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別の形で会い直した宿敵が結婚を迫って来たんだが  作者: まっど↑きみはる
水の神様
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おねんね

「な、何を言ってるんだ宿敵!!!」


 顔をこちらに向けないまま言うラミッタ。


「ほ、ほら、ベッドは大きいだろう? 二人で寝ても大丈夫な広さだ!!」


「だ、だからってあんたねぇ!!」


 振り返ったラミッタの顔は真っ赤だった。


「私はラミッタをソファに寝かせたくないんだ、嫌なら俺がソファに寝る」


「何言ってんのよ!! 勝ったのはアンタよ!! アンタがベッドで寝なさいよ!!」


「いや、私はソファで」


「あーもう、わかったわよ!!」


 ベッドにスタスタと歩いて行き、座るラミッタ。


「端っこ!! 背中合わせ!!! こっち向いたら刺す!!!! オッケー!?」


「ははは。わかったわかった」


 大きなベッドの両端に二人は寝転がり、布団を被る。


 ラミッタが魔法石の明かりを消すと、部屋は真っ暗になった。


 すぐ隣にはラミッタが寝ている。その事実にマルクエンまでドキドキとしてしまっていた。


「ねぇ、宿敵。寝た?」


 横になり、10分ぐらいしてラミッタが話し始める。


「いや、寝ていない」


「何だか寝付けないわね」


 二人共、目が冴えて眠れないでいた。


「何ていうか、こちらの世界に来てからラミッタに助けてもらってばっかりだな」


「そうね、感謝しなさい」


「あぁ、しているさ」


 しばらく沈黙。


「あのな、お前の顔を見る度に思ってしまう事があるんだ」


「な、何よ……」


「顔の傷。こちらの世界の治癒魔法なら消せるんだろ? やはり、どこかで雇って消してもらったらどうだ?」


「別にいいわよ」


 背中合わせのまま、ラミッタは布団を引き上げて顔を隠す。


「私は魔剣士よ、傷なんて気にしていたらやっていられないわ」


「そうかもしれんが、いい顔がもったいないぞ」


「なっ!!!」


 また沈黙する二人。今度はマルクエンが声を掛けてみる。


「ラミッタ、寝たか?」


「寝た!!!」


 ハハハとマルクエンは笑い、何だか安堵してしまい眠気が襲ってきた。





 真夜中だが、マルクエンはトイレに行きたくなり、目が覚める。


 何だか隣に温かいものを感じた。


 薄明かりを付けて目を向けてみると、ラミッタが近くまでやって来ており、こちらを向いて寝息を立てている。


「なっ、ラミッタ!?」


 彼女の緋色の唇、サラサラとした茶色の髪、そして何故か甘い匂い。


 じっと見つめてしまったマルクエンだったが、ハッとし上体を起こす。


「このままじゃ起きた時に何を言われるか分からんな……」


 マルクエンはトイレに行った後、ソファに横になった。

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