初恋はパピコの味~旅行編~
丸嵜ゆうや
月華と付き合っている。
今は大学に通っているとか、居ないとか?
やはり、どこでもいじられキャラらしい。
貴都瑠璃
新と付き合っている。
高校3年。
演劇部部長。
新しい部員には優しいお姉さんと慕われているらしい。
五月雨月華
ゆうやと付き合っている。
千夜の姉。
天然キャラ。
今は大学で夢を探している。
鳳黒依
新の妹。(旧姓:猫宮)
高校2年。
演劇部副部長。
今回のキーパーソンとなる。
鳳新
瑠璃と付き合っている。
黒依の兄。
今は、大学に通いつつ、劇団に所属している噂がある。
五月雨千夜
月華の弟。
高校3年。
空手部部長。めちゃくちゃ強いらしい。
今回のキーパーソンとなる。
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千夜N『これは、3年が最後の大会を終え、守岡南高校を卒業した後のお話。』
新『黒依ー、起きろー!』
黒依『んー…』
新『ったく、2年になって後輩も出来たっつーのに、だらしねぇなぁ…』
黒依『んー…ふぁあ …おはよ、新兄』
新『ったく、今日から5人で旅行だろー?
さっさと準備しろよ、皆来ちゃうだろ 』
黒依『分かったー。』
間。
黒依『準備出来たー。この格好おかしくないかな?』
新『んー?おかしくねぇんじゃね?』
黒依『んもぅ!その反応、瑠璃さんにはしないでよね!』
新『ばっ、分かってるし。』
黒依『どーだか。せっかく付き合ったのに素っ気なくして、瑠璃さんに嫌われないようにねー。』
新N『そう、あの日、俺は…』
間。
黒依『私を甘くみないでくださいよ。で?告白、しないんですか?』
瑠璃『で、出来ないよっ。だって、新さんに酷い事言っちゃったし』
黒依『でも、新兄はそのつもりみたいですよ?ほら 。
じゃ、頑張ってくださいね、瑠璃先輩。』
新N『黒依と瑠璃が話していた内容は分からなかった。
けれど、黒依は微笑んでいた。
そして、俺の隣を横切る際、俺にこう言ってきた』
黒依『瑠璃先輩を幸せにしてよね、お兄ちゃん。』
新N『幸せにって…当たり前だろって思いながら、俺は瑠璃に近づいた。
瑠璃は俺の顔をみて戸惑っている。その顔はほんのりとあかかった。』
瑠璃『新さん…』
新『えっと…さ…』
新N『なんて言えばいいか分からなかった。どう好きと伝えればいいのか…思いつかなかった。』
瑠璃『ど、どうしたんですか?こんな所で。
あ!も、もしかして、好きな人と会う約束でもしてました!?
ご、ごめんなさいっ!今、帰りますからっ!』
新『待ってっ。』
新N『走って横を通り過ぎようとした瑠璃の腕を俺は掴んだ。
……なんて言おうか迷ってたわりに、身体は素直で、この気持ちをすぐに伝えなきゃと思ったら口が勝手に動いた』
新『この前言ってた好きなやつ!あれ、瑠璃の事だから!!
俺、瑠璃の事、2年の頃から好きだったから!』
瑠璃『それ…本当ですか?』
新『あぁっ。…ずっと、ずっと言えなかった。
でも、もう隠さない。瑠璃が好きだ。』
瑠璃『私も…好きです。』
新N『こうして、俺と瑠璃は付き合う事になったんだ。』
間。
新『ってか!ほら、時間っ!!』
黒依『ほんとだ!じゃ、集合場所にレッツゴー!』
新『おー。』
間。
黒依『お待たせしましたー!』
ゆうや『おっせーぞ、あらっち。黒依』
新『黒依が中々起きねぇんだもん。』
黒依『だって、楽しみすぎて寝れなかったんだもん…』
ゆうや『まぁ、いいじゃねぇか。んで、あとは月華だけか』
瑠璃『あ、来たみたいですよ。』
月華『ごっめーん!遅れたぁ!』
ゆうや『おぅ、おはよう。月華』
月華『おっはよー!』
黒依『あれ?月華さん、隣の人は?』
瑠璃『あれ!?千夜君!!?なんで、此処に?』
月華『あれ?知り合い?』
瑠璃『同じクラス…』
千夜『姉さん…まさかとは思うけど…』
月華『言うの忘れてた(๑>•̀๑)テヘペロ』
新『月華は相変わらず、天然か…』
黒依『え、えっと?』
千夜『あ、初めまして。五月雨千夜と言います。
瑠璃さんの同じクラスで、隣に居る五月雨月華の弟です。
…部活は空手やってます。』
黒依『あ、初めましてっ。鳳黒依って言います。
鳳新の妹で、2年生です。部活は、えと、演劇部副部長やってます!』
千夜『っていうか、俺が演劇部の旅行に参加していいんですか?
