ナニが起こるかな?
「お任せ下さい!!」
そして店主とマルクエンは皆の元へと戻る。
「大変申し訳無いのですが、ご用意できるのが2人部屋がお2つでして」
他に客が居ないのに? っと不思議に思ったラミッタだったが、無料で案内されているのだ、厚かましい事は言えない。
「仕方ないわね。また私が宿敵と同じ部屋になるわ」
「そうっスか。わかりましたー」
「お泊りになる前に、料理店にもお立ち寄り下さい。彼もお礼がしたいと言っていましたので」
確かに腹は空いていると、荷物を預け、マルクエン達は料理店へと向かった。
「お待ちしておりました、マルクエン様」
深々と頭を下げる高齢のシェフ。思わずマルクエン達も頭を下げ返す。
「本日は私の出来る限りではございますが、最高のコースをご用意させて頂きます」
「い、いえ、そんな……」
席へと案内されたマルクエン達にスープからサラダ、パンに、魚料理に肉料理とデザートまでフルコースで食べ物が提供される。
すっかり満腹になり、金を支払おうとすると、またも断られてしまった。
宿屋へ戻ると宿屋の娘である小さな女の子がお出迎えをしてくれる。
「おかえりなさい! おにーちゃん、おねーちゃん!!」
「それでは、鍵はこちらでございます。ごゆっくりお休み下さい」
マルクエンはラミッタと共に部屋へと入った。
「なるほど、いい部屋ね」
綺羅びやかな装飾と、光の魔法石で明るい室内は中々の物だ。
だが、ラミッタはとある事に気付く。
「えっ……。この部屋ベッドが一つしか無いじゃない!!!」
部屋の目立つところには大きなベッドが一つ。他を探すも、それ以外に寝床は見当たらなかった。
「ベッドは、無いな……。俺はこのソファで寝るからラミッタはベッドを使ってくれ」
「何それ、気を使っているつもり? アンタこそ病み上がりなんだからベッド使いなさいよ!!!」
ラミッタは顔を真っ赤にしてプンプン怒る。やはり防音の部屋で良かったなとマルクエンは苦笑した。
「なに笑ってんのよもー!!!」
「わかったわかった。それより、この部屋には風呂も付いているらしいじゃないか」
「そう言えばそうだったわね……。って風呂ってなに考えてんのよ!! このド変態卑猥野郎!!!」
「変態要素あったか!?」
マルクエンはそんな事を言った後に浴室のドアを開けて中を見る。
「おぉ!! 凄いぞラミッタ!! こっちに来てみろ!! 泡々だ!!」
浴槽には泡がこんもりと立っており、幻想的な雰囲気すら感じた。
「本当ね……」
泡々の風呂を見てラミッタは少し興味を持つ。
「ラミッタ、先に入ると良い」
「なっ、私が入った後のお風呂に入るの!? そ、そんなのド変態卑猥野郎じゃない!!」
「じゃあ俺が先に……」
「あんたが入った後なんて……。ダメ、それはダメ!!」
そう言われ少し傷付くマルクエンだったが、結局ラミッタが先に入ることになった。