表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
別の形で会い直した宿敵が結婚を迫って来たんだが  作者: まっど↑きみはる
ルカラカへ
49/268

 魔人は片手で魔法の防御壁を貼り、火の玉を受け止めた。


 その後、地上に降り立ち、マルクエンと対峙する。


「面白い、挑発に乗ってやろう。掛かってこい!!」


 マルクエンは大剣を斜めに構え、走った。魔人も剣を抜いて待ち構える。


「はあああぁぁぁ!!!」


 大声を出しながらマルクエンは重い一撃を放つ。魔人は剣で受け止めると、腕にビリビリとした衝撃を感じ取った。


「ほーう、楽しめそうだ」


 魔人は剣をくるりと回し、マルクエンに突きを繰り出す。今度はマルクエンが大剣でそれを防ぐ。


 それからは斬り合いが始まった。お互い一歩も譲らずに、剣同士がぶつかり合う音が辺りに響き渡る。


「私も無視しないで貰いたいわね」


 ラミッタが加勢に入り、魔人を背中から斬ろうとした。


 だが、それはひらりと(かわ)されてしまう。


「流石に二人同時だと面倒だな」


 空へと飛び上がり、魔人は二人を見下ろす。


「降りてきなさい! 卑怯者!!」


「ハハハ、勝負はお預けだ。楽しませて貰った礼に俺の名を教えてやろう」


 魔人はそんな事を言った後に続ける。


「俺の名は『クラム』覚えておけ!!!」


「はっ、殺す相手の名前なんてどうでもいいわ」


 ラミッタは挑発を続けていたが、もう誘いに乗るつもりは無いのだろう。


「そして、これはささやかなプレゼントだ」


 クラムは手のひらに乗る大きさの灰色の箱を取り出した。


 それを地上に放り投げると、箱は大きくなりながら落下していく。


 地面につく頃には四方が三メートル程の大きさになり、ズシンと重く音が響いた。


「それでは、また会おう!!」


 魔人は何処かへ飛び去ってしまった。


 逃さないとラミッタは魔法の光弾を打つも、魔人の速さについていけずに終わる。


 いつの間にか、マルクエンとラミッタの回りには冒険者や兵士。治安維持部隊が集まっていた。


「あんたら、魔人を退けるなんて……。Aランクの冒険者か?」


 兵士に話しかけられ、マルクエンもラミッタも参ったなと思う。どう説明したものかと。


「いや、私はDランクの冒険者です」


 ラミッタが言うと、兵士は目を丸くした。


「Dランク!? う、嘘だろ……」


「確かにランクはDですが、私もコイツも遠い異国の地で戦いを学んでいました」


「それにしても……。強すぎる……」


 ラミッタはそれ以上言葉を返さずに、マルクエンに命令する。


「宿敵、あのふざけた箱を壊しちゃいなさい」


「!! あぁ!!」


 マルクエンは筋力強化の魔法を使い、ありったけの力で大剣を箱に叩きつけた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