姉さんから来いって言われて半ば無理やり連れてこられたんですけど…』
ゆうや『月華…何やってんだよ。』
月華『ほら、男女比、中途半端だったから?』
新『ま、いいんじゃね?
てかさ、旅行っていうけど、どこ行くん?』
ゆうや『ん?あー、俺の大学に光って奴がいてさ、若旦那やってんだよね。
そいつが、夏休みに地元で祭りあるから来ないかって。
旅館に半額で泊めてくれるっつーから。』
新『ゆうやに…そんな友達が居たなんて…』
ゆうや『あん?』
新『いや、だって、お前…いつもパピコばっか食ってるから、てっきり友達居ないのかと』
ゆうや『うっせーな。俺だって友達いるわ。』
新『wwwwww』
月華『ま、皆、都合があったんだから、折角だし近況報告もかけて遊びに行こうってゆーやと2人で話したんだ。』
黒依『夏祭り!!金魚すくいとか出来るかな!?かき氷とか、冷やしきゅうりとか!唐揚げとか!!』
新『黒依、落ち着け。』
黒依『はーい…(・ε・` )』
千夜『可愛い(ボソッ)』
ゆうや『好きな事なんでも出来るよww』
月華『さてと、そろそろ新幹線の時間が来るから行こっか。』
千夜N『こうして、俺らの旅行は始まった。』
間。
ゆうや『到着っと。』
千夜N『出発して数時間が経ち、俺らはゆうやくんの友達が経営する旅館に着いた』
新『ほら、黒依。着いたぞー』
黒依『んー…まだぁ……』
新『ったく…どんだけ寝てるんだよ。
ごめんな?千夜君。重くないか?』
千夜『全然大丈夫ですよw
むしろ、軽いっすね。』
黒依『んへへ…みんなで旅行……』
ゆうや『どんだけ楽しみにしてたんだw』
新『楽しみすぎて寝れない!って暴れて、俺がもう知らねって布団入ったら、やだっつって布団入ってきて寝た。』
ゆうや『あらっち、お疲れ様。』
月華『あれ?千夜、どうしたの?顔赤いけど?』
千夜『べ、別になんでもないしっ!』
千夜N『寝ている黒依ちゃんはとても可愛かった。
穏やかな風になびく髪からはとてもいい匂いがした。
…背中には、黒依ちゃんの胸が当たっていて、
俺の心臓はドキドキしていて、
どうかこの高鳴りが他の誰にもバレないで欲しいと思った。』
間。
千夜N『旅館に着いて、それぞれ部屋に別れた後、ゆうやくん、新さん、俺の3人は男子会を始めた。』
ゆうや『さて、あらっち。
最近、瑠璃とどーよ。』
新『いきなりだなww
まぁ、平日は学校とかで忙しいけど、休日で会える日は会ってるかな?
そういうゆうやはどうなん?』
ゆうや『大学内公認のカップルよ。
熟年夫婦かってツッコミが耐えないわー。』
新『流石ww』
ゆうや『で、千夜君は?
