表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夜夜一夜(よながよっぴて)~奇の断片~  作者: 夏の月 すいか


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/4

今も仲良く・・・

 K市とF町の境に総合病院がある。その病院の前の横断歩道に幽霊が出るという噂が広まった時期があった。地元の大人連中が行事で集まった際にもその話題が出るくらいだったので、子どもだけでなくかなり広範囲に広まった噂だった。もう何十年も前のことだ。

 噂の内容はこうだ。

 夜中に白い車でK市方面から病院の前を通ると、老夫婦の幽霊が横断歩道を渡っているのが見えるという。

 F町方面からでは幽霊は見えない。白い車でなければ幽霊は現れない。

 噂が広まり過ぎたのか目撃者が多かったためか、お祓いをすることになった。病院が動いたのか行政が動いたのかは分からない。

 しかし「お祓いしてもダメだったみたいよ」と、どこかで大人が言っていた。

 私は当時赤い車に乗っていたので幽霊を見ることは叶わないのだが、アルバイトが終わった後、友人と二人で件の病院に行ってみたことがあった。

 病院前の横断歩道が見えるコンビニの駐車場に停め、横断歩道の様子を見ていた。

 すると、K市方面から来る車のうち何台かが無人の横断歩道の手前でブレーキをかけていた。白い車だけではなかったと記憶している。

 私たちは初めは興奮していたが、車通りの少ない道なのでやがて飽きてしまい帰った。噂もいつの間にか終息していた。

 それから数十年後、お盆の帰省のために実家に帰ることがあった。仕事が終わってそのまま実家に向かったため到着は夜中になった。

 運転中ふと横断歩道の噂を思い出した。今ちょうどK市を走っている。少しルートを変えれば病院の前を通る。

 私は病院に向かうことにした。噂の検証のつもりは無く、久しぶりに通る地元の道を懐かしむドライブのつもりだった。

 病院が近づき横断歩道に差し掛かった。

 すると突然「ピーピーピー」と障害物センサーの音が鳴り、自動ブレーキが踏まれ減速した。

 私は焦った。もちろん横断歩道を渡っている人はいない。

 今までセンサーの誤作動は経験したことがなかったし、猫やイタチなどの小動物くらいではセンサーは反応しない。ある程度背の高い障害物にしか反応しないはずだ。

 私はゆっくりと車を進めたが、実家に帰るまでの間動悸(どうき)が治まらなかった。

 今もまだいるのかもしれないと思った。 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