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2日目の気づきと不安

[とある解剖室]


「この少年が唯一の2-3組の発見者ですか」

「ああ、そうだ」

「ですが見つかった時にはもうこの有様だと...」


解剖用のベットに寝かされている少年の遺体。

この遺体には様々な謎が隠されているようで実際解剖で分かったことは..


「一体..この少年の()()()はどこに消えたんでしょうね...」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


[田中 健斗]


『はぁ、はぁ、はぁ、』

今は2日目の訓練中。

いや、訓練がこんなにも地獄をだとは思っていなかった。

もう腕が上がらないと思った数秒後に聖騎士長の号令で数分間の休憩時間に入っていた。

何でも「ステータスが高くてもみんな基礎ができていないだろうから」と言いながら剣術や格闘術の基礎を学ばされているのだが。


(毎日、打ち込み200回は違うだろ..)


肩で息をしながら地面に座り込み、心の中で愚痴る。

ジョブやスキルのおかげで正確に拳を突き出すのは感覚で分かったが、聖騎士長が目の前にサンドバックに似ている何かを格闘スキルを持っている者に用意し、「これに200回拳打ち込んでね」と...

剣術スキルを持っている者には「200回素振り」と言っていた。

他のジョブやスキルを持っている者には様々な道具を渡しそれを使った訓練をしていた。

魔法を使うジョブは簡単でいいなと思ってみていたが漫画や小説のように詠唱だけで発動するわけではなく集中力を少しでも切らすと発動が止まる。

現に今、この城で働いている魔法使いに「雑念を捨てて魔法と向き合え」と熱いことを言っている先生が勇者達を見ている。

短剣術スキル持ちは、短剣を握りながら反復横跳びを永遠とやらされていた。

この訓練には基礎だけでなく必要なステータスを上げるという理由もあり、「全力でしていなかった者にはプラスで訓練してもらいますからね」とイケメンスマイルを聖騎士長が訓練前に向けてきた。


「じゃあ今日の訓練は終わりにしましょうか。まだ訓練2日目ですからね。身体を壊されても困りますし。みんなしっかり風呂上りにストレッチしておきなさい」という声で訓練は終わり、全員がお風呂に向かう。俺も昨日のように天音と一緒に入ろうと思い天音を探すが、天音の姿は見当たらなかった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

[天音 優]


【クリーン】


汗だくで汚れていた天音は瞬く間に綺麗になっていた。

この魔法は昨日のお風呂上りに城の中にある書庫の中にあった生活魔法の本を読み覚えたものだ。

ちなみにこれを使うには青魔法と風魔法が必要となっていた。

「この魔法ほんと便利だなぁ~」と【クリーン】を服にもかけていく。

MPの減りも少なく今は書庫に入り浸るためにお風呂に入っている時間は無いと考えている天音にピッタリの魔法だった。


(しかしまぁ...異世界で使う初魔法が【クリーン】とは..)

書庫にある書物を読みながら心の中で独り言を呟き苦笑いしていた。


書物をある程度読み漁り得た情報は好きなお風呂を我慢してよかったと言っていい程のものだった。

まず、スキルについて。

この世界のスキルは鍛錬や実践の中で使用することでレベルが上がり、レベルがMaxになると派生スキルが生まれるという。書物によるとレベルMaxは滅多に居ないそうだ。

そしてこれは嬉しくもあることなのだが、魔物を倒すと低確率で魔物が持っている特定のスキルがゲットできるという。

次は、魔法について。

魔法を覚えるには二種類の方法がある。

独学で編み出すか、誰か又は自分で勉強をして覚えるといった感じだった。

ちなみに僕が書物を見ながら【クリーン】を使った時、スキル欄に新たなスキルと【クリーン】が追加されていた。


・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━


スキル:言語理解lv1・短剣術lv,1・闇魔法lv,1・青魔法lv,1・風魔法lv,1・光魔法lv,1・アイテムboxlv,1・物理耐性lv,2・魔法耐性lv1・危機察知lv.2・偽装lv,3・混合魔法(NEW)クリーン(NEW)


