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destiny  作者: 夜斗
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物話 後

なんども、なんども、なんども、なんども、なんども、なんども、ナンドモ、ナンドモ、ナンドモ、ナンドモ、ナンドモ、ナンドモ、ナンドモ、ナンドモ、ナンドモ、ナンドモナンドモナンドモナンドモナンドモナンドモナンドモナンドモナンドモナンドモナンドモナンドモナンドモナンドモナンドモナンドモナンドモナンドモナンドモナンドモナンドモナンドモナンドモナンドモナンドモナンドモナンドモナンドモナンドモナンドモナンドモナンドモナンドモナンドモナンドモナンドモナンドモナンドモナンドモナンドモナンドモナンドモナンドモナンドモナンドモナンドモナンドモナンドモナンドモ呪った。この世界を呪った。


俺が普通じゃないこと


クソ女のわけのわからない結果の果てに産まれたこと


妹にすら性の対象にされること


男どもには何もしてないのに恨まれたりする事


全てを憎んだ。呪った。そんな状態でも死ねなかった。


死にたいと、なんども思ったけど、死ねなかった。


そうして、世界に絶望をしていたら、ある日、割れた音が体の中からした。


自分を構成しているモノが壊れる音。


自分が自分じゃなくなる音。


その音とともに、目に小さな痛みが発生した。最初はなんだと思い水面を見ようと近づいた時、自分では耐えられない痛みが目から発生した。


その場でのたうち回り、石で体を傷つけ、血を出しながら、永遠にも思える時間が過ぎた。


痛みが治まった後、体の血を落とすため川で体を洗い、水面を見ると自分の目の色が変わり、紋章ができていた。赤目だった俺の目は、角膜の赤色はより色鮮やかな真紅に変わり、その回りを金が()になるように入り、瞳孔は光も喰らってしまうような深い黒に、その目の真ん中に(ともえ)のように3つに分かれた線が青く儚い光を放って浮かんでいた。


だけど、この目よりもさっきの割れた音が気になって仕方がなかった。


何か大切な物をなくしてしまったような、そんな事を考えているうちに睡魔が来て泥のように橋の下で寝た。


朝起きて、川で顔を洗う時に目を見ると昨日見た通り目の色が変わったままだった。


あれは夢じゃなかったと再確認していたら、お腹が鳴ったからご飯をもらいに街に出ることにした。


街についてぶらぶらして、目が合った人に近づいていき


「ご飯をくれませんか?その代わり痛いことをしないのであれば、何をしてもいいので!」


と自分でもビックリするぐらい笑顔で言えたのだ。なぜ、ビックリしているかというと笑顔もそうだが、この行為に対しての、嫌悪感がなかったから。


いつもなら死なないために、いつかする誰にするかわからない復讐のためにと、言い聞かせてしていたのに。


この時


「あぁ、そういうことなんだ」


と理解してしまった。


割れた音は、心が割れた音。


元の自分が消えた音、自分を構成していたものが消えた音だったんだなと。


だからあんなに殺したいほど憎いとさえ思っていた人間や、大切にしたいと思っていた人間への感情が消えていたんだなとわかった。


その後は、ご飯を食べ、体を好き勝手されてから


「またねー」


といいお姉さんと別れた。


その後元の橋の下に戻り、今の自分の現状を調べることにした。この体のことや、目のこと。


わかったことは少なかった。というのも、前まであった物が消えているというのが大きすぎて、人への憎しみとか、特に母親への憎しみがない事はないのだが、薄れている事が、理解できなかったが、まぁどうでもいいかと思う自分がいた。そんな自分にも驚いた。


体の事はとりあえず置いておいて、次は目の事を色々と試して見ようと試して見たが、何もできやしない。やり方を見つけるのにはなかなか時間がかかった。


それでわかったのは、目の前に映るものを、壊したいと思うと、その見ているものに、青い点が映る。


その青い点の場所を壊すと、そのもの自体が壊れた。こんな一部を壊しただけで、全てが壊れる魔法はないし、これがこの目の力なのかと決めることにして、その日は寝た。


次の日は、街に出てこの目を使って見た。 見た目人がいない建物を見つけ、中を探索していない事を再度確認してから能力を使い、青い点を壊すと建物は木っ端微塵になり、次は能力を植物に使い、青い点を刺すと、そこからその植物は色が変わり、最後には触ったら崩れる物になってしまった。


