表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
別の形で会い直した宿敵が結婚を迫って来たんだが  作者: まっど↑きみはる
お家で待とう
57/268

 マルクエンは冒険者ギルドで鉄製の大鎚(おおづち)を借りる。


 重さ数十キロにも及ぶそれを軽々と片手で持ち運ぶのは、流石と言った所だろうか。


「さて、着いたわね」


 魔人の残した箱の前まで来るとラミッタが言う。


「さぁ宿敵! ぶっ壊しちゃいなさい!!」


「おう!!」


 マルクエンはありったけの力を込めて箱に大鎚を叩きつけた。


 ガインっと物凄い音が鳴り響くも、箱はビクともしない。


 二度三度と叩くも、箱に傷ひとつ付けることが叶わなかった。


「この箱、硬い!!」


 マルクエンがそう口にする。ラミッタは何かを考えていた。


「でも、魔物が出てきた時はあっさりと壊せたわ。何か条件があるのかしら」


「謎ッスねー……」


 うーんと皆で悩む中、ラミッタは思いついた仮説を披露する。


「多分だけど、魔物が出てくる時しか破壊できない……、かもしれないわね」


「可能性はあるな」


 マルクエンはラミッタの意見を支持した。


「宿敵、箱を押して動かしてみて」


「あぁ、分かった!」


 ラミッタに言われ、マルクエンは馬鹿力で箱を押す。


 しかし、ほんの少しも動かない。


「壊せない、動かせない。ってことは、待つしか無いって所かしら」


「あぁ」


「まー、悩んでいても仕方ないわ。その時まで街でゆっくり暮らしましょう」


 ラミッタは箱に背を向けて歩き始めた。その後をマルクエン達も付いていく。


 ギルドに大鎚を返すと、マルクエン達は街なかを歩いた。


「何か欲しい物があったら買い物しちゃいましょう。せっかくお金も貰ったんだし」


「それじゃ、私は食べ物や、生活の消耗品なんかを買ってきますね!」


「お、私は荷物持ちしてくるッスー」


 シヘンとケイは買い物に出かける。残されるマルクエンとラミッタ。


「それじゃ宿敵。私達も何か家で必要な物でも買うわよ」


「うーん、特にこれと言って必要な物が無いのだが……」


「ありまくりよ!!」


「具体的に何が必要なんだ?」


 マルクエンが不思議がって聞くと、ラミッタは答える。


「必要なものは必要なものよ!! 街の中を見ていたら気付くわよ」


「そういうものなのか?」


 マルクエンとラミッタは街を歩く。ラミッタは雑貨屋の前で足を止めた。


「そうね、ここでも見ていきましょう」


「あぁ、分かった」


 二人は店の中へと入っていく。食器類や消耗品などが売っていた。


「いらっしゃいませー! 何かお探しですか?」


 マルクエンは女性の店員に話しかけられる。


「いえ、特にこれと言って探しているものは無いのですが……。そうだ、何か良い食器がありましたら」


「食器ですか……。あっ、そうだ! こちらなんていかがでしょう?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