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黄昏の神女と執行者  作者: 神木 蒼空
第1幕 少女と記憶を失った剣士
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4章─3 <2> 神素の基礎

 前屈、開脚含めひと通りストレッチを終えソルファは立ち上がった。続いて立ち上がろうとするフィーナに手を貸す。その手を取りながらフィーナは「ありがと」と言う。


「では早速今日のメインである神光術に入っていきましょう。以前お話した内容は覚えていらっしゃいますか?」

「えーと、五大元素と系統外元素、無系統元素の種類があって、それを無意識領域に流し込んで術式を組み立てて発動するって流れだよね?」


 フィーナは以前ソルファから聞いた話と学院での書物を読んだ際の記憶をを頼りに言う。


「細かいところは除いてしっかり覚えていますね。復習の必要もないでしょう。それだけ覚えていれば今は大丈夫です」


 ソルファは数週間前に話した内容ゆえにフィーナが忘れていないか心配だったが、自主的に勉学に励んでいるフィーナは覚えている内容だった。


「ではお嬢様、はじめに全身に神素を纏ってみてください」


 こんなふうにとソルファは自身の闇色の神素を全身に纏ってみせる。それを見たフィーナもやってみる。およそ一秒をかけて全身に纏う。その色は煌びやかな黄金色。


「できたわ!」


 驚きと喜びの混ざりあった様子でソルファを見る。しかしソルファはできて喜ぶフィーナを褒めたりはしなかった。


「とてもお喜びの様子ですが、それが出来なかったのではこの先は一切教えられませんでした」

「それって喜ぶようなことではないってこと?」

「そうです。つまりできて当たり前のことということです」


 当たり前という言葉を聞いてフィーナは急に恥ずかしくなった。思い返してみれば、学院での自主練習の時間でフィーナが一人で剣の素振りをしているとき周りのクラスメートは出来ていた気がする。

 神素がほとんど使えないフィーナは自分には関係ないことだと気にしていなかったからか、あまり覚えていなかったためこんなふうに喜んだのだった。


「ですがお嬢様。こうは言いましたがまだお嬢様は神素が上手く使えるようになったばかり。使えるようになってから全身に纏うことができるようになるには一週間は要すると言われていますので早いほうですよ」


 ソルファはモチベーションを下げないためにすかさずフォローを入れる。自分で下げたのだが。

 前屈、開脚含めひと通りストレッチを終えソルファは立ち上がった。続いて立ち上がろうとするフィーナに手を貸す。その手を取りながらフィーナは「ありがと」と言う。


「では早速今日のメインである神光術に入っていきましょう。以前お話した内容は覚えていらっしゃいますか?」

「えーと、五大元素と系統外元素、無系統元素の種類があって、それを無意識領域に流し込んで術式を組み立てて発動するって流れだよね?」


 フィーナは以前ソルファから聞いた話と学院での書物を読んだ際の記憶をを頼りに言う。


「細かいところは除いてしっかり覚えていますね。復習の必要もないでしょう。それだけ覚えていれば今は大丈夫です」


 ソルファは数週間前に話した内容ゆえにフィーナが忘れていないか心配だったが、自主的に勉学に励んでいるフィーナは覚えている内容だった。


「ではお嬢様、はじめに全身に神素を纏ってみてください」


 こんなふうにとソルファは自身の闇色の神素を全身に纏ってみせる。それを見たフィーナもやってみる。およそ一秒をかけて全身に纏う。その色は煌びやかな黄金色。


「できたわ!」


 驚きと喜びの混ざりあった様子でソルファを見る。しかしソルファはできて喜ぶフィーナを褒めたりはしなかった。


「とてもお喜びの様子ですが、それが出来なかったのではこの先は一切教えられませんでした」

「それって喜ぶようなことではないってこと?」

「そうです。つまりできて当たり前のことということです」


 当たり前という言葉を聞いてフィーナは急に恥ずかしくなった。思い返してみれば、学院での自主練習の時間でフィーナが一人で剣の素振りをしているとき周りのクラスメートは出来ていた気がする。

 神素がほとんど使えないフィーナは自分には関係ないことだと気にしていなかったからか、あまり覚えていなかったためこんなふうに喜んだのだった。


「ですがお嬢様。こうは言いましたがまだお嬢様は神素が上手く使えるようになったばかり。使えるようになってから全身に纏うことができるようになるには一週間は要すると言われていますので早いほうですよ」


 ソルファはモチベーションを下げないためにすかさずフォローを入れる。自分で下げたのだが。

 それを聞いてフィーナは自信をもった。褒められて伸びるタイプなのだろうか。ソルファはこれは後で記録帳に記しておこうと思った。ここぞという時に、褒めるという手は使えるだろう。


「ですが一つ課題があります」

「課題?」

「はい。スピードです。纏う速さ」

 

 直後、ソルファは瞬く間もないほどの刹那で全身に神素をまとった。


「こんなふうに訓練を重ねていけば一瞬でできます。これができれば基本的にはどんな状況でも瞬時に動けるので戦いではとても重要です」


 そしてスッと纏われていた神素は消える。


「先程のお嬢様はおよそ一秒でした。それに比べて俺のは0.01秒。お嬢様にはこれから毎月少しずつ早く纏えるような練習を行っていきたいと思います」


 目標ができればそれを達成するために一生懸命になるだろうという理由も含めた目標を掲げる。

 そしてソルファは内側の胸ポケットから時計をおもむろに取り出す。

 

「さあ今から今日の最速がでるまで続けてもらいますよ」

「ええ!?」

「文句はなしです。お嬢様ならすぐ追われます。はい開始!」


 そう言われてはやるしかないとフィーナは開始の合図とともに纏う。


「はいダメ! もう一度!」

「鬼畜教師!!」

「なんとでも言ってもらって構いません」


 フィーナの言葉など気にもとめないソルファ。このことはフィーナの声とともに一部のメイド達へと伝わっていて密かに「鬼畜な教師」と囁かれることになるのだがそんなことをソルファが知る由はなかった。


大幅に遅れてしまい読んでくれている方々ほんとにすいません!!

受験勉強が忙しいことが主たる原因なのですが前回同様ご理解いただけると嬉しいです。

次こそは早く投稿したいものです。

今回サブタイトルが微妙になってしまったので今後も変えたいと思います。

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