俺は最後に人に使おうと考えていた。


けれど、ただの一般人を使ってもいいのだが、騒がれては困るし、そうなると、選択肢は1つしかなかった。


街の裏、子供が決していっては行けないそんな場所に歩いていく。


案の定、馬鹿が3人組が釣れた。


「ボク〜こんな所に一人できたら行けないんだよ〜それじゃあこっちにこようか」


俺を金儲けの道具に使おうとでも考えているのか知らないが、こいつならいいだろうと思い、能力を使う、人によって青い点の場所が全然違う。


なるほど個人によって弱点も変わるのかと驚く、人間なら首・心臓・脳とかそこら辺を人間の弱点として、全て統一かと思ったが、これはいいな。


では早速試してみるか。無言を貫き、向かってくる1人に走り、突っ込む。馬鹿3人組の一人は


「おーよしよし偉いねぇ」


と自分から鴨が来てくれたと思っていて、全く警戒していない。ありがたいな。ここからは実験だ、まずは青い点で表示されてない、急所の部分を破壊した時と、どう違うのかを見て見ないとね。


俺を今押さえてくれてるやつの青い点は背中の右上の方なのだが、とりあえず心臓を刺さないと行けないんだが、道具がない。ナイフでもあればいいんだが、そんな物は当たり前だがない。道具として使えそうなのは、髪の毛を留めているヘアピンと硬貨くらいかな。


とりあえずヘアピン真っ直ぐに直す。一瞬で刺さないと逆に殺される可能性すらあるからタイミングは重要だ。だが立たれたら背の問題で、殺せなくなる。


俺は焦っていた。このままだと、俺は売られるだろう、まぁそれでもいいんだけど、やっぱり、父さんだけには、あの人だけには迷惑をかけたくないと思い、行動した。


まぁ結局は何も考えず、ヘアピンを手で持ち、心臓に向かって刺した。


だが、こんなことで殺せるわけがない事はわかっている。手で思いっきり押したら、少しヘアピンが俺の手に刺さるが、痛みを無視して押し込み続ける。中々刺さらなくなってきたから硬貨を手のひらに乗せヘアピンを押す。この作業を瞬時に行った。殺せたかはわからないけど、後ろの二人組はまだ何が起こったかわかってないはずだ。


乗っている奴から離れて周りを見渡す。見渡していると、ガラス瓶が落ちていたから、拾い割り、破片を握る。心臓にヘアピンが刺さってそれを泣きながら、抜こうとしてる奴に近づき、ガラスで首を裂き、心臓に刺す。


