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七日七晩のシャボン玉

人生はただ歩き回る影法師、哀れな役者だ。

後ろにいても、気付かれない。


学校を休んでも、気付かれない。






「あれ?今日、喧花君、居たっけ?」






友達が、先に行っちゃう。


他の人は待ってるのに、私の時だけw






「風鵺ちゃんは、一体、何処行っちゃったのかな?」







良く出席点呼で抜かされる。


日直で黒板に書かれてる名前を見ても思い出して貰えない。






「菓子宮って…誰だっけ?」






不可思議で不愉快なあの青年達との出会いから、早7日が過ぎた頃…






「「…奇怪しい!!!」」




「そぅ?いつも通りだけど。」




「そりゃ、元から影が薄い摩耶たんからしたらね!」




「女子が、此の俺に気付かないだと!?口説きに口説いた其の放課後に『居たの?』って…!!」




「いっつも200人とメールしてたのに、今じゃ2人なんですけどッ!増減率で言うと、マイナス99%まで減ってるんですけどっ!!」




「「コレ、何てイジメ!!!??」」






喧花には本来、年齢問わずで163人の(自称)ガールフレンドと、211人の対立する敵(※全員男子)が居る。


風鵺には、本来、159人の同級生と、84人の先輩と、140人の後輩と、12人の先生と言う大規模な友好関係を気付き上げて居る。


双方共に、其の数は減る所か、増える一方で、驀進の一途を辿るばかりの地元ではかなり有名…いや、もはや名物とも言える2人だった。



しかし、其れが今の現状、どうだろう?


2人はまるで、摩耶の影の薄さが感染してしまったかの様に、皆から、忘れられがちに成ってしまって居た。



何故、急にこんな事になってしまったのか?


どう頭を捻って考えてみても、思い当たる節は、たった1つしか無い。


始めは気のせいかと思ったり、ほんの不自然さを感じ始めたのも、丁度、1週間前。


あの出来事が、あった日からだ。






「俺のカリスマ性的、魅力(チャーム)が取られたのか!?」




「ウチのコツコツ築き上げて来た努力がぁああああ!!!」




「……莫迦らしい。」






『此れは、危険だ!一大事だ!』と、思いつつも、御巫山戯(オフザケ)にしか取れない台詞を吐く2人。


しかし、本人達は至っては、割とマジで本気だが、摩耶は、冷たい一振りで、バッサリと切り捨てる。



しかし、原因が分かって居るなら、話は早い。


例え、確定要素がなくとも、確率が高いのなら、其れに賭ける価値は十二分にある。






「そう言えば…偽葬殿の何処で目を覚ましたんだっけ?」




「そりゃ、お前…あれ?何処だった?」




「ヌーーン???」




「喪花姉に聞いてみる?」




「そうだよ、姉たまが居たじゃん!第一発見者じゃん☆」




「よしっ………、逝くぞ!」




「喧花、漢字変換、間違ってる。」




「根深いよね、トラウマって。」






どうやら、過去に喧花と喪花の間に何か確執が合った模様。


勝者は勿論、お察しの通り、喪花だ。


そして、女好きの喧花が、珍しく苦手とするタイプの女である。





「其の点では、おめぇを尊敬してるよ…いや、本当にマジでさ。俺には無理!」




「ふふん♪ウチにしか、姉たまの姉妹は務まんないからね☆」




「…シスコン。」






兎に角、≪善は急げ≫だ。


直ぐ様、3人は、喪花の居る教室へと急いだ。



慌ただしい3人の足音が遠ざかり、其の人影は、放課後の薄暗い廊下の先へと、消えて行く。


騒ぐ3人を見て居た、放課後の教室に残って居た生徒達が、其れを見送る中、誰かが呟いた。






「ねぇ、あんな子達、居たっけ?」






ぱちっ、




ぱちり、




ぱちん。






とても鮮やかな鮮烈さと、あっと驚かす不可思議さを(トモナ)いつつ、ひょっこりと頻繁(ヒンパン)に現れる、忘れがたい存在。


其れが、忘れ去られ逝く夢の様に、泡沫(ホウマツ)の様に、シャボン玉の様に弾け、全て砕けて、跡形も無く、儚く散って往く。











And that's all…?

(それでおしまい…?)

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