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2 再びバトル勃発!

 節分の頃、仕事中に携帯電話が鳴った。杉山先生である。


 「森山さん。ようやく山越弁護士からFAXで連絡がありました。ちょっと事務所に来れますか?」


 数日後の夕方、私は杉山先生の事務所の扉をくぐった。杉山先生は、心なしかご機嫌斜めである。


 山越弁護士からの連絡は、ライフライン・自動車についてはすでに名義変更手続きを終えていること。自宅に置いたままになっていた私の荷物については、親父に全て引き上げてもらったこと…ここまではとりあえず問題はない。ところが…


 子どもたちとの面会については、当面中止にしたいこと。


 私が住民票異動を遅らせたことで、児童手当、児童扶養手当、ひとり親医療、就学援助の適用が遅れ、損害が出たこと。ついては、それを補償されたいこと。


 2月に私に支払われる予定の、2012年10月から12月までの児童手当を恭子に渡してほしいこと。


 以上が記されていたとのことである。


 私は呆れてものが言えなかった。ようやく連絡してきたかと思えばこの有様である。結局、住民票異動の遅れに伴う損害については、一切補償する意思はないこと。児童手当についても、一切支払う意思はないことを、杉山先生を通じで山越弁護士に伝えてもらった。


 そして、子どもたちとの面会交流については、杉山先生の助言で、家庭裁判所の履行勧告制度を活用。自分で申出書を作り、大阪家庭裁判所に提出した。


 3月。恭子は家庭裁判所の調査官に呼び出され、調停調書に基づいた面会交流を速やかに行うよう申し渡されたようである。その月から早速、子どもたちとの面会交流がスタートした。これは、4年以上経った今でも継続している。私と子どもたちの絆は柔ではなかった。離れていても、気持ちはつながっている。こういう親子の形もある。


 やれやれ…ようやく「戦後処理」も終わりに近付いてきた。

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