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あなたの知らない私  作者: 仲村 嘉高
 
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プロローグ




「貴様との婚約を破棄する」


 魔法学園の食堂という、衆人環視の中で婚約破棄を宣言したのは、私の幼い頃からの婚約者です。

 家柄はとても立派な由緒正しい侯爵家。

 そして、彼は次男であり、当然家は長男が継ぐ事に決まっています。


 侯爵家は伯爵位も持っていますけど、それは三男が継ぐことに決まっています。

 なぜなら私の()婚約者は、うちの侯爵家に婿養子にくるはずだったのですから。

 もう一つ持っている子爵位は、今は長男の方が使っている、代々後継者が使う仮爵位なので、誰かが正式に継ぐ事はない爵位です。


 今回の事で、望み通り婚約破棄になるから、もううちに養子にくる事は無いでしょう。

 継ぐ爵位も無く、この先どうするつもりなのでしょうか?

 まぁ、もう婚約破棄になる私には関係有りませんね。



 それにしても、婚約破棄の理由は何なのでしょうか。

 物語では、婚約破棄を宣言する時には、横に庇護欲を誘う可愛くて爵位の低い令嬢が居るものなのですが、今、彼の隣には誰もいません。


 彼が不貞行為をしていたのを見た事は有りませんので、私が不貞相手を虐めたという事もありません。

 どちらかの家が裕福で、もう片方に援助をしていて……という事もありません。

 お互いに侯爵家であり、立場も財力もほぼ同等です。


 婚約が決まった理由は、幼い頃から親しくしており、相性が悪くないからというだけでした。

 どちらかが他に意中の相手が出来たと、婚約を解消したいと申し出れば、特に問題無く受理された事でしょう。



 なのになぜ、彼はこのような自分が不利になる状況で婚約破棄など宣言したのでしょう?

 謎ですわね。




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