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ラーメンが食べたくて 異世界転生ハードモードとんこつ味  作者: ぱちぱち


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第109話 孤児院の皆で食べっこしようよ!

神聖歴583年 春の中月 6日



 パブ・グンラルさんから紹介された酒職人が孤児院にやってきた。バラガスという名前の地人種の男性だ。地人種は森人種と同じく長命の種族なんで年齢はちょっと分からないが、立ち振る舞いからはベテランの風格を感じる。



「材料は見た事ねぇが作り方は分かりやすいな」

「あ、そうなんですか」

「おう。穀物の酒も似たような作り方だよ。蒸留酒の方はサニムじゃ一般的じゃないが、帝国の北の方だと結構大きな酒蔵もあるぞ」



 バラガスさんの言葉にへぇー、と相槌を返す。やっぱり度数の強い酒は北国の方が受けるんだろうかね。その後もこまごまとした打ち合わせを行い、ジャガイモを使ったお酒はとりあえず試作する事で話は落ち着いた。



「所で兄ちゃん。試作品が良い出来だったら、どういう風に扱うんだい?」

「どういう風というと」

「まぁ、下世話な話になるがな。酒ってのはよ、意外と規則が厳しかったり縄張りがあったりするんだが、今回はグンラルとマリア教の共同事業だろ? 教会の収入源にするつもりなら工場は街の外に立てて教会の専売品って扱いにした方が良いぜ」

「それって意味があるんですか?」



 職人の言葉に首をかしげてそう尋ねると、職人さんは口をへの字に変えたままこっくりと頷いた。



「実入りが全然違う。街の中の酒蔵で付くった酒には卸値の2割の税金がかかるんだよ。街中の酒屋と外の酒屋じゃ値段が倍くらい違うだろ? アレは街中の酒が高いからああなってんだよ。その分、街中の酒蔵で作られた酒は信頼されるし腕もいい酒蔵が多いから実際美味いんだが」



 そこで言葉を切って、バラガスさんは試供品として渡したジャガイモを一つ手に取った。



「グンラルの旦那が夢中になるくらいこの芋は美味いんだろ? 酒にしてみないとまぁ分からんがくず芋で作る酒よりは上等なものが出来そうだ。味が良いなら、後は信用があれば良い。マリア教の専売品でグンラルの旦那のお墨付きがある酒ならまずは試してみるかってくらいには思われるだろうさ」

「出来が良ければそうした方がいい、ですか。なるほど」

「ま、まだ絵に描いた餅だからな。どちらにしろ酒造りには時間がかかるから、よく考えといてくれ」



 そう言ってバラガスさんはジャガイモを満載した馬車に乗って帰っていった。専売品か。考えた事もなかったけど、この教会にだって維持費はかかるんだ。サニムからの援助もあるし信者からの寄付とかもあるけど、外街の住民はあんまりお金持ってないから出来るだけ収入があった方が良いだろう。


 あと、ちゃんと継続的にお金が入る仕組みを構築しないといけない。レンツェル神父に任せると間違いなく数年前の極貧時代に逆戻りする。これはレンツェル神父全肯定なレンツェルガールズ以外の孤児院卒業生全員の見解だ。



「ところで、タロゥ。その、ジャガイモを食べたいんですが」

「ダメです。日に一度と約束しましたよね?」

「はい……」



 グンラル家との交渉でとりあえず溜まり過ぎたジャガイモの行く先は決める事が出来た。孤児院の消費用と酒に使う以外のジャガイモは全部パブさんが引き取って色々料理開発に使うらしいから、次にサニムに帰ってきたときにはジャガイモ料理が増えてるかもしれないな。


 あ、そうだ。



「時にレンツェル神父。トマトって知ってます?」

「トマト、ですか。いえ、耳にした事はありませんね。その野菜が何か?」

「赤い果実のような実を付ける作物なんですが、こいつを使うとジャガイモに非常に合う調味料が作れるんですよ」

「ほう!」

「帰る前に種を置いていきますんで、ちょっと育てられないか確認してもらえますか?」



 俺がそう言うと、レンツェル神父は顔色を輝かせて了承してくれた。トマトの種に関しては前世で働いていた会社の倉庫に置いてたから多分夢想具現で創り出すことが出来るはずだ。揺りかごから兵器まで取り扱うと豪語する社長に振り回される社員たちという会社だったが、こういう謎のラインナップが生まれ変わった後に役立つとはなぁ。


