session7:対等
日間ランキングにどうやら乗っていたようで……読んで頂いている皆様、ならびブックマーク.評価をくださっている皆さんありがとうございます。まだ歩き始めですが、よろしくお願いします。
「なんなんですか!! あの男は!! 」
先ほどまでの会話を思い返し苛立ちを更に募らせる。
あの、失礼気まわりない言葉の数々。
挙句の果てには、ギルドの宣伝まで……まぁ、いいでしょう。
何となく、行く末は見えた気がしますし……
しばらくイライラが収まらず、周囲に近寄るな、話しかけるなという空気を醸し出しながら、練り歩く。
心の中で散々、未来のビジョンを思い浮かべる。
序盤不遇スキル……されど、それは序盤だけなのだ。
レベルが上がれば上がるほど、攻略が進めば進むほど、適切な支援が必要となる。
その時になって、その時を初めて知って……あの人は後悔するんだ。絶対に。
『未来の為に楔を打てず、潰してしまうような人は……』
他のプレイヤーをスキル構成だけで見下してしまい、対等の立場で見れないような人は。
絶対に大きな失敗をする。大きな過失を犯す。
それが、いつなのか。その時が来るのか……
それはわからないけども。
……もやもやしながらも私は、歩いていく。
もはや、PT募集は意味をなさないと確信し、フィールドに向って一人で。
しばらくは、ある程度は自身一人でレベルを上げようと、ソロ活動することを考えながら。
しばらく歩いていると、後方から「すいませーん」と声をあげながら移動する人たちがいる。
……誰に対して声をかけているのか、一瞬だけ気にかけるが……
まぁ、私じゃないよね。と立ち止まることなく歩き続ける。
だが、声はやむことなく……むしろ次第に大きくなっていく。
(私なのかなぁ?)
そう、一瞬だけ頭をよぎり立ち止まって振り返ってみる。
すると
「やっと、止まってくれた」と息を切らしながら、2人組の男女が私に追いついて立ち止まる。
乱れる呼吸を必死に整えながら、その2人組は声を揃えて、口を開く。
「よかったら、僕(私)とPTを組んでくれませんか?」
……突然PT申請を受けた。
「……何でですか?」
そう問い返すと、男性の方がまだ息の整わないまま、質問に応じる。
「先ほどの灯台でのやり取りを聞いていました。あの前に僕も、同じようにあの男に馬鹿にされたんです。スキル構成の事で。そんなスキルを取ってる奴の気が知れない……って」
女性の方も「私もです……」と続けた。
「なるほどね。で、どんなスキル構成なのかな?私のは、きっとあの場にいたなら聞いてたでしょ?」
そういうと
「僕は、精霊術と調教……それに、剣と水魔法ですね。あと少し生産職のスキルを取得してます……中途半端なスキル構成に生産職入れるくらいなら、どちらか一本に絞れと言われました……」
と男性が言う。
女性の方は「私は、弓道を嗜んでいるので、弓術を取ったんですが……コストがかかりすぎて話にならない。と言われましたね……一応魔法も2属性取得したんですが……」若干涙目で言っていた。
……成程ねぇ。
あのドゥラークとかいう男は、要は将来性よりも今を求めているのかな。
それとも、脳筋プレイヤーなのか。
どちらにしても、先を見据えていないのは確かなんだなぁと、勝手に思ってしまった。
「むしろ、助かるわ……どちらにせよ、このまま私一人でレベルを上げようと思ってたの」
そう告げると、二人は笑顔になる。
「そうだ……自己紹介しないとね!私の名前はルナ……支援付与術師を目指してる支援職大好きなプレイヤーです」
よろしくね! そう一礼をすると二人もかしこまってお辞儀をする。
「僕は、レーヴ。そうだね、武器鍛冶師をしたいのと、精霊剣士(フェアリーソーダ―)を目指してます」
「私は、ルクス。この世界でも弓を弓術を極めたいと思ってます」
そう自己紹介をする。
たった一人のプレイヤーに不遇だPTを組まない方がいいと、周囲に言いふらされたもの同士。
傷のなめ合いではないけども、不思議と親近感や縁があるなぁと、私は勝手に感じていた。
……あー、今更だけどそういえば私Lv上がってるんだっけ。
言っておいた方がいいかなぁ……と二人にやんわりレベルが1上がっていることを告げると。
「じゃぁリーダーさんだね」
と、ルクスからPTリーダーを依頼されてしまった。
レーヴからも「支援しながら、アドバイスと指示もくれると嬉しいな」
そう、大層な役割をいただいてしまった。
「えーっと。拒否権は……」
「「当然ないよ?」」
初めてあったはずの三人なはずなのに、何故だがすぐに息が整っているように感じるような。
見事な会話の流れだった。
その後も、『アクアステルラ』から出るまで歩く間に何度かやんわりと断ろうとしたが……
断れるはずもなく、結局そのままフィールドに出てしまうのだった。
「……観念する! もう私の負けっ あー、できればリーダーしたくないよー責任重いよー」
と、愚痴を垂れながら広い草原へと繰り出す。
ルクスとレーヴは困った顔で「「お願いします。ルナさん」」
と言い、各々武器を手に持ち周囲警戒に努める。
「戦闘入る前に……レベル上がってる分のポイント振ってもいい?」
忘れてた、忘れてたと尋ねると、二人は武器を持ったまま、「「どうぞ」」というのでお言葉に甘える。
しばらくはというか、私の場合StrとDexに振るメリットが今のところあまりないため自然とIntとDef、Mdf,Agiに振るように限られる。
なので、序盤の火力不足を補う為、2pともにIntに振りステータス振り分けを確定する。
――ステータス――
【キャラ名:ルナ】
Lv2
Str 10
Int 12
Def 10
Mdf 10
Dex 10
Agi 10
うん……これで良し。
「お二人とも、ありがとう。お言葉に甘えたよ?」
それから……もう一つ。
「回復アイテムを買いに行ってもいいかな?」
と二人に問いかけると……
「私達も補充しますね」と返事が返ってくる。
その後、道具屋に立ち寄り、MPポーションを10個程購入した。
単価は150ノクトなので支払ったお金は1500ノクト……。
残金は3000ノクト位……?かな。狩りが終わって道具を売却したら詳しく確認してみよう。
――準備は万端。
「それじゃ、行ってみようか」
その言葉と共に、【GTO】の世界初の戦闘へと身を投じるために走り出した。
ルナちゃんは怒っていると敬語になります。
予約投稿です……もし誤字などあれば指摘お願いします。修正おそらく21日になってしまうと思いますがよろしくお願いします。