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夏のおわりに
(1)
夏の空は、どこまでも青く澄み渡ってまぶしいから、私を落ち込ませる。
長い面接がやっと終わって建物から出たら、ため息が漏れておなかがきゅうっと鳴った。夏の苦しくなるような暑さから近くのコンビニに小走りで避難する。
「いらっしゃいませー」
おそらく大学生のアルバイトがあいさつをしてきた。クーラーの風がぶわっと襲って、汗が急速に冷えていく。
ペットボトル入りの紅茶とサンドイッチを買った。飲食スペースの椅子に腰かける。包装をぺりぺり音をたてながら外していると、さっきの採用面接のことが思い出された。ちゃんとできたかな。今度こそはと入念に準備はしてきたけれど、終わって休んでいると不安な気持ちが煙のように出てくる。
ただ、切り替えなければならない。新学期から新しい学校に移るのだ。スマートフォンをカバンから取り出して、画面を見つめる。県立穂北高等学校。わたしの母校だ。