前へ目次 次へ 5/11 ベチン・・・ベチン・・・ 深夜3時、コンビニの帰り。 3月の気持ちのよい空気の、とても静かな夜だった。 私が人気(ひとけ)のない道を歩いていると 後ろからベチン・・・ベチン・・・と音が聞こえた。 振り返ると、外灯に照らされた郵便ポストがあった。 郵便ポストの口からは、女性の白い腕が二本、垂れ下がっていた。 腕はまるで暴れる鞭(むち)のように、ベチン・・・ベチン・・・と ポストを 叩いていた。 ポストの下には、女の顔が逆さまに落ちていた。 ああ、顔を拾おうとしていたのか・・・。