子供だからといって、舐めるからそんなことになるんだと笑いながら、切り替える。


笑ってられるほど甘くない。まずは相手の出方を見ないとな。


俺は死体からガラスを抜き、血を跳ね飛ばし、立ち上がる。


それを見た後ろの二人組の内の一人が、「は?」といい「なんだよこれ...嘘だろ?ありえねぇだろ...」と言ったが、この現実を再認識すると


「お前は簡単には殺さねぇ、泣いて叫んで許しを請うたとしても、狂っても、ゆっくり時間をかけて、殺してやる。覚えてろ。」


と赫怒しながら言い放った。


さて次だ。二対一で、俺は目の力があるけれど、ただの子供だ。どうするかと考えた時、相手に変化があった。


赫怒していた奴が、後ろに引き、もう一人の奴が、前に出て、後ろの奴が、何かを始めた。


そいつを様子見していたら、突然足がなくなった。否、あるのだが、足が燃え感覚がなかった。そう視認した途端ありえない痛みが足から身体中を駆け巡った。


痛みを堪えていると「お前は簡単には殺さねぇって言っただろ。まずは足からだ」と言ってきた。


ここで、俺はやってはいけないミスをしたと悔やんだ。まさかこんな所に魔法使いがいるなんて、普通はありえないだろと、笑ってしまった。


だが、楽に殺さないという事は少なからずこっちにもできる事はあるだろうと考えさっきの炎で少し溶けたガラスをさらに割り鋭くする。


そうして俺は地べたに這い蹲り魔法使いが来るのを待つ事にした、俺の目の力はバレるわけがないしあいつの弱点の位置は常に出ている。


後は俺が気を失わなければ勝てる勝負だ。そう考えていると案の定、奴は来てくれた。


もう一人の方はなぜか、警戒も全くせず、その場にいて何かをしていた。この魔法使いだけが、こっちにきた。なぜだかわからないが、好都合だ。


魔法使いは俺の事を蹴り、炎を放ち、言っていた通り、痛めつけてくれた。だが、顔には傷をつけず、まだ売る気でいたんだなと笑ってしまった。


それに気づいたのか魔法使いは俺の髪の毛を掴み


「なんだお前?何笑ってんだ?気持ち悪りぃな」


と顔を近づけ笑いながら言ってきた。俺はこれはチャンスだと思い残る力の全てを使い、やつの弱点である首の青い点にガラスを刺した。


すると、俺の髪を掴んでいた奴の手は、力を失い地に落ち、目からは光が消えた。


俺は魔法使いをどかし、そいつの心臓に耳を当てた。


案の定、魔法使いは死んでいた。死にかけながらも、この能力の事がわかって良かったと思い笑う。


こんな状態で笑う俺も壊れてるなと思うと余計に可笑しかった。


そうしていると、チンピラの最後の人間が近づいてきた。そいつは俺に近づき、いきなり俺の両腕を折った。唐突な激しい痛みに声を上げる。まさかいきなり腕を折られるとは思ってもいなかった。


そいつはニヤニヤと笑いながら近づき、俺に言った


「ありがとよ、クソガキ。あの二人も中々いい仲間(笑)だったが、まぁいい加減ウザかったんでな。魔法も使えるし、どうしようと思ってたんだが、いやいい拾い物をしたもんだぜ、勝手に殺しあってくれるし、残ったのはお前だしなぁ?」


と、声高らかに笑っていた。それを見た俺は、あぁやっぱりこいつも、クズだったなと思った。


その後は気を失ってはいけない、こいつを殺るまでは、と自分に言い聞かせたが、体は思った以上に死にかけていたらしく、意識を保たなくては、と思い力を入れたが入れる力はなく、次第に意識が消えていき、俺はそのまま暗闇に呑まれた...

















体の痛みで意識が戻ると、なぜが父さんが血泥まみれになりながら俺を抱きしめていた。それも気になったがそれよりも、どのくらい時間が経ったのかのわからないし、なぜ俺が牢屋に入れるなり、拘束するなりと、されていないのも謎だった。


「父さん、痛いよ」


と笑いながらいうと、


「優!良かった、意識はあるんだな、あぁ本当に良かった...」


と父さんは今にも泣きそうな表情でそう言った。

その後父さんが落ち着くまで待ち、なぜいるのかと言う事だけとりあえず聴いた。


「心配だったからに決まっているだろう?お前何日も帰ってこないで、本当に心配だったんだ。最近はもう仕事を休んで一日中探し回ったりしてて、疲れてしまったよ」


と笑って、そう言った。


その後さっきまでの事を思い出し、あの俺を売ろうとしてたやつはどうなったのかと、父さんに聴く。


「父さん、俺と一緒いた俺を売ろうとしてた人はどこに行ったの?もしかしてまた前みたいに、迷惑かけたよね、ごめんなさい」


と言うと、父さんは、


「あぁ、あの人な俺がこの子の親だって言ったら腰を抜かして帰って行ったぞ」


と笑顔を浮かべていた。

俺は、父さんの表情で、嘘だとわかったけど、何も言わなかった。いや、聴けなかった。


その後は父さんに運ばれて病院に行くまで、色々な話をした。


「お前が家に帰ってこなくなった後のご飯の時間は、葬式みたいだったぞ」


と言った後


「そういえば、母さんの慌てっぷりは凄かったぞ〜また誘拐されて、売られそうになってるんじゃと言って色々と電話してたな。まぁ俺が一番最初に見つけたんだがな」


と笑って言った。


病院に着くと母親がいて、顔面蒼白になっていた。

あれは面白かった。


まぁ俺の腕と足を見ればそうなるのは仕方ないが、その後は、なんで生きているのか不思議だとか言われたりすぐに手術をするからと、麻酔で眠らされた。


目が覚めると、病院のベットの上で、体の怪我は全て治っていた。まぁこれを見るに、治療魔法師にお願いしたんだろうと思う。


治療魔法師は怪我をほぼ完全に治してくれるが、治療費がとんでもない。俺の治療費は多分俺が数年稼いだお金が、全て飛ぶぐらいかかっていてもおかしくない。


まぁそれでも収穫はあった。目の力は大体わかったし、仕方ないまた稼がないとな。と思っていた。


そんなクソみたいな昔話。


そういえば妹の無視だが、俺に関わらないで。という意味での無視だ。あの子はまだ俺の事を意識しているようだが、俺は申し訳ないが、家族としても、もう、愛してはいない。まぁそんな事はあの子には言わないが。


そんな事を考えてるうちにそろそろ学園が近づいてきたな。


めんどくさい事が起こらないといいんだが、まぁ間違いなく無理だろうな。はぁ帰りたい。

見ていただきありがとうございます。

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