天誅の柏手
腐女子度MAX
風鵺の爆弾発言投下後、男子一同には精神的な疲労が見え隠れして居た。
しかし、そんな事は風鵺には関係無い。
未だに妄想が止まらないのか、語り足りないらしく、手話で独白を繰り広げて居る。
何故、手話かと言うと、喧花に口を手で塞がれて、声がくぐもり、言葉を成せないからだ。
「おい摩耶、悪ィけど、コイツの手、抑えてくれ。」
「おー、いえす。」
しかし風鵺の往生際の悪さったら、他に例を見ない位に悪い。
口と手を封じられたと言うのに、まだ抗うらしい。
今度は足でモールス信号を出し、語り始めた。
憔悴した男子一同は、何処かで聞いた言葉が、脳裏を過ぎった…。
『女は怪獣の様なモノだ。』
「もぅ無理。生理的に限界突破しちゃった★」
「頃合い、か?」
「じゃぁ、先ずは…、」
パァンッ……
柏手を、一打ち。
どろどろどろどろ…ダダダン
部屋の上下左右から、あの黒い物体が一斉に強い雨の様な響きを伴って流れ込む。
人外以外が驚き、目を見張る。
「「「「!!?」」」」
パァンッ……
柏手を、もぅ、一打ち。
……オオオオオォォォオオオォォォ……
黒い物体が呻き泣き、膨張し始め、鈍く光り出す。
幽霊に成らない其の異様さと、波の水面に揺らめく陽光に似て居ると言うのに不気味な鈍さを発する光。
其れに対して、人間として備わって居る第六感と危険察知能力が全身全霊を持って、激しく警鐘を打ち鳴らす。
「やべぇ!!逃げろ!!!!!!」
「「「「何処へ!!??」」」」
志音が何時の間にか和太鼓を叩く時に使用する太鼓バチを両手に構えて居た。
「志音!!」
「nil、援護頼む!」
そうして、志音が忙しい足音を立てて、全速力で駆け出した。
「たった今、気付いた様だの。」
「クックック、遅過ぎっだっつーの!」
「クス。3人揃わないと、何も出来ない様な奴等に、元々、期待なんてして居ないし~。」
「ヘッ!もぅ終りかよ。案外、呆気なかったなぁ?」
「ア゛ァ゛?んだと此の…」
その声が耳に入り、視線を前へと戻し睨みながら反論しようとする喧花だが、その言葉は途中で遮られる。
「3人一緒じゃなきゃ、役に立たないってーんなら、3人揃って仲良く死ねって事だよ!」
パァンッ……
ドゴドゴドッゴーーーーン!!!!
と、同時だった。
太郎神(仮)が3回目の柏手が打ち鳴ったのと、黒い物体が一斉に、全て大爆発を起こしたのは…。
And that's all…?
(それでおしまい…?)