・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━


このように魔法は一度発動すると覚えることができる。逆に知識やその魔法に対しての理解度はあるのに発動できない場合は、魔法レベルが足りていないかMPが足りていないらしい。

(いつかは大魔法をぶっ放してみたい)などと心の中でチラチラと覗いてくる厨二病の小天音を無視し、今は【魔法属性書】を読んでいる。

書物を漁れば漁るほど少しずつ不安が溜まっていく。

そして今日も10冊以上読み終え、ため息をつく。


「なんで闇魔法に関しての文献がないんだろう...」


適正者が少なく文献が少ししかないならわかるが、この城の中には闇魔法に関する文献は一文すらなかったのだ。何か嫌な感じがしつつも闇魔法に関しては引き続き隠しておこうと心の中で決める。

そうして少し仮眠を取るために部屋に戻る。

ベッドの中に入り

(夕食の時間になれば田中君が起こしに来てくれるだろう...)

と思っていながら訓練の疲れを取るために眠りに落ちる。








「やm...やめ...てお母さ...」


(何だろう....目の前にいる女性と子供は誰だろう。分からないけど、どこか見覚えがある)


暗闇の中で映画を見ている感覚だった。

ノイズが酷く声も途切れ途切れ。

ただわかることは子供が床でうずくまっていて親と思われる女性がその子に暴力をふるっている様子だった。

(夢にしても趣味の悪い夢を見るなぁ~僕)と思い早く夢から覚めてくれと思う反面。


(なんで、だろう。なんで、こんなに目が離せないんだろう..)


そんなことを思っていると体を揺らされているような感覚に陥り、目の前の映像が遠のいていく。



「天音!! 夕飯食べに行くぞ!!」


鼓膜が破れたんじゃないだろうか。

そう思えるほど近くで言われた。

「ありがとう」をいう気にはなれないが一瞬で目を覚ますことができた。


「......田中君。 起こすならもう少し優しく「これが一番早く起きれるだろ?」...ソウデスネハイ」


諦めた。

今度から夕食前には起きれるようにしておこうと思った。

食堂?と呼んでいいのかは分からないが高そうな長机の上にはすでに豪華な料理が並べられており田中君と並べられている食事に舌鼓を打っていた。

クラスメイト達も訓練で失ったエネルギーを補充するためにどんどん口の中に放り込み笑みを溢していた。

僕は実験ついでに焼き立ての骨付き肉をアイテムboxに3本入れておく。

それを見て「食い意地張るなよ~追加で作ってもらえば?」と少し小馬鹿にしてきた田中君の言葉を無視して「ごちそうさまでした」と言い食堂を出る。

食事中に聖騎士長が「明日は少し大迷宮に行こう」と軽く説明をしていた。

大迷宮 = ダンジョン 的な場所なのだろう。大迷宮は各地に突然現れたらしい。

その大迷宮の中では魔物が一定時間経つと出現する仕組みで10階層ごとにフロアボスが存在しているとか。

レアな装備やアイテムを落とすらしく冒険者はその装備やアイテム、魔物の魔石を求めて大迷宮に潜っているという。

だけど、現在どの大迷宮も突破できた者はいないという。

明らかに下層だけモンスターの強さが違うとのこと。

この国の近くにあるアスタリア大迷宮は最高到達フロアが65階層。

ちなみに過去に来た勇者が最高到達者だ。

他の国の近くにある大迷宮も大体が60~70階層が最高到達フロア。

ちなみに全てこの城にある書庫で知り得た知識なので本当の事なのかは疑わしいところだ。

部屋に戻るとメイドさんが居た。

「ベッドのシーツを変えておりました」と言い「失礼します」と律儀にお辞儀して扉を閉めて外に出ていく。

部屋を見るとシーツだけではなく、部屋の掃除もしてくれたみたいだ。


(明日メイドさんにはしっかりありがとうって伝えないと)


そう思いながらベッドに入り眠りにつく。




          そして当日、大迷宮の中で事件は起こった。

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