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挿絵(By みてみん)


「【地球世界】は『魔法』が無い仕様」

だと思われていた。


そして実際に【地球世界】の物理現象は人間の御都合主義的想像力や呪文でどうこうできるものではなかったが…


それは他の【世界】と比べても【地球世界】が

「空間の絶対化」

「空間内のルールの絶対化」が

(とりわけ物理法則の絶対化が)

強固に進められた空間だったからだ。


魔法とは

「空間の相対化、空間内のルールの相対化を前提とした、術者による私的な空間内の私的ルールの絶対化」

を本質とする。


(魔術は魔法と同じ行為を人為的に術式化・マニュアル化して伝導し得るようにした「技術」であり、魔法の概念のうちに含まれる)


魔法は大雑把に、物理的に空間内に任意の現象を起こす空間魔法と、精神的に生き物の内面を操作する精神干渉魔法との二種類に分けられる。


【地球世界】の場合には人々の行使し得る空間魔法が

「物理法則の絶対化」

のために使われていて、尚且つ人々にその自覚が無かったせいで

「魔法などない」

という状態になっていた。


つまり【地球世界】の人々は

「魔法などない、という環境を創り維持する事に自分達の空間魔法の力を注いでいた」

のである。

本当の意味で魔法がない、という事では無かった訳だ。


なのでそうした物理法則絶対化の影響から離れた瞬間には

偶発的に人は普通に空間魔法を使えてしまえた。


ふとした弾みで

「物理法則を無視した現象」

を体験した者達は少数ながらも存在してはいた。


物理法則を無視した現象の中には

サイコキネシス的な現象やら

物質が消えたり現れたりといった現象があった。

(私もチートなしの無力な人間として生きた人生でそれを体験していた)


お陰で

「物理法則を無視した現象が起きた時と起きない時との差異」

を分析すると

「その時のその空間の相対性・絶対性がどういった状態だったか?」

という点に着目すべきだと気付き、魂が覚醒に近付いた。


境界魔術師の素養を持つ者なら

「自分を今包括しているこの空間の相対性・絶対性はどういった状態だろうか?」

といった点が常に気になるものだ。


【地球世界】は空間魔法を行うには制限の多い【世界】だったが…

精神干渉魔法の方は諜報工作などを通して乱用されていた【世界】でもあった。


集合意識に潜在意識領域や無意識領域ではルールが緩い。

その代わり明確な自我が存在しない。


そこに明確な自我を持って侵入し

御都合主義ルールを叩き出し

人類の集合意識のベース部分に歪みを与えるのが…

外道魔術師とも巫蠱とも呼ぶべき人種である。


それは

「空間の相対化、空間内のルールの相対化を前提とした、術者による私的な空間内のルールの絶対化」

という魔法の基本を踏まえてしまっている。


それでいてそれらは

「一部の邪まな人間達の御都合主義」

によって人倫を大きく外れている。


【地球世界】では「集団移民」という名の「被差別者を詐称する乗っ取り侵略者」の行う特殊軍事行動を「特殊軍事行動だと事実認識できないように」認知バイアス自体が歪められていた。


侵略者も

被侵略者も

自分達が何をしてるのか

何をされてるのか

事実を認識できない認知的盲目の強要地獄…。


精神干渉の行き過ぎて倒錯し過ぎた先にある狂気…。


【金令世界】では遺伝子学者らが遺伝子遊びでキメラを創造する際に、肉体の異物排除力つまり免疫機能を抑圧・倒錯させる技術がふんだんに乱用されていたが…


【地球世界】ではそれと同じような「免疫機能の(異物排除機能の)抑圧・倒錯」を「魂レベル」で「人類が人類に対して」行なっていた為に収集がつかなくなっていたのだった。


価値観改竄・精神干渉というものは

「自分にとって都合の悪いものは受け入れにくく」

「自分にとって都合の良いものは受け入れやすい」

ものだ。


かつて【地球世界】でも【金令世界】でも

「太陽が、星々が我らの大地の周りを周っている」

(我らの大地は不動だ)

