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「リリー、ライアンに嫌気がさしたら1人で帰ってきてね。」
「ふふふ、そうね。その時はリリアのところに帰ろうかしら。」
「ねえ、2人とも近くない?
いくら姉様でもリリーを誑かすのはやめてくれないかな。」
ライアン様とのお付き合いは家柄も歳の差も特に問題視されず
あっけなく婚約までいってしまった。
うちよりもライアン様のご両親がそういった事よりも2人の気持ちが大事だと思う人で
ライアン様をよろしく、と迎え入れて貰えた。
「別に外国まで行かなくてもいいのに。」
魔法についてやりたかったことが諦められず、学びの為に外国に行くことにした。
ライアン様も一緒だ。
私が外国に行くつもりだったと伝えると「僕も行くよ。」と学園をさっさと飛び級で卒業してしまった。
学園に入らなくてもよかったのでは?と言うと
「元々必要ないと思っていたんだけど、リリーが居るから入園したんだよ。」と返されて赤面してしまった。
ライアン様はとても賢くてかっこいい。
妖精のようだなと思った彼は思っていたよりもずっと行動派で
言葉でも態度でも好かれているのが分かってこちらが照れてしまう一方だ。
外国に行かずに結婚するのがきっと無難な生き方だろうとは思う。
でも一度見えそうだった広い世界が諦められなかった。
「新しい魔法が生まれたらこの国ももっと豊かになるし、できる事もずっと増えるわ。
それに魔法のない世界もとても興味深いと思うの学べることがきっと沢山あるんじゃないかしら。」
「そうね、分かっているわ。応援してる、
いつでも帰ってきていいからね。私の可愛いリリー。
離れてもずっとあなたは一番の友人よ。」
「ありがとうリリア、私もあなたと出会えて良かった。
大好きよ…いってくるわ。」
最後にリリアの暖かい体につつまれて別れを惜しむ。
事前に身近な人には別れを済ませて、どうしても最後まで見送ると言ってくれたリリアが港まで一緒に来てくれた。
寂しい気持ちを抱えながらも別れを済ませた。
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「リリー、風邪を引く。そろそろ中に入ろう。」
船が出航した後も港が気になってなかなか動けない私にライアン様が声をかけてくれる。
「ねえ、魔法での占いってどんなものなのかしら。
私にも出来るかしら。」
「勉強したらきっとね。
魔法はあるだけで奇跡みたいなものだ、他の奇跡が起こっても不思議じゃない。」
優しく微笑む彼と居る時間はとても楽しい。
リリアは恋心が報われた先がライアン様で良かったな、と心から思った。
夢見た魔法の世界を共有出来るのがライアン様であることも、奇跡のような幸せの一つだ。
2人をもう一度拗れさせるパターンで書いていたのですが、それだとライアンがヘタレになってしまうのでかなり短く終わりました。
本当はもう一度アベルが出てくる予定でした。
初めて書いたのでおや?という部分が多いと思いますが、とりあえず完結です
ここまで拙い文章にお付き合い下さり、本当にありがとうございました
外国に行った先でも色々拗らせてしょんぼりする2人もアリかな、と思っています




