椅子取りGAME
時間だョ!全員集合
黒の物体から幽霊へと変貌したモノ同様、急に部屋へと現れた人ならざる者だと証明する様に、3体の青年は完結的に述べた。
『極刑は御神体1体につき1人まで。』
『なので、6罪科ではなく、3罪科。』
『6人中3人だけが、極刑を受ける。』
『要はGAME。【デッド・オア・アライブ(生死問わず)】。しかも、君達の人生を懸けた【バトルロワイヤル】とも言える。』
まぁ、余計な会話(女子3人の茶々を入れたの)を多分に省くと…だからとっとと醜く争えと脅されたクチだ。
「だから、ウチ150歳まで生きるから無☆理っつってんじゃんね♪」
「他人に殺されるのは癪だな。」
「……自分なら良いの?」
「「「……は?」」」
「其れって、“自分で死ぬ”って事を言って居るのか?」
「相変わらず、突拍子も無い事を思い付くよな~。摩耶姫サマはw」
「そんな事、見た事、聞いた事、無いよね~ww」
「なら、主催者側を葬るってのは、どうだろう?」
ビュッ、ビュオッ
4人の後ろ、正確には風鵺と志音の後ろから、何かが横切った。
赤色と黒色っぽい、未確認飛行物体。其れが太郎神(仮)と三郎神(仮)の眉間を射抜く。
「「「「!?」」」」
後ろを振り向くと、何時の間にか、仙祥とnilが居た。
射抜かれた2体は、僅かに仰向き、後ろにグラリと傾ぎ、仰け反る。
其の侭、床へと倒れ込むと思われた…が、其れは途中でピタリと止まった。
数秒、其の侭の姿勢で停止した後、2体の体が魚の如くビクン!と跳ね、グイン!と倒れかけて居た上体が、持ち直す。
「俺等を殺って一件落着ってか?」
「残っ念っでしった★」
太郎神(仮)と三郎神(仮)の其々の眉間には、赤と黒の薔薇が咲き誇って居た。
其れを打ち抜き、握り潰し、笑顔を見せる2体に、其の場に居る“人間”は背筋を凍らせ、息を呑む。
「まっ、中々に良い案だっただがの。」
「ハッ、活きのいいこった。だが…」
ガッ、ダンッ!
「ーーッ…ツ」
三郎神(仮)が素早いスピードで仙祥の襟首を掴み勢いよく壁に押し付ける。
「喧嘩売る相手を間違えないでよ。」
「格が違う。」
「コノヤロー…其の手を放しやがれ!」
志音が仙祥を押さえ付けている三郎神(仮)へと駆ける。
いや、駆けると言うより、跳んだ。
ほんの1、2歩で間合いを詰めて来る志音に、気を取られる三郎神(仮)。
其の隙を狙って仙祥の片腕が素早く動く。
其れに気付いた三郎神(仮)が再度、視線を戻すと片方の頬へ衝撃を感じた。
「ぐ……ッ」
三郎神(仮)は痛みに浸る間も無く、横に大きく跳ぶ。
ブンッ
そうして距離を取り、飛び込んで来た志音の横蹴りを、避けた。
人外達と男子達の間に、ピリピリと張り詰めた緊張感が、漂う。
…が、
「BLキタ━━━━!!」
風鵺の発言で、其の空気が、がっかりする程に乾燥してボロボロと崩れ去って行く。
その場に居る風鵺以外の全員が、絶句した。
「志音たん×仙祥たん←三郎神(仮)!?いやん♡三角関係ッスか!!ムフフ♪」
「「「「……うえ!おえぇぇぇっ!!」」」」
hshs燥ぐ風鵺以外は、盛大に呻き、口と鼻を手で覆った。
ついでに、そんな風鵺に対して、一同は、強い目眩と頭痛も覚えた。
「馬鹿が大変、失礼しました。」
「ゴフッ!」
男性同士の同性愛者の三角関係の泥沼的、恋愛劇を、妄想し、暴走する風鵺。
そんな勘違いも甚だしい風鵺のみぞおちに、喧花が、強烈な肘鉄を、1発、喰らわせた。
「「「「全くなッッ!!!」」」」
本気でも冗談でも二度と言ってくれるな!と言う男達の気持ちが重なり、其の心情が息ピッタリの怒鳴り声へと変わり、部屋一体に響いた。
And that's all…?
(それでおしまい…?)




