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1-6解散危機

「おい……魔法の効かないモンスターがいるなんて聞いてないぞ」


 クエストから帰還し、完了報告をして得た報酬でご飯を済ます俺達には、どんよりとした空気が流れていた。

 魔法使いが4人のパーティにとって魔法が効かないのは致命的すぎる。


「将来的に魔王と全面戦争になって魔法が効かなかったらどうするんだ」


「でも……もう皆魔法使いになっちゃいましたし…」


 メイが流石に申し訳なさそうに言う。

 俺も冒険者稼業に誘われた見だが、誘って無理やり連れ出しといてこんな立場に置くのは少し酷すぎないか。


「メイにもなにか考えがあるんじゃない?」


「メイに考えって……やっぱりお前が指示したのか? 皆が魔法使いになったのはお前のせいか……」


「……ごめんなさい……」


 そんな顔しないでくれ。まるで18歳の俺が、12歳の幼女を虐めているみたいじゃないか……


「で……その考えってのはなんだ?」


「……それは……」


『言えません。』


「……は?」


『それはまだ言えません。あなたにとっても不都合です。』


 語彙表示魔法と語彙発声魔法を駆使して喋るメグミに俺はどうしてもカチンと来てしまう。

 今、俺達のパーティは最悪の雰囲気が流れている。


「今はメイと話をしているんだ!お前は静かにしていてくれ!」


『いやです。冒険者になって1年経っていないアマチュアが口出さないでください。』


「くっ…………………」


 つい声を荒げる俺に全く動じないメグミ。

 それどころかメグミに痛いところを突かれてなにも言えなかった。


「メグミちゃん……流石にそれは言いすぎじゃ……」


「そうですよ。私が無理やり冒険者にしたわけですし……」


 メグミは未だに俺をパーティに入れていることが気に食わないようだ。


「わかった……今日はとりあえず帰らせてもらう」


「ちょっと! クエスト報酬金忘れてるよ!」


「メグミにやるよ」


 そう言って俺は酒場を後にした。

 旅館に着いたら帰り支度をして町へ帰ろう。

 冒険者なんてもううんざりだ……


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