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私の愛した先生  作者: 雛田あざみ
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恥ずかしい想い

 思えば、それがきっかけだった。オジセンとか、ファザコンとか言われても仕方ない。だけど、それから私は先生に会うたびに頬が赤くなっていた。恥ずかしかった。もっと堂々とこの人の前に出たい。そう思った私はまず、より一層地学には力を入れて勉強した。担任には目標を聞かれたらもごもご言ってごまかしていたが、テスト後の二者面談において理科の先生になるときっぱりと宣言し、絶対放課後授業が終わると残って勉強した。担任は少し私の様子に驚いたようだが、そうか小田が夢を見つけてやる気になっているのはいいことだと満足していた。時々担当教科である英語のプリントを余ったら分けてくれた。帰宅部である私は、授業が終われば本当はすぐに帰らなければならない。それだと須藤先生に会えない。勉強しているのは半分本当で、半分口実だった。それに、地学の質問があれば先生に質問できる。話ができる。大好きな教科を教えてくれる先生は、いつもより顔もシュッとしてかっこよく見えた。でも、質問はうれしい時間でもあるし、もやっとする時間でもあった。

 先生のペンを持つ手には、結婚指輪が光っていた。

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