session3:【GTO】の世界
1話あたりの文字数を考えていますが……
2000~3000文字の間で推移してみようかと思います。
筆者の仕事との兼ね合いもありますが……必ずしもこの文字数に収まるとは限りません。
突然だが、1つ質問がある。
MMOやRPGといったゲームにおいて皆がやりたいと思う職業は何か。
勇者?戦士?魔法使い?それとも……魔法剣士?
私の勝手な偏見だけども。
大概の人は戦士や魔法使いといった、やっていて爽快な職業を選ぶんではないか。
特に、火力を担う職業を。
でも、その点で言うなら、私は他者と大きく異なるのだろう。
私が、魅力を感じるのは……やってて楽しいと感じるのは。
なにせ『支援職』なのだから。
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キャラクリエイトの最中、そんなことを考える。
現在は、容姿の設定をしている最中である。
髪の色を、どうしようかと考えていた。
自身が憧れる髪の色が、複数色ある。
1つが、銀髪。昔見たアニメの影響なのだが……夜月を背に戦う魔法少女のアニメの大好きなキャラクターが銀髪だったのだ……
他には、現実でしてみたい髪の色として、茶髪や金髪があるのだけど。
「……やっぱり、銀髪にしようかな。現実じゃ絶対できないし」
そういって、銀髪を選択し反映する。
次は髪の長さ、これはもう決めてる。迷わず長髪を選択する。
「やっぱり、色々な髪形が出来るロングだよね」
ゲーム内で、髪がいじれるような設定がされているのか不安だが……
限りなく五感を再現しているぐらいだし、あるのだろうと考えた。
目の色……左右異なる色、つまりオッドアイの設定も出来るのだが……
何となく、それは痛い気がして避けて通る。
「……銀髪に合う色ってやっぱり赤なのかなぁ」
そのアニメのキャラクター依存で考えを進めている為、自然と赤色を選択しそうになる。
ふと、横にある鏡を見て、鏡を見ながら決めればよかったよね。
そう、気づき目の色を変えては鏡を見て確認する作業を繰り返した。
そうして、自分が納得した色を見付け決定する。
選んだ色は、アイスブルーにした。
それ以外の容姿はほぼ弄らずに変更を完了した。
何となく、鏡の前で、一回転。
銀髪が揺れ、透き通るような水の色の瞳が鏡に映る。
その様子がいつもの私じゃないみたいで……
「……おかしいね。私が私じゃないみたい」
そういって、笑うのだった。
ある程度のキャラクリエイトが終わり、今度はスキルの選択となる。
初期スキルは膨大にある、スキルの中から10個を選択する事が出来る。
大概の人が、武器や魔法をこのスキルの中から選んでいくだろう。
例にもれず私もだけど。
一部の生産職の人なんかはちょっと違ってくるのかもしれないね。
装備スキルは10個。これはレベルによって増えるらしいが詳しい事は分からない……。それまでは、所持スキルに上限は無い為、場面に応じて付け替えていく必要があるだろう。
それから、スキルにはレベルが設定されていて、スキルレベルが10レベルになる毎に、新規スキルポイントが1手に入る。その後は、このスキルポイントを使って新しいスキルを取得していくことになる。
レベルが上がるにつれて上位スキルや派生スキルが生まれるらしいけど……
今はまだ関係の無い話かなぁ。と、其処で思考を中断する。
『スキル設定に移ります。画面より好きなスキルを10個選択してください』
ナビゲーターのグリーンさんがいう。
そして画面が切り替わり、スキル項目が流れるように表示される。
「ある程度は決めてるのよねぇ……さぁ、他に面白いスキルはあるかな?」
そう言い、事前に決めておいたスキルをまず取得する。
≪支援術≫≪付術≫≪回復魔法≫≪召喚術≫≪杖術≫
≪魔法才能≫≪魔力≫≪魔力流用≫≪詠唱速度上昇≫
と9つのスキルを取得。
後はどうしようかなぁ……と魔法スキルの欄をスクロールしていく。
……結局目ぼしいものは見当たらず……魔法属性欄をのぞき、考え≪風魔法≫を取得し、10個のスキルを決定した。
「結局、支援よりは魔法火力職寄りになっちゃうのよねぇ……」
そう、愚痴りはするものの……序盤は仕方ないと心の中で思う。
エンターキーを押し、キャラクリエイトを完了するのだった。
『お疲れ様です。以上で初期設定は全て完了となります!! サービス開始時をお待ちください』
そうグリーンさんは笑顔で良い、段々と草原は何もない真っ白な空間へと戻る。
その空間に戻った後……
「今何時だろ?一回時間を確認しようかな」
そう、思いログアウトのボタンを押す。
戻る時も一瞬だった。
少しだけ暗転し目が開く……とそこはベッドの上だった。
時計を横目に見ると、午前9時40分を回る頃。
少しだけ、予定してた時間よりオーバーしてしまったが……
まぁ、問題はないよね。とPC上でインストールされているかを確認し、飲み物などを飲みながら一息つくのだった。
そうしているうちに、10時を迎え正式サービスの時間を迎える。
「待ちに待った時間だ!! 」
抑えきれない。
この気持ちが爆発してしまわない内に……
再度VRギアを顔に装着した私は……
「いざっ!」
という掛け声とともにスイッチを入れ、【GTO】の世界へと旅立った。
…………
……
ゆっくりと目を開ける。
眼前に広がるのは、水の都を彷彿させるような町並みと……
其処に沈んでいく夕焼け。
そして、こちらに満面の笑みを浮かべるナビゲーターAIのグリーンさんだった。
そのグリーンさんが一言
『改めまして、ようこそ!! ≪Grow a tree Online≫へ!! これから始まるこの世界をどうぞ……貴女だけの楽しみ方で過ごして下さい』といい、一礼した。
――この時から真の意味での、【GTO】の一プレイヤー。
ルナとしての世界が……始まった。
スキル構成の補足
ここで補足しておくのは2つ
魔力:要は魔法の力を得るという事です。ないと魔法を持っていても使えません。
魔法才能:魔法に秀でる才能を得る。魔法に関する効果上昇と考えてください……。
他のスキルはまた追々。