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1-1冒険者になろう

「で……お前に乗せられこんなところまで来たわけだが…」

「うむ!その通りですよ!ここは王都システマ!我らの拠点です!」

「なんでさっきから敬語なんだ?初めてあった時はタメだったのに……」

「あれです。第一印象が大切です!」

フフンと自慢げに鼻の下を伸ばすが、普通初対面の人だからこそ敬語使うんだろうが……


「あ!メイ様!」

「メイ様だ!おい!メイ様だぞ!」

「皆!頭を下げろ!」

それは王都に入った瞬間だった。街にいる人がみな頭をさげ、ハハーと言わんばかりにこのポンコツにむかって敬意を向けている。

「皆の者ご苦労!」

またフフンと鼻の下を伸ばすメイ。

ここの住民は皆馬鹿なのか?

「ほらほら!屈服しろ!頭を下げろ!この愚民どもが!我が強力な力でこんなちっぽけな街などぐふぅ」

「アホ!何言ってんだ!」

思っきし頭を叩いた。生きた魚を〆る時と同じぐらいに。

「おい……あの男メイ様を殴ったぞ」

「ふざけるな……生意気だぞ!」

え……皆怒ってる?え……そういう趣味?罵られたい感じ?

いつの間にか王都の住民からは謝れコールが。やばい完全にやばい。てか、なんで俺責められてるの?お前らを庇ってやったんだろうが!

「静粛に!この方は私の相棒!マイサーヴァントなのだ!そうマイサーヴァント」

静寂を破ったのはメイ自身。マイサーヴァントは大事なことなので二回言いました。

「いいか!この方は料理人!私はソードマスター!これ以上とやかく言うのなら刻んで夕食のつみれ汁にしてやろう!分かったか!」

「はい!」

一斉に返事をする人々。

「返事は!」

「はい!」

「私は大人に見えるか?」

「いいえ!」

「そ……そこははいだろ!?」

「はい!メイ様!」

まるで小学校の先生と生徒みたいだ

なんなんだこいつらは……

俺は何を見せられているんだ……

後ろで喚く大衆達を置いて、僕達は酒場へ向かった。



酒場は出会いと別れの場。パーティを組んだりギルドを結成したりするための交流所や死亡者を貼り出すための掲示板。過去の英雄を称える掲示などもある。そこには第三次世界反乱鎮圧者、グルドミノ・メイ・システマという名とドヤ顔で写るメイの顔が……

「これ……お前か?」

「よくぞ聞いてくれました!これが私!王都システマの名の由来でもある最強少女!グルドミノ・メイ・システマとは我のことであります!」

あれーー?こんなバカが英雄?この世界はどうなってるんだ?

そう考えている間にも、酒場ではメイにサインを求めたり握手を求めたりと続々大衆達が集まってくる。当然荒くれ者みたいな世紀末の雑魚キャラみたいな奴らが絡んでくる。

「あんちゃん……メイ様となにしてんだ……」

「お前冒険者じゃないだろ?とっととどきな!この方は伝説のお方メイ様!お前が隣にいるのは似つかわしくないぞ?」

あー……最悪だ……今日何回目だ。


「今日より我はこのお方とパーティを組むことにした!皆の者!この方に指1本でも触れればこの王都システマに住む人々全員を切り刻んでパスタにかけてやるぅ!?」

思いっきり殴った。

「ジョークが過ぎるぞ!英雄がそんな事言ったら皆信じるだろうが!」

「はぁ!?お前もパスタにしてやろうか!?」

「さっきと言ってることが違うんですけど!?指1本触れさせないって言ってた張本人が指どころかざっくり殺すつもりなんですけど!?」

メイはご乱心だ……

「メイ様なぜそのような……」

「分からぬか!?この方は伝説の料理人だぞ!」

「いや!?料理人なんて要らないし、冒険者にとってならなおさら……」

「否!冒険者に大切なこと!それは食だ!適切な調理を施さなければ時に命を落とすこともある!健康管理は命のもと!冒険者が最も気遣わなければならぬ事だ!」

その発言にあたりがざわめく。

「なるほど!流石はメイ様だ!」

あたりに響くメイ様コール。

なんなんだこの街は?なぜこんなにメイを崇拝しているんだ……

英雄掲示板には18人の英雄が掲げられている。英雄はこんな待遇受けられるのか?

冒険者も悪くないかも!


「さっ…騒動も終わった見たいですし、冒険者登録をしましょう。」

「どうやって?」

「そこのお姉さんに、転職届けを出してください。それだけです。」

「それだけでいいのか?」

「ええ。ただ、冒険者になる時職業を決めます。あなたは料理人でお願いします。」

え……それって決定?まぁそうだよな……それ目当てで僕を誘ったわけだし…

「ちなみに戦士とかになっちゃだめかな?」

「……?いいですけど?ちなみに最終学歴は?」

「王都システマ料理学校メイス支部だけど…」

メイはムッと険しい顔をして

「じゃあダメです。はいはい!料理人になるなる!」

いや……ここは喰いさがれぬ!魔法が使いたいんだ!

「嫌だ!魔法使いがいい!」

「料理人!料理人!さっさと料理人!料理人!料理人!さっさと料理人!」

メイがドンチャカドンチャカ踊りながらなんか言ってる……

「なんでだ!?なってもいいだろ!?魔法使いたいんだ!?」

「だめです!いいですか?この世界は最終学歴が全てです!あなたは魔法大学を卒業していないし、まして料理の専門学校じゃリベラルアーツも学んでいないですよね?それじゃあ基礎も出来てない。今から魔法使いになるには10年……いや……20年かかります。魔法使いは知力と精力に依存します。38歳になる頃には精液なんて枯渇してるでしょ!?知力も20年頑張ったところで魔法大学卒の18歳のせいぜい半分程度しか付きません。そんな抜け殻みたいな屍いりません!」

「抜け殻みたいな屍ってなんだ!?屍みたいな抜け殻だろうが!」

「そーとも言います!」

言わねぇよ……でも英雄が言うならそうなのか!?得意分野を生かしたほうがいいし……親には無断でここ来ちゃったからな……親にバレた時にいい顔出来ないとまた料理人になりそうだし……

「あ!でも!冒険者は転生し放題!好きな時に職業は変えられますので、まずは魔法使いでも……」

「本当か!じゃあ魔法使いで!」

転職届けをザ役場の人って感じの方に提出して完了!

今日から魔法使いになりました!


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