お話し
シシトに言われ、ルサークはうーんと悩む。
「俺、じゃなかった。私達の話などつまらないと思いますが……」
その言葉に、シシトは首を横に振って言う。
「いいんです。外の話をもっと知りたいんです!」
ルサークは「それでしたら」と話し始める。
「私達は冒険者をやっていましてね」
その話の入りにシシトは目を輝かせた。
「冒険者さんだったんですね!」
ルサークはシシトの食いつきっぷりに気が引けながら話す。
「それで、それはもう色々とありまして、今はシシト様にお仕えする形に……」
シシトはもっと話が聞きたく、言葉を出す。
「その、冒険者時代のお話を聞かせてください! あぁ、すみません。どうぞ、椅子に掛けてください」
椅子に座るよう言われ、デルタが断る。
「いえ、そういうわけには」
シシトはまた首を横に振って、手で促す。
「いいんです! 座ってください! そしてもっとお話をしましょう!」
スパチーは椅子に座ってから言った。
「私は座るぞ!」
ルサークとデルタも顔を見合わせてから椅子に座った。
そして、冒険者時代の話を語る。
一通り聞き終えたシシトは満足そうに笑顔だった。
「ありがとうございました! また聞かせて下さいね!」
ルサークも笑顔を作ってシシトに返す。
「えぇ、いつでも」
そこでスパチーも声をあげた。
「私もシシトと話がしたいぞ!」
ルサークがスパチーの呼び捨てを窘めた。
「だから、シシト様と呼べって言ってんだろ!」
「ははは。スパチーちゃんともお話したい。でもそろそろ体が疲れてきちゃってね」
「お前、体よわよわだな!」
デルタもスパチーを叱る。
「お前って言うな!」
シシトは前を向いて呟いた。
「新しい使用人の人が皆さんで良かった。久しぶりに楽しいです」
最初はどうしたものかと考えていたルサークとデルタも、シシト様のお世話をしたいと思うようになった。
その時、部屋のドアがノックされ、声が聞こえた。
「お食事の準備が整いました」
ルサークはシシトに断りを入れた。
「シシト様、よろしいでしょうか?」
「えぇ、どうぞ」
ルサークは部屋のドアを開いて、メイドを招き入れた。
食事が乗った台車をルサークは受け取り、シシトの前まで行く。
「シシト様、どうぞ」
「あまりお腹空いてないんですけどね」
デルタがテーブルに食事を運びながら言った。
「食べないと体に毒ですよ」
スパチーはそんな料理を見て声を上げる。
「美味そうだな!!」
ルサークはスパチーの肩を掴んで引き止めた。
「お前のじゃない。スパチー」




