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別の形で会い直した宿敵が結婚を迫って来たんだが  作者: まっど↑きみはる
試練の塔
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VS偽ラミッタ

「まずどっちを狙う!?」


「偽物の私を狙うわ!!」


「分かった!!」


 マルクエンは偽ラミッタに駆け寄り剣を振り下ろした。


「甘いわね!!!」


 偽ラミッタは魔法の防御壁を張ってそれを受け止める。


「はああああ!!!」


 マルクエンは力を込めて無理やり防御壁を割ろうとした。そこに駆け寄ったのは偽マルクエンだ。


「させるか!!」


 偽物の剣を躱すためにマルクエンは防御壁から離れる。


「大丈夫かラミッタ?」


「えぇ、平気よ」


 そう言って偽ラミッタの肩を抱き寄せる偽マルクエン。イチャつく偽物達にラミッタはそれはそれはもう怒り心頭だった。


「やめろって言ってんのよ!!!」


 特大の雷を撃ち下ろすラミッタ。しかし、向こうのラミッタも優秀でそれは見事に防がれる。


 煙の中から偽マルクエンが走り、本物へ斬りかかった。


 その最中、偽物は語りかける。


「お前はまたラミッタを手に掛けるつもりか?」


「!!」


 マルクエンは一瞬で冷水を浴びせられた気分になった。


 そして生まれた心の隙を突くように剣が振り下ろされる。


 しまったと思うと同時に左腕に痛みが走った。深くはないが傷を負ってしまったのだ。


「宿敵!!」


 ラミッタが駆け寄るとマルクエンは苦い顔をしていた。


「私は……」


「しっかりしなさい!! 宿敵!!」


 ラミッタに言われ我に返る。


「お前たちは私達に勝てない」


 偽マルクエンが偽ラミッタを抱き寄せながら言う。


「何故ならば、お前たちには愛のパワーが足りないからだ!!!」


「あーもーいやー!! 何言ってんのよアイツ等!!!」


 そんな事を言いつつも、マルクエンの傷を確認する。


「よかった。深手じゃないみたいね」


「心配してくれるのか? ラミッタ」


 マルクエンに言われ、そっぽを向くラミッタ。


「別にっ!! っていうかアンタまで何言ってんのよ!!!」


 ラミッタは感情がぐるぐるして忙しいみたいだ。だが、落ち着き払ってからボソッと言った。


「それと!! 私はアンタと戦えて良かったと思っているし、悔いは無かったわ」


「ラミッタ!! お前、聞いていたのか……」


「さぁ、やるわよ!!」


 剣先を偽物達に向けてラミッタが言う。マルクエンも自分を奮い立たせて剣を構えた。


「おう!!!」


 その瞬間、マルクエンを青い光が包んだ。


「宿敵、アンタまたそれ……」


「なっ、体が光っている!?」


 どういう事か分からないが、体に力が(みなぎ)るのを感じる。


「大丈夫なのそれ!?」


「何か分からんが、力が溢れてくる!!」


「そう、それじゃ大丈夫ってことね!!」


 二人は見つめ合い、ニヤリと笑った後に走り出し、偽ラミッタに斬りかかった。

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