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1 離婚が成立したものの…

 2013年12月…約7ヶ月に渡った離婚調停の末、前妻・恭子との離婚が成立した。離婚は成立したものの、諸々の事務的な手続きは山積みである。手続き自体は当事者が行う必要があるが、進捗状況の確認等、恭子側との連絡調整は、引き続き杉山先生にお願いすることにした。なお、恭子も山越弁護士に事後処理を依頼するとのこと。


 通常、調停による離婚の場合、申立人が調停調書を市・区役所に持参し、調停が成立したことを報告すれば手続きが終わる。しかし今回、恭子側が体裁にこだわり、「協議離婚」を強く希望したため、最終の調停期日で、調停委員会立会いの上で離婚届を作成、相手方である恭子が区役所に離婚届を提出することになった。おそらく、山越弁護士の入れ知恵で、離婚届不受理の申立てでもしているのだろう。そうでもなければ、自分で区役所に行くなど言うはずがない。


 離婚調停が終わって1週間ほど経った頃、区役所から、離婚届が提出された旨の文書が私の元に届いた。ここからようやく、諸々の事務手続きに着手できる。


 まずは自身で区役所に出向き、戸籍謄本を請求。その上で、職場の総務担当に話をし、扶養手当、児童手当を外す手続きをする。扶養手当は年明け1月分から不支給に。児童手当は1月分から不支給になり、児童手当は、恭子がきちんと申請手続きさえすれば、恭子に受給権が発生する。


 なお、児童手当は6月、10月、2月にそれぞれ前月までの4カ月分が支給される。したがって、2013年10月から12月の3カ月分は、翌年2月に私に支給されることになる。


 自宅には、「定期賃借」と言う形で恭子と3人の子どもたちが住み続けることになる。ライフラインと自動車は、離婚調停成立の翌日付けで恭子に名義変更することになっている。私は必要に応じ、委任状を書くだけである。


 私は自分が自宅に戻るつもりでいたため、2012年8月に別居をした後も、住民票は自宅に据え置いていた。本来ならば、調停成立後速やかに、今住んでいるアパートに移す必要があり、住民票を異動しないと、職場から支給される住宅手当は支給されない。しかしながら、自宅には住宅ローンがあり、住宅取得減税の適用を受けている。年間12万円にもなる住宅取得減税の戻り分を捨てるのは勿体無い。そこで、住宅手当を1カ月分放棄し、異動日を2013年1月以降にする旨を、杉山先生を通じて山越弁護士に連絡してもらっていた。


 また、子どもたちとの月1回の面会交流については、当面の間は第1日曜日の朝10時頃から4時間程度で行いたい旨を、山越弁護士に連絡してもらっていた。


 さらに、私は2012年8月末を最後に自宅からロックアウトされており、荷物の大半が、自宅の私の部屋や各所に残ったままになっていた。それらについても、私自身で自宅へ出向き、運び出したい旨を、山越弁護士に連絡してもらっていた。


 あっという間に忌まわしい2013年が終わり、新しい年…2014年を迎えた。十日戎が始まる頃、私は久しぶりに、杉山先生の事務所の扉をくぐった。


「先生、あけましておめでとうございます。その後、山越弁護士からは何か連絡がありますか?」


「森山さん。今年もよろしくお願いします。山越弁護士からは、お子さんの健康保険証が送られてきただけで、ライフライン・自動車の名義変更の進捗状況や、お子さんとの面会の件、ご自宅の荷物の件については全く音沙汰なしです。年末に、早急に連絡するよう促したんですがねぇ…」


 結局その後も山越弁護士からの連絡はなく、ライフラインの名義変更は、銀行口座の引き落とし状況で確認。自動車の名義変更は確認できず。子どもたちとの面会は棚上げ、私の荷物は、どういう経緯かはわからないが、親父がすべて引き上げて、一旦実家に運び入れていた。


 いやはや、想像していたことではあるが…困った連中である。

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