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別の形で会い直した宿敵が結婚を迫って来たんだが  作者: まっど↑きみはる
田舎町

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289/318

違和感

「ラミッタ、私達は王都から結構な距離まで来たよな」


 マルクエンは何気なくラミッタに話しかける。それに対し、ラミッタはレモン水を飲みながら言った。


「別の世界から来ているんだから、それに比べりゃなんてことは無いわよ」


「王都といえば、シヘンさん大丈夫だろうか?」


「シヘンね……」


 まだ二人はシヘンの安否を知らない。心配するマルクエンにラミッタが言う。


「まぁ、大丈夫でしょ。護衛にはケイもリッチェさんもいる。そして王都まで行けばスフィン将軍がいるのよ?」


 ラミッタの言葉を聞いてマルクエンは力強くうなずいた。


「それもそうだな」


 そんな他愛もない雑談をしていると、店員がこちらへやって来る。


「お待たせいたしました。なそてこのシチューランチです!」


 パンにサラダ。そして大盛りのシチュー。マルクエンは目を輝かせていた。


「美味しそうだ。イタダキマス!」


「はいはい、いただきます」


 ラミッタは丸ごと一本、いや、三本もシチューに入れられているナス。なそてこの笑顔と目があった。


 食欲を失わせるが、気付かれないようにスプーンでなそてこをほぐして口に入れる。


「あら、美味しいじゃない」


 ふんわりとしつつも、しっかりとした食感のそれは、ラミッタの口に合ったようだ。


「おぉ、美味いな!」


 マルクエンも絶賛している。


 二人は食事を終えて、宿屋へと戻った。


「おかえりなさいませ、勇者様!!」


「はは、ただいま戻りました」


 マルクエンは恥ずかしがりながら、宿屋のおかみに言い、部屋のドアを開ける。


 その瞬間、マルクエンは目の前の光景を疑った。


 部屋の窓は円形状に切り取られており、風がカーテンをなびかせている。


 ラミッタもその光景を見て、一瞬あっけにとられたが、すぐに冷静に言う。


「宿敵!! 部屋に誰かいるかもしれないわ!!」


「あぁ!!」


 マルクエンは拳を構え、ラミッタは魔力で剣を作る。


 慎重に部屋の隅々まで見るが、人は見当たらない。


 代わりに一つ気付いた事があった。マルクエンはラミッタにそれを告げる。


「武器と防具が無くなっているな」


「えぇ、泥棒かしらね」


 騒ぎを聞きつけた宿屋のおかみと主人が走ってやって来た。


「どうなさいました!?」


 マルクエンは神妙な顔でおかみと主人に言う。


「どうやら、泥棒のようです。武器と防具が無くなっています」


 それを聞いたおかみは口に手を当てて目を丸くし、主人は膝から崩れ落ちた。


「な、なんてことだ……。泥棒が、よりによって勇者様の物を……」


 主人はそのまま額を床に付けて謝る。


「申し訳ございません!! 勇者様!!!」


 マルクエンは慌てて主人の肩に手を置いて言った。


「頭を上げてください」


「で、ですが……」


「大丈夫です。ともかく、ご主人は治安維持部隊に連絡を。ラミッタ、空を飛んで怪しい奴が居ないか見てくれ」


「わかったわ!」


 ラミッタは外に飛び出て上空から怪しい人影を探す。

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