Session9:強襲
活動報告させていただきましたが、今週の更新頻度すごく落ちます。申し訳ございません。
それから、昨日までの日間どうやらTop10入りしていたみたいで……ありがとうございました。
そもそも、弓がなぜ不遇なのか。
ルクスは「コストパフォーマンスが悪い」と言われたと言っていたが……
まぁ、確かにコストパフォーマンスも悪いけど……。
矢が道具扱いであり、一射につき一つ消費される。よって多くの矢を所持していないと直ぐに矢が尽き戦力にならなくなる。
また、矢を射た後は、再装填をしてから射撃となる為、秒間ダメージも低い。
だから、大抵の人は剣を手に取った方が良いと、考えるはずだ。
でも、大きな理由はそこでは無いだろう。
じゃぁ、どこか。
……普段からテレビや漫画、アニメを見ている人は剣や銃、魔法を見慣れている人が多いと思う。
でも、『弓』はどうだろうか?
少なくても、私はあまり見馴れている感覚がない。
所謂、認知度が低いのではないか…・・・と言うのが一点。
もう一点は、これこそ大きいと思うが、モーションアシストの適応外が存在する事だろう。
この【GTO】では武器を扱う際やスキルを扱う際、モーションアシストといって、体の動きをある程度制御してくれる機能が存在する。
分かりやすく言うと、全く経験が無い人でもある程度武器を扱えるようになると言う事。
でも、弓は違う。
扱えたとしても、確実に当たる(・・・)わけではない。
そう、モーションアシストによって矢を射る事が出来ても、その矢が敵にあたるわけではないのだ。
そこが、未経験者にとっては敬遠する大きな理由になっているんだと私は思っている。
だからこそ、味方を誤射してしまうなんて、悲惨な結末が待つのだろう……。
「ルクス!もっと周りをみて射れよ!! 」
「私だって、ちゃんと見てるよ!! レーヴの助けに成ればいいと思ったの」
……邪魔になっちゃったけど
ルクスの心の声が聴こえる気がした。
……どちらにせよ、私にとってこの状況は好ましくないんだけど。
「2人とも、ちょっと落ち着いてって」
「「落ち着いてるって(ます)!! 」」
うん、息はぴったりなのにね。
「まぁまぁ、初めての戦闘だしこんなものでしょ?」
私が言うと、レーヴが反論する。
「いいえ、ルクスは……ほかのゲームでもこうなんですよ!! 」
「ちょ、ちょっとレーヴ!ほかのゲームの話は出さないって……」
ふむ……?
なんだ、なんだ現実の友達か姉弟なのか……。
なるほど。それは少しレーヴの言い分もわかるにはわかるけど……。
「そうだね、レーヴ。ルクスの言う通り。このゲームでは初めてでしょ?ましてや、VRMMOなんだし、ある程度は許容してあげないと」
そう言うと「で、でも」と口を開きかけるが、「そうですね。そうでした」と何か諦念を抱いたようだった。
ルクスはほっとしているようだけど……。
「でもルクスもこれに甘えちゃだめだよ? 少しづつ慣れて直していかないとね?」
そういうと「はい」とルクスは言い「がんばります」と浮かない顔で言っていた。
「2人はきっと、PT組める機会が多いからよくなるよ!少しづつでもさ」
そういうと、2人は「「そうですよね!! 」」と息を合わせて言うのだった。
(うん、すぐに解消できる問題なんだろう)
そう、私は口に出しかけるが思うだけに何とかとどめるのだった。
その事で2人は気を取り直したのか。
「もう少し狩りを続けたいです」とレーヴが言うと、ルクスが「私もです」と相槌を打つ。
その様子を見て、『アクアステルラ』に戻りたい……なんて気持ちは何処かに飛んでしまい……
「そうだね!」と笑顔で答えた。
その後はまた、キラーピッグ等のモンスターを探しながら草原を歩き回る。
敵を見つけては、戦闘を挟む。
やはり1回2回じゃいつもの癖や戦い方の修正はできる筈もなく、何度もレーヴを誤射していたが段々レーヴも慣れてきたのか……
「いてぇっ!! 」とは口に出しつつ、「もっと右を狙えよ!」などアドバイスを出すようになっていた。
ルクスも「ごめん!! 」 と謝りつつ、すぐに修正……あぁでもない、こうでもない……と、試行錯誤しながら、射撃をしている様だった。
(微笑ましい……私が求めていたPTでの戦闘だよ!)
すっかり気分を良くした私は、支援術と付加術を2人にかけ時折、回復魔法を使うといった完全な姫プレイをしていた。
……そんな、油断ばかりしていたからだろうか。
すぐ傍まで、モンスターが接近している事に気づかず、自身には支援術を使っていなかった。
「ルナさん!! 後ろ!」
ルクスの声で後ろを振り向いた時には、既に遅く……
何かに衝突された……そんな衝撃と共に、吹き飛ばされた。
「あっ……」
声は言葉にならず……次の思考を考えようとして……そのまま地面に体を打ち付ける。
「うっ……ぐっ」
肺に溜まっていた息が全て抜けていくような感覚が体を巡る。
酸素を求めて、口を開くが……うまく吸えず、苦しさだけが募る。
(なになに!? )
薄れゆく、視界の元……何とか意識を手放さないように保ちながら、衝撃があった方向を見ると。
2足歩行をした、豚と犬を混ぜたようなモンスターが手に持った棍棒を振り終え……
残心を取っている姿が見えた。
「……ど、こ……から」
きてたの? その言葉は紡げず、胸で呼吸をする。
HPゲージを見ると危険域まで減っており回復しようと、回復魔法を行使しようとするが……体が動かない。
(あれ?なんで??)
自身の状況も冷静に、考えることができず、混乱したままステータス画面を開く。
そこには『状態異常:気絶』の文字が刻まれている。
(あぁ、これかぁ)
体は動かせないけども、意識ははっきりしている。
段々と冷静さを取り戻したとき、自身の視点が若干変わっている事に気づく。
(あれ、よく見れば私の顔も見える……)
そう、3人称視点に代わっていた。
(あぁ、これが気絶って事ね)
自分の体が目の前に見えるのに動かせない……歯がゆさを覚えながら周囲を見回すと……
先ほどまで、残心を取っていたそのモンスターがゆっくりとこちらへと歩いてくる姿見える。
顔には醜悪な笑顔を携えて。
(あぁ!もう、こんな笑顔見たくなかった!)
そう悪態をつくが、状態異常が残っている間は動くことができず、何もできない無力感だけを感じる結果となる。
(んー……ちょっと、『GTO』の事舐めてたかなぁ……)
もっと2人に気を置くだけじゃなくて周囲も警戒しておけばよかった。
これじゃあの2人の事いえないなぁ……と思いながら、反省点をいくつも脳内で上げていく。
(とりあえずは、死に戻りしちゃうだろうから……2人に謝らないとなぁ)
なんて、考えているが……
一向に、そのモンスターがこちらに歩み寄り2撃目を加えてくる気配がない。
(あれ……)
思考を中断し、改めて辺りを見回すと、ルクスが魔法と矢を駆使しそのモンスターを足止めしている様子が見えた。
「レーヴ!! ルナさんの回復宜しくね!」
「任された!! 足止め宜しく!」
そう言って、レーヴはポーチに手を入れ……私の元へと走りだした。
状態異常:気絶 の 補足。
効果として、一定時間、一切の動作不可能。発語不可能という状態です。
本当に気絶していると周囲の状況や何が原因でデスにいたったのか等がわからない為、3人称視点で自分を見ている感じになります。