好きな子とか居ないの?』
千夜『……居ますけど。』
新『え、だれだれ?(・∀・)ニヤニヤ』
千夜『…黒依ちゃんです…///』
ゆうや・新『ひゅー♪』
新『マジで?何処が好きなん??』
千夜『去年、姉さんの高校最後の劇を見に行った時に、彼女の演技上手いなって思って…劇中の表情の一つ一つに目がいってしまいまして…』
ゆうや『んで、俺に聞いてきたんだもんなっ。
名前とか好きな物とかwww』
千夜『っ…///
そ、そうだ!温泉入りに行きません!?お祭りまで時間ありますしっ!』
新『(話逸らしたなww)いいね、行こうかっ。』
間。
ゆうや『おー、やっぱ、風呂でっけーっ。』
千夜『気持ちよさそうですよね』
黒依『うわぁっ!月華さん、めっちゃスタイルいいですね!!』
月華『ち、ちょっと、黒依ちゃんっ。声大きいって…///』
瑠璃『そういう黒依ちゃんは胸が大きいねっw』
黒依『る、瑠璃さん!?ちょ、どこ触ってるんですかっ…///』
新『何やってんだwあいつらww』
ゆうや『千夜君、顔赤いよw大丈夫?』
千夜『は、はいっ』
月華『そういえば、黒依ちゃんって好きな子いないのー?』
黒依『急にどうしたんですか!?』
月華『いやね?あれから1年経ってさー、どうなったかなーって気になったの』
黒依『い、居ますけど』
月華『え!本当に?だれだれ!』
黒依『えっとですね』
千夜『っ!』
千夜N『俺は急いで頭からシャワーを浴びた。
好きな人が居る。それだけで、振られた気分になった。
だって、俺と黒依ちゃんは初対面だから。
だから、黒依ちゃんが俺を好きになるなんて有り得ないから………』
間。
千夜N『お風呂から出て、俺らは時間もいい頃合だからと、祭りに行く事にした。
男女で支度時間に差があるだろうと言う事でロビーで待ち合わせしようと言うことになった。』
黒依『お待たせしましたっ!』
千夜N『ロビーで待っていると、カラコロと下駄の音をさせて黒依ちゃん達が来た。
皆、浴衣を来ているんだけど……』
ゆうや『月華……お前、その格好さ、俺の事誘ってんの?
胸見えてエロいよ?』
月華『ゆ…ゆーやの変態!(ビンタ)』
ゆうや『ごふっ( ゜ཫ ゜)』
新『ざまぁwww』
瑠璃『今のはゆやさんが悪いですねww』
新『そういう瑠璃も、その格好は俺の前だけにしてくれるかな?』
瑠璃『っ…///は、はい』
黒依『千夜先輩?どうしたんですか?
あ…もしかして、似合いませんか……?』
千夜N『黒依ちゃんが俺の顔を覗き込んで心配する。
似合ってるんだけど…覗き込んでくる事で胸の谷間がっ…
そう思うのをこらえて、俺は黒依ちゃんの胸元を整える』
黒依『せ、先輩?』
千夜『似合ってる。
けど、あまり胸元を開きすぎたら、変な男に捕まっちゃうからねっ。』
黒依『あ、はい…///』
ゆうや『さ、祭りに行くか。』
間。
千夜N『それから、俺らは夏祭りを満喫した。』
ゆうや『ちょっ、待って!黒依!!
お前、何俺がすくおうとする金魚だけ狙ってとるんだよ!!
月華に負けんだろ!!』
黒依『えー?ゆやさんが、私がとりたいのを狙ってくるんでしょー?』
新『つか、黒依、めっちゃできるんやな。今、何匹?』
黒依『10匹( *¯ ꒳¯*)✨』
新『マジかwwww』
間。
ゆうや『なんか…もぐもぐ…かき氷、全然…減らないんだけどぉぉ!?』
月華『ゆーや、このままだと負けちゃうよー?』
新『おっせーな、ゆうや。』
ゆうや『いや。めっちゃ食ったつもりなんだけど!?』
千夜『新さんww』
黒依『新兄………しれっと、ゆやさんの器に自分のよそってるしwww』
瑠璃『それにゆやさんが気付かないっていうwww』
間。
黒依『ねぇ!新兄!!あれ!あの猫のぬいぐるみ欲しい!!取って!!』
月華『ゆーや!私、あの狼のやつ!!取って欲しいなぁ。』
瑠璃『ゆやさん、あのお菓子の詰め合わせいいですね!』
新『黒依っ、袖掴んだら、狙うに狙えないだろ!』
ゆうや『月華も、瑠璃も、袖引っ張って邪魔してんだろ!
離せって!』
千夜『黒依ちゃん…』
黒依『ん?なんで……あ!猫!!』
千夜『なんか、取れたんで、良かったら…』
黒依『千夜先輩、ありがとうございます!
