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別の形で会い直した宿敵が結婚を迫って来たんだが  作者: まっど↑きみはる
水の神様
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襲撃

 祠の出口に近付くと、眩しい日差しの中に人影が見える。


「来たな、転生者共!!!」


「アンタは!?」


 短い銀髪で、浅黒い肌。筋肉質な体格をした男がそこには居た。


「俺は魔人『タージュ』様だ!! 冥土の土産に教えてやるよ」


 タージュと名乗る男は大声で笑いながら言う。


「何だか知らないけど、死になさい!!」


 ラミッタは手のひらから業火を射出し、タージュという魔人に浴びせようとした。


「おっと、危ねぇ」


 タージュはさっと避けると、ラミッタを見てニヤニヤと笑っている。


「宿敵、魔人よ」


「あぁ!!」


 一足遅れたマルクエンだが、状況は大体理解できた。


「おーっと、貴様はー? マルクエンだか丸腰(まるごし)エンだか知らねぇが、そんな装備で大丈夫かなぁ?」


「お前みたいな奴なら大丈夫だ、問題ない」


 マルクエンは(こぶし)を構えてタージュを見据える。


「でもなぁ、俺様は卑怯な戦いが嫌いなんだよ。フェアじゃねえとな? ほーら剣だ、受け取れー!!!」


 タージュは二人の剣を祠の中へとぶん投げた。


 慌てて剣を掴み取ろうとするマルクエンとラミッタだったが、祠の中へと入ってしまい、一気に錆びてボロボロになってしまう。


「貴様ァ!!!」


 普段、怒りの感情を表に出すことのないマルクエンだったが、魔人の行動に激昂した。


 そんな姿を見たことが無かったラミッタは少し驚き、やって来たシヘン達も大声にビクリとする。


「宿敵、落ち着いて!!」


「……、あぁ、大丈夫だ」


 大丈夫とは言ったが、マルクエンは静かな怒りに支配されていた。


「ラミッタ、援護を頼む」


「援護って、丸腰で戦うつもり!?」


「あんなゲス野郎は拳で十分だ」


 タージュは曲刀を取り出してくるくると回している。


「死ぬんじゃ無いわよ!!」


 ラミッタは雷の魔法を飛ばし、それと同時にマルクエンが突っ走った。


「近寄れるかぁ?」


 タージュは曲刀を縦横無尽に振り回し、マルクエンを牽制する。


「アンタもボサッとしてないで何かしなさい!!」


 ラミッタがシチにそう言うと、ハッと我に返った。


 シチも鋭い氷を連発で飛ばし、タージュの妨害をする。


 シヘンはそんな二人に及ばないながらも、火の玉をタージュに飛ばし続けていた。


「私も行くわ!!」


 ラミッタは魔力で創った雷の剣でタージュの元へと向かう。


 そのまま斬り合うが、お互いに攻撃は通らなかった。


「面倒くせえなー!!!」


 遠距離から来る魔法にイラついたタージュは、鉄の針を祠に向かってばら撒く。


「黒魔術師を甘く見ないことね!!!」


 シチは魔法の防御壁を展開し、それらをすべて防ぐ。


「っち、黒魔術師が居たのは予想外だったな」


 黒炎と稲妻を飛ばすシチはタージュにとって厄介だったのだろう。一気に祠に近付くと、防御壁を曲刀で斬り壊した。


「ちょっとねんねしてな」


 タージュは袈裟斬りにシチを斬りつける。鮮血が飛び、シチの絶叫がこだました。


「ああああああああ!!!!!」


「姉御!!!」


「シチ!!!」


 マルクエンは駆け寄ろうとするが、タージュが立ちはだかる。


 ラミッタが魔法の剣で斬りかかるも、弾かれ間合いを取られた。

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