遊び相手
そんなやり取りを不思議そうにスパチーは見ていた。
「シシト治らないのか?」
スフィンは目を伏せてそれに答える。
「すまない。私の力でではな……。だが、治らないと決まったわけじゃない」
その言葉に、ルサークも同意した。
「あぁ、シシト様なら大丈夫だ! 絶対にな!」
スフィンとルサークに言われ、頷いた後に頭を下げるシシト。
「ありがとうございます」
「シシト、病気を治したら手下にしてやる!」
スパチーがとんでもない事を言うのでルサークは慌て、その口を塞いだ。
「馬鹿!! 何言ってんだ!!」
「でも、うん。病気が治ったらスパチーちゃんの手下になろうかな」
そんな事をシシトが言うもので、ルサークは苦笑いをしていた。
「シシト様まで……」
スフィンが部屋を出て行き、残されるルサーク達。
「シシト! 何かして遊ぼう!」
「そうだね、トランプやチェスはできる?」
「なんだそれ!?」
ルサークとデルタは「あ、こいつできないな」とすぐに理解した。
どうしたものかと思うシシトだったが、ふと思い出してあるものを取り出す。
「これ、知っているかな?」
取り出したのは、先の尖ったハンマーに糸で結ばれた赤い球が付いている道具だ。
「なんだそれ? 武器か!?」
「違うよ」
クスクスと笑ってシシトは起き上がり、ベッドの端に腰かける。
トイレや着替えは辛うじて自力で出来るぐらいなので、ゆっくりとではあったが。
「けん玉っていうおもちゃなんだ」
そう言ってシシトはけん玉の持ち手を握り、球を皿にかこっかこっと乗せた後、先端に乗せる。
「おー!! 何だこれ!?」
スパチーは目を輝かせてそれを見ていた。
思わずルサークも感心する。
「けん玉、懐かしいな。シシト様、お上手ですね」
「時間だけはあるので、これだけは」
「私もやるぞ!!」
スパチーはシシトからけん玉を受け取って、おりゃっとメチャクチャに振り回す。
「全然だめだぞ!!!」
「スパチーちゃん。ゆっくりやるんだ。まず球を下に垂らして……」
シシトの言う通りに球を垂らし、その後で上に引っ張り上げる。
宙に上がった球を皿に乗せようとするが、やっぱりできないスパチー。
「難しいぞこれ!!」
「ははは、やめておく?」
「やだ!! やるぞ!!!」
シシトの相手をしているのか、してもらっているのか、これでは全く分からなかったが、シシトは楽しそうだった。




