも、アンタなら大丈夫さ。あたしに勝ったんだから!」

「お、おう」

「アンタ、名前は?」

「フィッシャーマンタロゥ」

「そうか。フィッシャーマンタロゥ。あたしに勝った男。覚えとくよ」



 そう言ってミリアは釣竿を担いで帰っていった。


 あれ、これ。もしかして俺またこれをやらないといけないのかな。カルデラの都会っ子にサニム魂を見せつけられればそれで良いんだけどもだね?


お気に入り・☆評価よろしくお願いします!


タロゥ(10歳・普人種男) 


生力65 (65.0)

信力127 (127.8)UP

知力50 (50.0)

腕力71 (71.0)

速さ67 (67.0)

器用56  (56.0)

魅力61 (61.0)

幸運36  (36.0)

体力70 (70.0)



技能

市民 レベル4 (67/100)UP

商人 レベル3 (100/100)ー

狩人 レベル4 (66/100)

調理師 レベル3 (100/100)ー

地図士 レベル3 (100/100)ー

薬師  レベル3 (48/100)

剣士 レベル6 (15/100)

木こり レベル2 (70/10

楽士 レベル3 (48/100)

教師 レベル3 (73/100)UP

パチン・コ流戦闘術 レベル6 (91/100)

テイマー レベル2 (78/100)

絵師 レベル3 (90/100)UP

語り部(紙芝居) レベル5 (100/100)ー

水兵 レベル2 (45/100)

執事 レベル3(100/100)ー

乗馬 レベル0(20/100)




スキル

夢想具現 レベル3 (100/100)ー

直感 レベル5  (1/100)UP

パチン・コ流格闘術 レベル6(91/100)UP

パチン・コ流武器術 レベル6(91/100)UP

飛行術 レベル3 (25/100)

フォークダンス レベル5(100/100)ー

フォークマスター  レベル1 (100/100)

念話 レベル2 (71/100)UP

女たらし レベル6 (55/100)

野獣の眼光 レベル0(15/100)

サニム流マナー レベル3 (37/100)

釣り師 レベル3(78/100)NEW



英雄スキル

夢想具現仏恥義理(ぶっちぎり)



カルデラ近隣地図

https://kakuyomu.jp/users/patipati123/news/822139845715828802


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