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真の名  作者: ら+の=くま
7/145

勉強会

7話目できました。お読みいただければ幸いです、どうぞ

「それじゃ、そろそろ真奈君に身につけてもらいたい科目について話を始めようか」

先生、切り替え早っ!流石普段から「時は金なり」と啓蒙してるだけのことはある。

真奈さんがこっちに居れる期間は今日から12日間。

その間、どういうタイムスケジュールで勉強会を勧めていくかは既に僕と先生の

間でかなりの部分まで作られている。

時間割(見た瞬間、真奈さんはいやそうな顔になった)と科目ごとに実施する

内容はおおまかに次のようになる。


 6:30 起床(ニャン若干早く)

 7:00 ランニング(全員強制)

 7:30 朝食と休憩

 8:30 魔法実技(担当:ニャン。基本どこでもできるので毎日)

 9:10 休憩

 9:20 魔法理論(担当:ニャン。座学。外出時は外出目的に沿った内容)

10:20 休憩

10:30 この星の風習や文化(担当:先生。座学。外出時は同上)

11:30 休憩 

12:00 昼食と休憩

13:00 星の抱える問題(担当:先生。座学。外出時は同上)

14:00 自由時間(街、飛んでいける範囲の観光など)

18:30 晩飯と風呂、休憩など(ニャン帰宅)

22:00 就寝


実技:既知の飛行を含む基本的な魔法の練習

理論:マナと魔法の関係や各マナの特性、相性など

風文:こちらで生活する上での一般的な礼儀やマナー、

   挨拶やお礼などを含む生活習慣、

   ここで暮らしている人々について、

   簡単な言葉。買い物程度は翻訳機なしでできるようになると望ましい

問題:長老会を悩ましている放置できないこの星の重大な危機

外出:風習、文化の延長になるが真奈さん滞在の最終5日分をかけて

   国内、国外(一番近い赤の国)を周遊する。

   遠方への移動は高速往復船での移動が基本だが、間に一泊だけ

   船上泊あり。

※上記は絶対的なものではなく、あくまで目安である。時に応じ

 その場その場の判断で臨機応変に対応のこと。


「ん〜、『かなりの部分までできてる』じゃなくて、全部できてるように見えるよ。(ぷく〜)

 夏休みの時間割なんて、小学生に戻っちゃったみたい。

 ふむふむ、午後はかなり自由なんだね。

 こうして見ると、『問題』だけ何かすごい重たいね、、、

 あと、この外出ってすごい魅力的♪船上泊とか超わくわくしちゃう☆(これは僕も激しく同意)

 あれ、でも今日もう11時くらいになるよ?大丈夫なの?」

「うん、真奈さんも昨晩着いたばかりだし、今日はこの時間割を見てもらうだけで自由に

 するつもりでいたんだ。最初から、ね。

 自由だからゆったり休んでてもいいし、外出てもいいし、どうしたい?」

「そうだね〜、せっかくだからちょっと周りを歩いてみたい。

 昨晩は真っ暗で何も見えなかったんだもん」

「先生、いいですか?お昼までには戻ってくるので」

「わかった。昼食の用意はしておこう。気をつけていってくるんだぞ。

 真奈君もニャンパネルラ君もお互い離れないようにな」

「はい」「はい」(はもった)

「では、行ってきますね」「あ、待って、行ってきま〜す」


「へぇ〜この周りってこんな風になってたんだね。古い世界の街並みともちょっと違うんだね」

さっそく、歩きながらきょろきょろしている。知らない街に来たら誰でもこうなっちゃうか。

ただ、任務上あまり真奈さんを街の人に会わせない方がいいんだよなぁ、、、あ、そっか!

「真奈さん、街並みならまず上から見ちゃおうよ」と有無を言わさず手をとって、一気に飛ぶ。

「え、きゃー、、、、うわぁ、すごいね、ニャン君、ね、ね、あの建物はなに?」

真奈さんが聞いてくる質問にひとつひとつ答えながら、街を紹介していく。

実際歩いてみないとわからないところもあるけど、まずは全体から見てもらった方が

いいかなって思ったんだ。

僕ら以外にも飛んで移動している人は大勢いるので、なるべく人の少ない方を中心に飛んで回る。

「うーん、やっぱり飛べるって、いいよね、最高♪私の世界も魔法使えたらいいのになぁ、、」

「試しては見たの?」

「うん、飛べなかった、、、

 もし誰かに見られたら大変だから人がいないところまで行って態々試したのに、、、」

「そうなんだ、そうすると、真奈さんの世界にはマナの木がないのかも知れないね。

 この星は今はどこに行っても大気にマナが充満してるけど、

 大気がマナで満ちてないと、魔法は使えないから。

 この辺は『問題』の授業で先生から聞くことになると思う」

「ふーん、『問題』かぁ、『今は』って言ったもんね、ニャン君。

 この星もマナなくなっちゃうの?」

「そうならないように昨日会った偉い人たちが一杯知恵を絞ってるんだ。

 そして、真奈さんは僕らのかすかな希望なんだ」

そう言うと、真奈さんはちょっと複雑な表情をして

「なんか、そういう扱いされてたの、感じてたけど、私にそんな大きなこと、できるのかな?」

「僕や先生がそのためにフォローするんだ。

 本当は僕も真奈さんと一緒にこの星でいっぱい遊びたいんだ。

 でも、外の世界の人を呼ぶなんてこの世界でも多分初めての試みだったんじゃないかと

 思うし、この『問題』があって、世界レベルで対処が必要だから真奈さんを呼ぶことができたのは

 嬉しくもあるんだ」

「そっか、そうだよね。世界が滅んじゃうなんて考えたこともなかったけど、

 それってすっごい大変なことで、ニャン君も先生も、

 世界中の偉い人たちと一緒に何とかしようとしてるんだよね。

 ごめんね、私、自分のことしか考えてなくって、その、すねてつらく当たったりして、、」

だんだん声が小さくなっていっていた。僕はことさら明るめの声で

「え、あれは僕が悪いんだよ、結果的にはだまして連れてくるようなことしちゃったんだもん」

「でも、私も悪かったから、ごめんなさい。悪いことしたら絶対あやまらなきゃだめだって

 お祖父ちゃんにいつも言われてるから!」

「うん、わかった。じゃぁ、この話はおあいこだね」

「うん、おあいこ」

「あ、いっけね、もう昼だ。先生、時間に厳しいから急がないと怖いぞ。いくよ」

「わかった、急ご」

二人で超スピードで戻ったが、間に合わなそうだったので庭に直接着地した。

「おやおや、うちの庭は出入り口ではないぞ?随分、仲良く過ごしたようだな?」

しまった、見つかった。しかも完全にスイッチを入れてしまったようだ。

「すみません、玄関から入り直します。行こう、真奈さん」

ひとまず庭から出ることで逃げてごまかした。玄関まで走って回る。

「お昼ご飯は『先生にとって』(あえてここを強調して)楽しい時間になりそうだよ、、、」

「え?なんの話?」

大丈夫、もうすぐ嫌でも思い知るよ、いじりモードの先生の底意地の悪さを、、、

最後までお読みいただきありがとうございます。またのお越しをお待ちしております。

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