しょんぼりラミッタ
空高く飛び上がるラミッタだが、逃げていくような怪しい人影を見つけることはできなかった。
降りてきたラミッタは残念そうに首を振る。
「ダメね、わからないわ……」
「そうか……」
街は瞬く間に大騒ぎになった。勇者様に無礼を働いた者がいると。
兵士や治安維持部隊は大荷物を持つ者を片っ端から調査し、その中身を確認する。
何か手掛かりは無いかと、部屋を捜索する治安維持部隊と共にマルクエンとラミッタは宿屋に残っていた。
「宿敵!! その、ごめん!!」
突然に、ラミッタがマルクエンへと謝罪をする。
あまりの出来事にびっくりして固まるマルクエン。
「ど、どうした!?」
「いや、だって、私が武器置いてけなんて言ったから……」
しおらしく、申し訳なさそうにするラミッタに、マルクエンはあたふたした。
「そんな事は気にするな! ラミッタのせいじゃない!」
「でも……」
「大丈夫だ、すぐに見つかるさ」
そうは言ったものの、どうしたものかと、途方に暮れるマルクエンのもとへギルドからの使者としてレモーヌがやって来た。
「マルクエン様ー! ラミッタ様ー!!」
その姿を見てマルクエンは名を呼ぶ。
「レモーヌさん!」
急いで走って来たので、はぁはぁと息切れをしながらも、二人と話を始めるレモーヌ。
「き、聞いたっすよ!! 武器が盗まれたって!!」
マルクエンは苦笑いしながらレモーヌに言葉を返す。
「ははは……。お恥ずかしながら」
「と、とにかく!! ギルドマスターにも相談してみませんか?」
「えぇ、そうですね」
マルクエンとラミッタはレモーヌの後について冒険者ギルドをまた訪れた。
出迎えてくれたギルドマスターが開口一番に言う。
「勇者様!! お話は聞きました。大変なことになりましたな」
ラミッタは目を伏せながらそれに返す。
「うかつでした。完全に私の落ち度です」
「ラミッタ……」
マルクエンはいつになく弱気なラミッタを案じた。
「この街で盗まれたという事は、流れ着きそうな先は、だいたい見当が付きます」
希望が見えるその言葉にマルクエンとラミッタはギルドマスターをじっと見る。
「エナハという、ここから十数キロ先の街です」
「エナハ……」
マルクエンはその街の名前を復唱した。
「エナハはあまり治安の良い街ではありません。盗品やゴロツキが集まる街です」
それを聞いてラミッタは片目を瞑って考える。
「なるほどね……」




