プロローグ
「はぁ、はぁ、」
そこは校舎の裏手にある誰かの私有地である山の中・・
「はぁ、はぁ、な、んで、、」
わき腹を片手で押さえながら必死に山の中を走る。
「なん、で、僕がこんな目に、、っ!! っぐ....」
地面を見ずに走っていたせいで大きな石に躓く。軽くナイフを刺された脇腹からくる痛みで起き上がることができずにいると、刃渡り6cmの折り畳みナイフ持ったクラスメイトが後ろから現れる。
「、、す、須藤君、」
「逃げてんじゃねぇよ奴隷の分際で」
すぐに起き上がろうと体に力を入れるが、予想以上に血が出ていたのか起き上がることができない。
(くそっ!! こんな時はアドレナリンがドバドバ出て痛み感じずに動けるんじゃないのかよ!!)
悪態をつきながら必死に起き上がろうとしていると、後ろから足音を立てながら近付いてきた須藤が脇腹に容赦のない蹴りを入れる。
「うっぐぅ....」
わき腹を手で押さえてながら押し寄せてくる痛みと吐き気を我慢する。
(な、んで、ただ普通の生活をおくりたかっただけ、なのに、、)
(なに、もしていないのに、なんでこんなやつに、目を付けられるんだよ、)
近づいてくる足音。頭の中で警戒音が鳴っている。力が入らない体。震える指先。鼓膜が破れるんじゃないかと思えるほどに心音がうるさい。だんだん意識が薄れていくのを感じる中、近づいてくる足音と共にブツブツと小さく聞こえてくる声。
「お前が....お前が悪いんだ。お前が俺の、女に、手を、出そうとするから....!! そうだ....俺は悪くなんてない....!! お前がー!!!」
そうして倒れている僕に向かって須藤は背後から心臓めがけナイフを振り下ろした。意識が朦朧としていた僕がその攻撃を避けれるはずもなく背中に刺さりうるさかった警戒音が心音と共に鳴りやんだ。瞼が閉じる前に地面から光が爆ぜた気がしたが、もう、僕には関係ないこと....
そうして僕が知らない天井の下で目を覚ますのは
3日後だった。