新兄!千夜先輩に取ってもらったー! 』
新『良かったな』
間。
月華『あ、ゆーやのたこ焼き、美味しそう!』
ゆうや『食うか?』
月華『うん!』
ゆうや『ほら、あーん』
月華『え、あ、あーん…あっつ!!』
ゆうや『www』
月華『ゆ、ゆーやのばかっ!!!(´;ω;`)』
間。
瑠璃『新さんのからあげ…美味しそうですね。
私も買おっかなー。』
新『瑠璃、あーん。』
瑠璃『えっ、だ、大丈夫ですよ?』
新『いいから、ほら』
瑠璃『あ、あーん。』
新『どう?』
瑠璃『もぐもぐ………美味しいです…///』
間。
千夜N『暫く、楽しんだら花火が上がった。
俺らは河原に移動し、花火を楽しんだ。』
ゆうや『綺麗だな。』
月華『そうだねー。』
ゆうや『また、来年も来たいな。』
月華『ゆ、ゆーや?』
ゆうや『ん?』
月華『(ちゅっ』
ゆうや『っ…///』
月華『大好きだよ…///』
ゆうや『俺も。』
間。
瑠璃『花火、綺麗ですね、新さん。』
新『おぅ。…あ、そうだ、瑠璃』
瑠璃『なんですか?』
新『さっき、スマートボールやってさ、これ貰ったんだけどいる?』
瑠璃『ストラップですか?』
新『俺と、お揃いなんだけど』
瑠璃『ありがとうございますっ。
とても嬉しいです。』
新『そっか、良かった。』
瑠璃『あ、あの、新さん』
新『なに?』
瑠璃『(キスしようとする)…んっ、な、なんで遮るんですかっ』
新『此処じゃなくて、二人っきりの時がいいな。』
瑠璃『っ…///』
新『瑠璃のその顔、独り占めしたいからさ。』
瑠璃『あ、新さんのばかっ』
間。
黒依『新兄達、幸せそうだなー。
ね?千夜先輩っ。』
千夜『そ、そうだね。』
千夜N『花火や、姉さん達を見る黒依ちゃんは学校で見る時よりもずっと色っぽくて、俺は目が離せなかった。
好きな人が居ても、俺は黒依ちゃんが好きなんだ…
この気持ちを伝えたいと思った。』
千夜『あ、あのさ、黒依ちゃん』
黒依『なんですか?』
千夜『俺…姉さんの最後の劇を見に行った時に、黒依ちゃんの演技をみてさ…その時から、ずっと…黒依ちゃんが好きなんだ。
俺と……俺と付き合ってくれないかな?』
千夜N『言えた。
黒依ちゃんの目を見て、しっかり好きだって伝えられた。
顔が熱くなる。…今、自分の顔は赤くなってるんだろうな…』
黒依『え、えっと…ごめんなさい。
花火と歓声で聞こえなくてっ。』
千夜『あ、そ、そっか。
花火、綺麗だねって言ったんだ!』
千夜N『咄嗟に嘘が口から出た。
それから、もう一度告白する気になれず、俺の心はモヤモヤしたまま、花火大会は過ぎていった。』
間。
ゆうや『さてと、花火大会も終わったし帰るか。』
新『そうだな!』
千夜N『楽しい時間はあっという間に過ぎていった。
皆が旅館に戻る後ろを1人でとぼとぼと歩いていた。
すると、前を歩いていた黒依ちゃんが、駆け寄ってきた。』
千夜『黒依ちゃん?』
黒依『先輩、私も好きですよ。(ちゅっ』
千夜『!?』
千夜N『突然の事で分からなかった。
けど、直ぐに、あの時の告白が聞こえていたんだと理解した。
…目の前にいる黒依ちゃんの顔はほんのり赤く染まっていた。』
千夜『聞こえてたんだ…』
黒依『はいっ。……恥ずかしくて、聞こえないふりしちゃいました…///』
千夜『…好きになってくれて、ありがと。
これから、よろしくね』
黒依『もちろんです!』
千夜N『こうして、俺は黒依ちゃんと付き合う事が出来た。
もちろん、旅館に戻って寝るまでずっと皆に冷やかされたのは言うまでもないけど。』