表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夜夜一夜(よながよっぴて)~奇の断片~  作者: 夏の月 すいか


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/11

幽霊を見ていない

 

 後輩が突然訪ねて来て、話し始めた。

 ついさっき幽霊を見たそうだ。

 「いや、なんていうか…。見たんだけど見てないって言うか…。見てないけど、見たんです!」

 言っていることがよく分からない。

 どういう事なのか詳しく訊いてみた。

 

 後輩が言うにはこういうことらしい。

 車を運転していたら、信号のない横断歩道に幼稚園くらいの(とし)の男の子が立っていたので一時停止した。

 男の子はぺこりと頭を下げてから横断歩道を歩き始めた。

 しかし何だか違和感がある。

 男の子はこちらを見ず、伸ばした自分の手を見上げていた。

 後輩は気付いた。

 男の子は誰かと手をつないでいるのだ。

 その()()が後輩には見えない。

 というか、男の子の手の先には誰もいない。

 男の子はまるで母親に手を引かれて横断歩道を渡っているようだったという。

 

 「だから、幽霊は見てないんですど、見たんです。幽霊に手を引かれている幼稚園児がいたんです」 

 私は興奮している後輩に言った。

 「お前が幽霊を見たのは信じるよ」

 「分かってくれましたか。幽霊の母親がいたってことですよね」

 「そうだ。母親の幽霊()いた」

 落ち着いて聞いてほしい。

 「今は深夜三時だ。お前はこんな真夜中に幼稚園児が一人で外にいると思うのか」

 後輩はちゃんと幽霊を見ていたのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