session2:開始
まだ導入部分です。キャラクリエイト。スキル導入部分は次回。
早ければ今日の夜にでも投稿できると思います。
次の朝、目が覚めると……
目覚まし時計は、午前6時半を指していた。
「……んー、やっぱり早く目が覚めちゃったかぁ」
元々、目が早く覚めると分かっていたかのように口を開く。
元々、脳波設定やらキャラクリエイトに時間をかけようと思っていたし……
と、とりあえずは朝ごはんを食べにリビングに向うのだった。
両親は共に、共働き。
土日も仕事の為、家族がそろうのは決まって夜。
それも幸い……なんだろうか?
ある程度、何をしていても何も言われない環境にある。
学校の成績さえ、異常に落ちていなければ。
そういった事情もあるが、ともかくゲームをしていても問題ないという事。
顔を洗い、朝ごはんを食べ身支度を済ませた私は、自分の部屋へと戻り……
VRギアをPCに説明書に沿ってセッティングしていく。
その際に、PCに【GTO】をインストールすることも忘れずに行っておく。
「さて、これで大体終わったかな」
一通りセッティングが終わったため、VRギアを手に寄せ頭に装着して、ベッドに入る。
深呼吸……。
このスイッチをOnにすれば……脳波検知が始まり初期設定。
それから、【GTO】のキャラクリエイトが始まる。
ちょっと不安もあるけれど……。
それ以上に楽しみを抑えられず、ドキドキする。
高鳴る鼓動を抑えつつ、私は軽く目を瞑りVRギアに電源を入れた。
『VRギアをご購入いただきありがとうございます……これより初期設定へと移ります』
無機質な声が告げる。
『これより、脳波検知に移ります……体を楽にしてお待ちください』
元よりベッドの上にいる私は、そのまま深呼吸をつづける。
(確か初期設定に約20分……ぐらいかかるって言ってたっけ。キャラクリエイトも合わせたら1時間半ぐらいかかっちゃうのかな?)
そんな事を考えながら。
現在の時刻は午前8時、このまま時間通りに終われば、少しだけ時間が余る。
けど、PC上でする操作もあるし、インストールも完了したかチェックしないといけない。
かえって都合がいいのかもしれない。
そう思っていると次の指示が来る。
『脳波の検知を完了……これより催眠誘導に移ります』
その声と共に、ふわっと体が持ち上がる感覚がはしる。
少し、こそばゆい感じがする……
そう思っているうちに、私の意識は沈む。
♦
目を開くと、そこは真っ白な空間。
何処までも続く、真っ白な空間。
そこに、一人の女性と私が立っていた。
『こちらへ、お越しください』
その女性が、無機質な声と共に、優しく手招きする。
『これから、VRギアの初期設定を始めます。まずは、あなたの名前を入力してください』
そうして、私の目の前に唐突にPCのキーボードが現れる。
……名前はずっと使っているHNを入力する。
「ルナ……っと!これでよし!! 」
望月の月を英訳しただけの安直な名前だが、私は結構気に入っている。
入力が終わると、女性は微笑み次の指示を出す。
『少しの間、この空間の中を自由にお過ごしください』
それは、体へのフィードバックや、脳波の設定の続きなのだろう。
それにVRギアへの使用者登録もあるので、その処理の間という事なのだろう……
そう考え、空間の中を歩き始める。
「すごいなぁ……ちゃんと歩いてる感触がある」
前までにやっていたゲームは、自分で体感するゲームではなく。
スティックやコントローラーを主としたゲームであるため、まず感覚がある事に驚く。
手を、グー・パー、グー.パーと握っては開くのを繰り返してみる。
片足立ちや、跳躍を繰り返し……それから、周りを走ってみる。
しばらく走った後、ゆっくり立ち止まり一言。
「うん、普段の私とほぼ変わらないぐらい動ける……」
これだけでも、私にとって衝撃的な物だった。
実際に自分の体を動かしてゲームをする。
その事だけでも、生まれてきてよかった。
そう思っていた。
……
『設定が完了しました。現在インストール中の≪Grow a tree Online≫の設定へと移ります』
そう女性は告げる。
その瞬間、白い空間が光を放ち……。
辺り一面が、何処までも続く草原へと変化した。
どこか無機質だった女性の声音にも感情がともり……
『ようこそ!! ≪Grow a tree Online≫の世界へ……私はナビゲーターのグリーンと申します!』
そう、先ほどまでの女性とは打って変わった様子で、両手を広げ私へと告げた。
それから間を置いて……
『これから、≪Grow a tree Online≫の初期設定及びキャラクリエイトを始めます!準備はよろしいですか?』
その声と共に、草原の中に鏡が生成される。
これで、私の姿を確認しろってことなのだろう……。
うん、わくわくしてきたよ?
『では、まず容姿の設定に入ります……身長、性別、声は弄れませんが、ある程度の初期補正が付きます。それ以外の髪や目の色などはご自由に変更できますので、納得いくまで、考えてくださいね』
そういうと、鏡の横にモニターが現れ変更項目が羅列される。
それを私はゆっくりと見ながら、画面にタッチし変更していくのだった。