表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
別の形で会い直した宿敵が結婚を迫って来たんだが  作者: まっど↑きみはる
お家で待とう
56/268

お姫様抱っこ

 床に座り込むラミッタを見てマルクエンは驚く。何やら様子のおかしいラミッタと、酒の匂いで察した。


「ラミッタ、酔っているのか?」


「なー!! わたしはよってないー!!」


 はいはいとため息をついてマルクエンはベッドから起き上がる。


「部屋に連れて行くぞ」


 マルクエンはラミッタをお姫様抱っこする形で抱え上げた。


「やー!! なにするんらー!!」


 ラミッタは抵抗するも、力が入っていない。マルクエンが廊下に出ると、シヘンとケイにばったりと出くわした。


「なっ!? どういう状況ッスか!?」


「ラミッタさん!?」


「どうも酔っていて部屋を間違えたらしいですね。私が隣の部屋まで運んでおきます」


 両手が塞がっているマルクエンに代わり、ケイが部屋のドアを開けた。


 そのままベッドに行ってラミッタを寝かす。


「おやすみ、ラミッタ」


「まてーしゅくてきー、にげるなー」


 よく分からないうわ言を言っていたが、ラミッタはすぐに眠りについた。





 翌日、ラミッタは頭痛で目が覚める。二日酔いでまたフラフラとしながら一階に降りてきた。


 皆は朝食を()っていたが、ラミッタの方を見つめる。


「すいませんラミッタさん。一応、起こしには行ったのですが……」


「別に大丈夫よ。ちょっと水を頂戴」


 シヘンが水を持っていくと、一気に飲み干した。


「今、酔い醒ましの魔法を掛けますね」


「悪いわね……」


 シヘンはラミッタの手に触れて魔法を掛けた。みるみる内に気持ち悪さが抜けていく。


「あー、スッキリしたわ。ありがとねシヘン」


「いえ、大丈夫ですよ」


 テーブル前の椅子にラミッタは腰掛ける。


「ラミッタ、昨日は大変だったぞ。間違えて私の部屋に入ってくるし……」


 そこまで聞いて、ラミッタは吹き出し、慌てた。


「なっ、わ、私がそんな事するわけ無いじゃない!! ちゃんと自分の部屋で寝ていたし!!」


「あー、マルクエンさんが運んだんスよ。お姫様抱っこで」


 ニヤリと笑いながらケイが言う。するとラミッタは顔を真っ赤にして大慌てだ。


「う、嘘!? 嘘でしょ!?」


「嘘じゃないぞ」


 マルクエンが真顔で言うので、ラミッタは恥ずかしさが爆発しそうだ。


「な、なに酔っ払っている私に好き勝手しているのよ!? このド変態卑猥野郎!!」


「理不尽だぞ!!」


 行き場のない感情でラミッタはマルクエンに当たっていた。




 朝食を終え、ラミッタはマルクエンの部屋に散らばる装備を見て、昨日のことが現実だったと再認識する。


「もうやだ……」


 マルクエン達は装備を整え、家の外へと出て、冒険者ギルドへと向かった。


 ギルドの中に入ると、マルクエン達を見た者たちが小声で話し合う。


「おい、昨日の……」


「何者なんだ?」


 そんなヒソヒソ声を気にせず、マルクエンは受付に向かった。


 そこには、家の場所を案内してくれた女性が立っている。


「あぁ、マルクエンさん達! おはようございます!」


「おはようございます。っと、まだお名前をお伺いしていませんでしたね」


「そうでしたね、申し遅れました。私はミウと申します」


 そう言ってミウは頭を下げた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