と信じられていた。


天動説が信じられていた。


だが地平線を見れば

「我らの大地は丸い、この世界は球形をした惑星だ」

という事実は容易く推測できた。


それなのに人々は天動説を、虚偽を、信じ続けた。

その一方で一部の知的権威である秘密結社メンバーはとうの昔から地動説を理解していた。


「何故、支配階級の人間達は人々に嘘を信じさせるのか?」


「精神干渉に於いては影響者の優先順位が存在する」

からだ。


真実を知っている真の知的権威者達の世界観・価値観の方が

嘘を真実だと思っている圧倒的多数の人々の世界観・価値観よりも

存在性の品位が上になる。


心理戦でも同じ手口が使われる。


敵対していないAとBの双方に

「Bは貴方の悪口を言っている、内心で嫌っている、裏切っている」

「Aは貴方の悪口を言っている、内心で嫌っている、裏切っている」

と吹き込んで存在しなかった対立を人為的に作り出す。


それに踊らされて敵意を表明しようものなら

「嘘を信じる者達は嘘を信じさせる者達の影響下に置かれる」

という心理戦上下関係に巻き込まれてしまう。


「嘘かも知れない情報で敵意や好意を引き出され、その感情に従って言動を起こす」

時には、人は無自覚なまま嘘吐きの掌で踊らされているのだ。


境界魔術の恩恵は

「空間の変化を察知できる」

「空間へと影響力を持つ嘘吐きを特定・根源の嘘を発見できる」

という事にある。


「私はその嘘を信じていないし、その嘘から引き出される感情に従った言動を取っていないし、その嘘で名誉を貶められている標的を傷付けてもいない」

それが免罪符となって

「その空間に意識を縛り付けられるしがらみが生じない」

状態でそこから後腐れなく立ち去れるのである。


境界魔術師は煉獄に囚われる地縛霊や嘘の中で狂い死にし続ける浮遊霊とは真逆の存在なのである。


ある意味で

「嘘を吐かず誣告を行わない善良な人間」は

「嘘に騙されず誣告に加担しない」でいられたなら

境界魔術師になる資格がある。


だが境界魔術を理解・習得できる素養は

「嘘吐きらの標的にされ、名誉も信用も貶められた誣告被害者」

の立場に立たされて煮湯を飲まされた人間にしか芽生えない。


境界魔術は凡ゆる空間魔術の根本に関わる魔術である。


「自分自身が空間の影響者となる」

事で空間内の摂理を相対化して

(魔法に該当する)

魔術を行使できるのだ。


【世界】を管理運営する【管理者】による依怙贔屓などなくとも、新規参入者特約などなくとも、自立的チートで人生を創造できるのである。


素養有る者達が境界魔術の習得を躊躇うような必要性がない。


境界魔術の修行者が真っ先にやる事は

「夢を操る」

事である。


夢を見ている最中に

「これは夢だ」

「私は今、夢を見ている」

と自覚する事。


手のひらを見るとか

首を振るとか

「夢を自覚した際に取る動作」

を予め決めておき、夢を夢だと自覚した際に実際にその動作を夢の中でとってみるのだ。


これは本当に初歩に過ぎないが…

「夢を夢だと自覚し夢を操る」

事が当たり前になる事で

「集合意識の潜在意識領域に(皆が自我を持たずに眠りこけている場所に)自分だけ起きた状態で入り込む」

という感覚が理解できるようになる。


そして

「それが罪だ」

という事も理解できるようになる。


境界魔術の入門編修得は

「自分を内包している空間の客観視」

ならびに

「自己俯瞰」

がそれに該当するという事である。


世の中には悪意が満ち溢れているが、それは

「境界の区分を明確にする排斥因子が世の中に生み出されるべき必要性」

によって存在し続けている幻惑だ。


入門編を習得できていない境界魔術師は

「悪を排除する排斥因子の権化としての権能を振るう」

時に

「悪に対する憎悪」

に呑まれてしまう事になる。


そうなると番犬には為れようが、魔術師であり続ける事ができなくなる。

人としての知性を保ち続けて魔術師であり続けたい者は

「悪に対する憎悪」

「必要時に召喚して、不必要になれば送還するモノだ」

という事をゆめゆめ忘るること勿れ。



貴方が

「必要悪の範囲に留まり続ける」

事を祈るものとする。


ーー貴方の師アウィス・ヘルメティスよりーー


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