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移動

外に出るとそこには顔面のついた屋台が止まっていた。「第三修練場まで頼みます」ハクアがそういうとその屋台は喋り始める。「了解だハクアさん。ところでそこの兄ちゃんは誰だい?」屋台がタクトを見る。見た目にすでに気圧されていたのにそのまま喋り始めたうえに目があったので思わずみじろいでしまう。「新しい部下ですよ、修練場にもこの人の訓練目的で行きます。」そう言って屋台に乗り込もうとする。「は?まてまてまてこれに乗るのか?」タクトは汗をかく。「そうだが?」「ふざけんな!。こんなバケモンになんで乗らなきゃならねーんだよおかしいだろ。」怒鳴るように言うとハクアは冷静に答える。「さっきも言いましたがあなたの訓練のためですよ。あとこれは朧車と言う妖怪です。この世界での主な移動手段ですたから慣れてください。」「いやだよ別の方法はねーのか!」不満を垂れ流すタクトを無視してハクアは腕をひっぱり朧車に乗せる。「てちょ聞けよー!」すると一気に屋台は上昇し始める。「マジかよぉぉおおお!!」地面がどんどん遠くなっていく。するとこの世界の形が見えてくる。江戸風の街並みが続いており人がたくさんいる。地平線には岩山が見える。そして街をよく見てみる。「うお」驚いて思わず声を出す。さっきまで人だと思っていたものはよく見ると首が伸びていたり腕が曲がっていたりそもそも獣だったりと全てが妖怪であった。「驚いたかい?ここは人間界ではない。あり得ざる第7の世界。[妖霊界]この世界には基本的に妖怪しかいないよ。」「なんてとこに連れてきてんだよてめえ」そうしていると急に吐き気に襲われる。乗り物酔いだ。初めての車に完全にヤられてしまった。口から虹色の液体が噴出する。「オロロロロロ口」 それを見てハクアは背中をさする。「大丈夫か?」いまだに吐き続けている。さっき食べたものは全てリバースしてしまっただろう。「悪かった、お前がこんなにも乗り物酔いしやすいとは思ってなかった。すまん」やっと治まったようで喋り始める。「ハア、ハア、ほんとだよ。お前ふざけんじゃねーよ。勝手に下僕にされるしよ。朧車なんかに乗せられるしよ。こんな世界に連れてこられるしよ」するとまた吐き始める。「仕方ない。ちょっとじっとしてろ」するとハクアがタクトの首元に触れれば一瞬でタクトは眠ってしまう。「大丈夫ですか?ハクアさん。なにか吐いたような音がしましたが。」朧車が心配した声で話しかけてくる。「いえ、お気になさらず。少し連れが酔ってしまったようで。今眠らせました。車内は汚れていないのでご安心を」それを聞いて安心した声で朧車は話し始める。「わかりました。あと10分ほどで着きますのでそれまでおくつろぎください」ハクアはタクトを横に寝かせる。「寝てれば大人しいもんだね。今度は、どこにも行かないでよ。」そう呟くとタクトの髪を少し触りすぐに離せば座り直して懐から本を取り出して読みはじめた。そしてしばらくすると朧車は降下し始める。「到着しました。」地面に着地するとハクアは眠るタクトの首にもう一度触れればタクトは目を覚ます。「ついたぞ」「んあ?あ!お前なにしたこのやろう」タクトの言葉を無視して朧車から降りる。「あ待て」そしてタクトも降りればハクアは朧車の側面にある小銭の挿入口のような場所に小銭を入れる。「まいど〜」そういうと朧車は飛んでいってしまった。「おい。どこだよここ」そう尋ねるとハクアはとある方向を指刺した。「そこだよ。」「ん?」その方向を見るとどす黒いオーラを放った巨大なドーム状のものがあった。「なんだあれ!」「目的地」そう淡白に返すとハクアはそのままドーム状のものに入っていった。「ちょっ。待てって」タクトもそれを追いかけて中に入っていった。

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