 さてさてこれで俺がサニムで出来ることは一先ず終了かな。パブさんの方もバラガスさんの方もどちらも後は結果を待つだけだし、レンツェル神父も一回凹ませたから暫くは暴走しないだろう。トマトっていう新しい玩具も渡したしね。


 というわけで心置きなく! 一切の心置きなく妹とラーメンを楽しむ時間が出来た訳なんだけども。



「や! カレーがいい!」

「システィ、我がままを言わないで。カレーみたいな変な色のスープみたいなのばっかり食べたらね。お腹がゆるゆるでほっぺももちもちな子になっちゃうよ?(宇嘘)」



 失念していた。妹はラーメン最大の敵であるカレーという存在に心を奪われかけていたのだ。ここ一年はカレーラーメンという鬼札で一時的に妹の中のラーメンの階位を引き上げてなんとかラーメンが優勢くらいの状況に持っていっていたのだが、傍を離れていた間にカレーの魔の手が妹にまた!


 なんとかラーメンを食べさせたい俺と、カレーを食べたい妹。両者の意思は平行線となり、妹の目元がうるうるしてきた段階で俺の敗北は必至かと思われた。思われた、のだが……



「はいはーい! 私ラーメン食べたい! 孤児院の皆で食べっこしようよ! 食べっこ!」

「あ、それなら僕も食べたい」

「ね、システィ! みんな一緒ならいいよね?」

「え。う、ううーん……」



 救いの手は全く思いもかけない方向からやってきた。土下座もかくやと言わんばかりに妹を説得する俺をケラケラ笑いながら眺めていたアリスがそう言うと、周囲で俺たちの様子を見ていた孤児たちが一斉にそう口にしだしたのだ。


 同年代の仲間たちからの声に妹は一瞬たじろいで悩み始めるが、周囲の期待が籠った眼差しに折れたのか小さく頷いた。



「うん。みんなといっしょならいい。ラーメン、たべる」

「えっ。本当かいシスティ」

「うん!」



 先ほどまでのぐずりっぷりは嘘のように、妹は晴れやかな笑顔を浮かべて俺に笑いかけてくれた。


 ヨッッッッッッッッッシャアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!


 心の中でプラトーンのポーズばりに両腕を高らかに掲げて歓喜の雄たけびを放ちながら、表面上はクールにかっこいいお兄ちゃんを演じる。あ、でもだめだ。完ぺきに制御したのに笑顔がついつい出てきやがるぜちくしょうめい!


 新しく入ってきた孤児も含めて15人分か。信力やばいな、お子様ラーメンランチならギリかな。だ、だがここで折れてはお兄ちゃんの名折れ。妹に恥じないお兄ちゃんであるために、やってやらぁ!



お気に入り・☆評価よろしくお願いします!


タロゥ(10歳・普人種男) 


生力65 (65.0)

信力123 (125.8)UP

知力50 (50.0)UP

腕力71 (71.0)

速さ67 (67.0)

器用55  (55.0)

魅力61 (61.0)

幸運36  (36.0)

体力70 (70.0)



技能

市民 レベル4 (66/100)UP

商人 レベル3 (100/100)ー

狩人 レベル4 (66/100)

調理師 レベル3 (100/100)ー

地図士 レベル3 (100/100)ー

薬師  レベル3 (48/100)

剣士 レベル6 (15/100)

木こり レベル2 (70/10

楽士 レベル3 (48/100)

教師 レベル3 (62/100)

パチン・コ流戦闘術 レベル6 (85/100)UP

テイマー レベル2 (78/100)

絵師 レベル3 (90/100)UP

語り部(紙芝居) レベル5 (100/100)ー

水兵 レベル2 (45/100)

執事 レベル3(100/100)ー

乗馬 レベル0(20/100)



スキル

夢想具現 レベル3 (100/100)ー

直感 レベル4  (87/100)

パチン・コ流格闘術 レベル6(85/100)UP

パチン・コ流武器術 レベル6(85/100)UP

飛行術 レベル3 (25/100)

フォークダンス レベル5(100/100)ー

フォークマスター  レベル1 (100/100)

念話 レベル2 (57/100)UP

女たらし レベル6 (55/100)

野獣の眼光 レベル0(15/100)

サニム流マナー レベル3 (37/100)UP



英雄スキル

夢想具現仏恥義理(ぶっちぎり)



カルデラ近隣地図

https://kakuyomu.jp/users/patipati123/news/822139845715828802


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